先日の記事。
書いているように、私自身はヘルメットは必要だと思うので被ります。
ヘルメットの記事を書くと、このような意見を頂くことが多々あります。
鎖骨の骨折などしましたが、ヘルメットが無かったらと思うとゾッとします。
こういう意見があった場合、多くの人は、
このように考える人が多いかと。
もしヘルメット無しで落車していたら、下手すりゃ死んでいる可能性すらある。
で、こういう話をヘルメット不要論者にしても、彼らは動じることはありません。
根本的な思考が違うんだと思うんですね。
ヘルメット不要論者の思考
上のような実例を話されても、基本的に動じないようです。
このような理由を述べてきます。
<1>
ヘルメットが割れたからといって、ヘルメット無しだとどうなっていたのかはわからない。
単なる打撲だったかもしれないじゃないか。
<2>
ヘルメットをせずに自転車に乗れば、より慎重に速度を落として走ろうとするはずだ。
だから落車するような危険な走行自体をしないのだ。
<3>
統計上は8000年に一度の確率。
歩行者や車の事故のほうが圧倒的に多いのだから、まずは歩行者とドライバーがヘルメットを被るべき。
レアケースに備える必要はない。
ホント、こんな意見ばかり出てきます。
1については、確かにヘルメット無しだったらどうなっていたかはわかりません。
打撲程度だったかもしれないし、脳に重篤な問題を起こしたかもしれない。
死んだかもしれない。
いくらでも考えられることはあるので、【打撲程度だったかもしれない】だけを取り上げるのはナンセンス。
2は論外。
自分がいくら気をつけても防げない事故はある。
低速で走れば安全だとする根拠もない。
これ、ちょっと前に取り上げた件と被るのですが、
『安全は愛、愛は思いやり』(あるプロセスエンジニアの「遡り安全マネージメント」)」
「安全」の反対語は危険でなく「無意識」であり、「化学工場は常に危険に曝されている」ことを意識し、「危険な状態を排除する」ことが安全を実現することである。
道路を走る以上、絶対に安全なんて言える走り方はないんですよね。
様々な危険を意識して、危険な状態を排除するにはどうしたらいいかを考えると、低速だから安全と言えるものはない。
それこそ、下手なドライバーが後ろから突っ込んでくる可能性だってあるわけで。
下手なドライバーが、追い越しざまに引っ掛けてくるかもしれない。
自分さえ努力すれば安全なんだ、という幻想なんですよね。
これなら充分に安全だと大半の人が合意できる領域を「安全」としています。危険な物質の濃度が非常に高い領域は「危険」と分類できるわけですが、その間にはどちらかわからない領域が必ず残る事になります。基準値とは「安全」と「危険」の境界ではなく、「安全」と「わからない」の境界なのです。
「安全の反対は危険」ではない(江頭教授): 東京工科大学 工学部 応用化学科 ブログ
これも重要だと思うんですが、安全と危険の二つだけではなくて、わからない領域にも備えておくべき。
3の統計上というのも、実際に事故に遭った人にとっては、確率とか関係ないんですよね。
事故に遭わなければ8000年に一度だし、事故に遭った人は1分の1の確率で喰らっているとも取れる。
ということで
ヘルメット必要論者と、ヘルメット不要論者。
たぶん両者が合意できるところって、無いと思うんですね。
なので最近の私の意見はこうです。
保護者に守られている立場の未成年者なら、保護者の意向に従ってください。
自分で判断しましょうとしか言えないです。
で、身内とか、親しい友人がロードバイクを買った場合。
100%、ヘルメットを買うようにプッシュします。
カネがないから・・・などと言うなら、カネは出します。
安いヘルメットなら6000円も出せば買える。
こっちが後悔しそうなので、親しい人にはほぼ強制です。
これが私なりのヘルメット必要論。
ただし、私の中でも矛盾はあります。
ロードに乗るときはヘルメット被りますが、電動アシストのママチャリに乗るときには被っていない。
ママチャリでも危険なことには変わりないわけで。
こういうときに、
こういう説明をしたとします。
もう、ヘルメット不要論者から総攻撃受けますよ。
お前は速度を上げて危険性が増す分を、ヘルメットで誤魔化しているだけだろ!!
もうね、水掛け論にしかならないわけですよ。
なので自分で必要性を感じたら被ればいいし、必要性を感じないなら好きにしてくれとしか言いようがない。
こういう意見も頂いたことがあります。
シングルマザーで子供も幼く、もしあのまま意識が戻らなかったらと思うと、ヘルメットを被っていれば免れたかどうかは別としても、リスクは軽減できたのではないかと思います。
周囲に及ぼす影響を考えたら強く推奨するのは悪くないかもしれません。最終的には自己責任にはなりますけど。
ママチャリで低速だから安全、と言い切れるものは全くないわけで。
これも確率論で8000年に一回だと言われても、この事故に実際に遭った方にとっては、確率とか関係ないですから。
あと、ヘルメットを被りましょうというと、ヘルメット会社の陰謀だと主張する人すらいます。
思うんですが、被りたくないなら被らなければいい。
そこに変な理由をつけるから、ツッコミ所満載になってしまうわけで、【イヤだから被らない】と言ってもらったほうがまだ信用性がある気がするんですね。
必要性は自分で判断
ロードに乗るときのヘルメットは法律上は任意。
必要性を感じる人は被ればいいし、必要性を感じない人は被らなければいい。
まあ、現代の常識では、【ロードバイクに乗るときはヘルメットを被りましょう】の方向性なのは間違いないところですが。
道路を走る以上、危険性を100%排除することは出来ません。
でも限りなく危険性を排除しようとしたときに、ヘルメットは1つの防御策になると思うんですが。
そういえば、まだ多くはありませんが、いくつかの自治体では条例により自転車に乗るときにはヘルメットが義務化されています。
ただし、罰則はありません。
罰則がない以上、出来ることは注意のみ。
自転車保険義務化の条例も増えてきてますが、条例ではなく道交法で義務化してもいいんじゃないのか?と思ったりもします。
保険に入らず乗っているの??ダサイよね??みたいな時代じゃないと、万が一事故を起こしてしまったときに、被害者が報われない可能性も。
被らずに後悔するくらいなら、被って後悔したほうがいいような。
まあ、被ることでの後悔って何だろう?という問題はありますけどね。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
こんばんは。
私もヘルメット必須論者です。
今までに2度「ヘルメットのおかげで助かった!」経験しました。
一度は自分自身で、車の流れに乗って30Km弱で走っていたら、自転車を見落として
隙間空いてると思った右折車とぶつかりました。
で、相手のフロントガラスに頭から突っ込み、20cm位のくぼみを作りました。
ヘルメットが割れて守ってくれたので、生きてます。
調べに来た交通鑑識の方が、立ち会ってる私に「ほんとにあなた??」
「頭でこれだけガラスを壊すと、普通は意識ないよ!」びっくりしてました。
いろいろもめましたが、人身は不問ということで自転車新しくなりました。
2度目は妹から「連れてってやって」と任された甥っ子をスノーバイクに乗せた時。
馬子にも装束とヘルメット(私は主に防寒のためにかぶってます。)被らせたのですが、スピードとスリルに中毒した甥っ子は、「それはやっちゃだめ!!!」
をやって、雪煙を上げて転げ落ちました。
結果人だかりを作り、「動けないね、救急車を呼んだ方が、、、」
でもしばらくしたらムクッと起き上がり「ああ、痛かった」とケロッとしてました。
ヘルメットには、バイクのフレームが直撃したのか棒状の凹みが。
妹に泣いて詫びずにすみました。
で、私の基準としては
そのスポーツの選手が被っているならば(ルールで強制されているとしても)
私も被る。
としております。管理下にある人にも被ってもらいます。
選手のようにすごいスピード出したりしないけれど、素人じゃ避けられない
危険もあるし、何より馬子にも装束は、それらしくってかっこいいと思ってます。
長々失礼いたしました。何事も格好からなヘタレの意見です。
コメントありがとうございます。
まず、この記事は誤爆ですw
金曜日にアップ予定で予約投稿したはずなのに、コメントが急について、誤爆に気が付きました。
結局のところ、どれだけ注意しても、防げない事故ってあるんですよね。
特に子供の場合、やっていいことと悪いことの区別もつきませんし・・・
私の甥っ子も自転車に乗り始めたら、排水溝に落ちたらしいです。
そうやって覚えていくこともあるわけで、大人でも100%事故を防ぐことなんて不可能ですし。