自転車交通ルールの話になると、必ずといっていいほど話題になるウーバーイーツの配達員。
信号無視しているとか、逆走ガーとか、無灯火だとか、酷い場合は事故の話もある。
ウーバーや出前館などの配達員を40人集めて、安全講習をしたというニュースが出てました。
警視庁は16日、「ウーバーイーツ」や「出前館」など主要6社の自転車の配達員40人を集め、安全運転のポイントを教える講習会を開いた。複数の業者向けのこうした取り組みは全国で初めて。配達員による交通違反や事故が深刻で都民から苦情も寄せられており、今後も必要に応じて開催するという。
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素晴らしい取り組みだ!とは、必ずしも思っていなくて。
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ウーバーが抱える問題点
例えばこういうのを見つけました。
ウーバーユニオンが、安全講習会へ参加希望者を募っているわけです。
まず誤解して欲しくないのは、安全講習自体の取り組みは素晴らしいと思います。
自分たちでしっかりやっていこうという取り組みですし、それ自体については非常にいいこと。
その上であえて書きます。
そもそも論として。
一言で【ウーバー】とまとめて見てしまいますが、中にはちゃんと道交法などを守って配達している人もいる。
その逆に、道交法違反なんて当たり前だぜ!という配達員もいる。
一括りに【ウーバー】と見てしまいますが、根本的に配達員は組織ではなく個人事業主なんで、本来の法的位置付けからすれば、一人一人が独立事業体と言えます。
けど、世間はそうは見ない。
ウーバーって信号無視凄いよねとか、ウーバーって歩道をスマホ見ながら通るから怖いよね、などなど、一つの組織として評価する。
で、ユニオンが安全講習への参加希望者を募集している。
それを見て興味を示す人、参加したいと思う人って、そもそもちゃんとしている人だと思うんですね。
何らかの危機感を持っているとか、自分はちゃんとしていたいと思う人が、自ら望んで参加している。
なので参加している人のほとんどは、普段から交通ルール遵守の考えを持っている人になってくるわけ。
ウーバーの人がなぜ信号無視したり、好き勝手に走るかというと、これも理由があります。
ウーバーの配達員への評価は、お客さんがする。
お客さんにとって見ると、早く、確実に届けてくれる人のほうがいいわけ。
飲食店からお客さんに行くまでの道中、信号無視したか?逆走してないか?ということは評価対象にならないし、お客さんにとっては評価できるはずも無い(見てないし)。
早く届ける=優秀な配達員、という評価が成り立ちうる。
そこに、
そもそも注意すらされないよね。
みんなやってるし。
こういう現実も加わる。
そもそも、たくさん稼ぎたいと思う人にとっては、安全講習に参加するよりも仕事していたほうがマシとも考えられる。
たくさん稼ぐ>交通ルール、になっている人に、安全講習行こうぜ!と言って行きますか?
行かないですよね?
だって、信号を守ればその分時間が取られて、稼ぎが減ると考える人たちですよ。
いかに一回の配達時間を短くして次の仕事に取り掛かれるかがポイントなんでしょうから。
安全講習をすること自体は非常にいいことだけど、単に二極化が進むだけなんじゃないかと思うんです。
⇒安全講習に参加して、さらに知識を深める。
・元々ダメな人
⇒安全講習よりも、仕事したほうがいいから当然参加しない。
元々ちゃんとルールを守ろうと思う人は、安全講習でパワーアップしてくる。
元々ちゃんとしてない、信号無視常習犯は、安全講習には目もくれず、相変わらず信号無視をする。
ザ・二極化ですね。
構造上の問題と言うか
ウーバーをバイトとか思っている人もいるといるんでしょうけど、ウーバーって個人事業主なんでバイトではないんですよね。
採用・雇用されているわけではなくて、全て自己責任を求められる個人事業主。
マックに面接に行くとか、ピザハットに面接に行くのとは全く意味が違うし責任が異なる。
アルバイトで採用されているならば、もし仕事中にお客さんに怪我をさせてしまった場合、原則は雇用主の責任になる。
けどウーバーって、事故を起こせば責任は自分なんですよね。
個人事業主なんで。
そういう重みを理解せず、バイト感覚で始めるバカが後を絶たないことが原因とも言える。
アルバイトで雇用・採用しているなら、研修への参加を職務として強制できる。
個人事業主にはそれが出来ない。
で、誤解されたくないので何度も書きますが、安全講習をすること自体はいいこと、です。
上でも書いたように、結局は元々しっかりしている人がよりしっかりするという話にしかならないんですよ。
元々ルールを守るつもりも無い人、見つからなければ問題ないと考える人は、時間割いて安全講習には参加しませんから。
ということで、そろそろ強制力を持った法整備をしたほうが、いいと思うんです。
現状の道路交通法では、信号無視などに対して注意と、講習行きの切符を切る程度しか出来ない(3年間で2枚で講習行き?でしたっけ?)。
そもそも道路上に警察官がいることのほうがマレなので、事実上はほぼ取り締まりしてないし。
トラックを使った運送業って許可制ですが、それに近いものの自転車版でも創設して、自転車運送業はナンバープレート装備が必須にするとか、罰則をかなり厳しくする法規でも作ったほうがいいと思う。
まあ、実現は難しいでしょうけど。
結局のところ、講習を受けるべきレベルの人は講習には興味を示さず、元々安全意識が高い人が講習を受けるという構図にしかならないと思うんですね。
現行法の中で何か出来るとしたらこれが精一杯なんでしょうし、警視庁がこのようなものを開くこと自体も異例だったりする。
世の中うまく行かないことって多いでしょうけど、本当に響いて欲しい層には、全く響かないのが現実なんだと思います。
ダメな奴にはいくら言っても響かないばかりか、そもそも聞く気が無い人もいるという話でした。
必ずしも
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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