シートポストをアルミ⇒カーボンに変えるというのはポピュラーなパーツ交換ですが、振動吸収性という点で見ると、体感上は全く変わらないという意見もよく聞きます。
私も今はアルミですが、以前はカーボンシートポストを使ってました。
顕著に違いが出るというわけでも・・・正直無いのかと。
シートポストと振動吸収性
シートポスト自体は長い竿ですし、サドルとケツが乗っかっているので振動吸収性の差は感じやすい・・・はず。
ここで振動吸収に差が出そうなポイントを考えてみます。
①素材の差
アルミなのかカーボンなのか?という素材の差。
一般にカーボンのほうが振動を減衰する効果は高いので、カーボンのほうが素材として振動を吸収しやすそうな気はします。
②オフセットの差
まっすぐのシートポストなのか、オフセットが付いているシートポストなのかでも変わるはず。
オフセットしている部分は理屈の上ではオフセット部で振動を吸収しそうな気がする。
③ヤグラの方向
これは以前、読者様から頂いた話なんですが、

サドルレールをヤグラで挟んで固定するわけですが、その固定の方向も関係しているのでは?というご意見。
なかなか興味深いですが、これも関係しているかも。
サドルレールの素材については、あんまり関係しなそうな気もするのですが、ここはわかりません。
④シートポストの形状と太さ
ジャイアントとか、D型シートポストにしてシナリやすくしているとか言われますが、シートポストの形状と太さについては、フレーム側の規格に依存しているので、同じフレームを使いながら細くしたり形状を変えることは事実上不可能。
なので除外します。
だいたいこんなところが振動吸収に関係するのかなと思います。
実態として
シートポストをアルミ⇒カーボンに変えたとして、


こういう意見って実は多い。
そもそも、シートポストってかなり硬く出来ているので、シナルような感じでもない。
振動吸収性という面で言うなら、タイヤ&チューブの要素が圧倒的に支配的で、次いでフレーム、最後のわずかな要素がシートポストなんじゃないかと思っていたり。
縦方向に伸びていて、かつケツの荷重がずっと掛かっている構造だというのも関係しそうですが。
オフセットゼロのアルミシートポストを、オフセットありのカーボンシートポストに変えたとしても、振動吸収性の変化を体感できるかはやや疑問。
このあたり、人それぞれの感受性という面もあるので、体感の話はなおさら難しい。
最近、エアロ系フレームでは特にですが、オフセットシートステイになっているフレームが増えてます。
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これも理論的には、シートチューブをシナリやすくすることで振動吸収性を上げている構造ですが、実際にどれくらい違うのか?という数字上のデータはさすがに見たことがない。
数字の変化と体感出来るかはまた別問題ですが。
ただまあ、シートポストでもそうですが、短い距離を乗っただけではよくわからなくても、長い距離乗った場合にはトータルとして疲労しづらいということもあるので、何らかの効果はあるのでしょうけど。
振動吸収性=カーボンというわけでもないので、ケツ周りの振動吸収性を向上させたいと思うなら、タイヤ&チューブを見直したほうがよっぽど効果があると思います。
それこそ、空気圧をわずかに下げるほうがケツ周りの振動吸収性は良くなりますし。
軽量化目的で変えるべし
なんだかんだシートポストを変えるのって、主な目的は軽量化なのかなと思います。
振動吸収性をシートポストに求めるなら、ロードではほぼ使う人もいないでしょうけどサスペンションシートポストのほうが効果はある。
振動吸収というよりも、衝撃吸収の要素のほうが強いでしょうけど。
ただしこの手のものって、安いものだと壊れるのも早いし、あまりいいことがない。
昔のエスケープR3ってサスペンションシートポストだった時代もありますが、あれも壊れるのが早い。
ただし乗り心地はすごくいい。
けどペダリングロスするのでロードでは不向き。
なのでケツ周りの振動吸収について気になるなら、タイヤ&チューブの見直しか、サドル自体の見直しのほうがよっぽどいいように思います。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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