今回の記事は妄想です。
実際に起こった事故ではないのでご注意を。
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もしも
何度も書いているように、奥まった自転車横断帯はむしろ通るべきではないと考えています。

左折巻き込みリスクと、対向右折車が勘違いするリスクがあるので。
で、もしもの場合です。
このような交差点で、
自転車が左折風に入り、自転車横断帯を渡るために右折風に進路を変える。
このとき後続車がいて、先行自転車が左折すると思い込んで衝突したとします。
自転車横断帯は絶対的な優先権があるわけですが、仮に以下の二点を後続車が主張するとどうなるんでしょう?
・自転車が横断帯に入るため右方向に進路を変えたときに、右折の合図が無かったので過失である(53条)
第五十三条 車両(自転車以外の軽車両を除く。次項及び第四項において同じ。)の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない。
・後続車がいないと軽信し、進路を変えたから過失である(26条の2第2項)
第二十六条の二
2 車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない。
まあ、26条の2第2項は無理があるかな・・・
これ、自転車横断帯が交差点に接するレベルだったら何も問題なく0:100になると思います。
けどこれくらい交差点から離れている感じだと、裁判官によっては自転車側にも注意義務があったとして10%くらいつけるかもしれません。
こういう主張をする弁護士さんがいるのかどうかは不明ですが、調べた限りでは類似判例は無さそう。
たぶん、こういう場合にはそのまま直進する自転車が多いので、事故が起きないから判例もないのではないかと思うのですが。
自転車横断帯は自転車の聖域なので絶対的な優先権がある。
けどこれくらい左折風に入らざるを得ない自転車横断帯では、自転車側にも一定の予見性と回避義務があったみたいな判決が出そうな気がする。
うーん、無理かなw
こんな感じで判決文でお説教コースかも。
被告は、自転車が自転車横断帯に進入するにあたり、手で合図を出さなかったことが違反であると主張する。
しかし道路交通法38条では、「自転車横断帯によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする自転車があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない」と定めているところ、先行する自転車が横断する可能性が十分予見できたのであるから、被告には一時停止する義務があった。被告は合図の有無を主張するが、被告が一時停止義務を怠ったことが事故の原因であるのだから、被告の主張は採用できない。
まあ、地裁とかだと裁判官次第では自転車の合図不履行だとして過失つけるかもしれませんがw
裁判の基本ですが
判例を過去にもそれなりに示しているので読んだ人は分かると思いますが、裁判は弁論主義なので、主張していないことは裁判官も考慮しません。
裁判官は法廷から出ることなく、双方の主張と証拠のみをみて判断します。
なので適切な主張をするかどうかで過失割合も変わります。
普通に直進し後続左折車が巻き込んできた場合ですが、
自転車が先行しているときは0:100。
相手方が自転車横断帯があるのに通らなかったから過失だとか言ってくるでしょうけど、横断帯を通っても通らなくても、あんたのその運転じゃどの道左折巻き込み喰らうでしょ!と反論すれば済む。
横断帯を通れば事故が起きていないの??となるだけのこと。
左折巻き込みだけを考えるなら、無理に自転車横断帯に行く理由もないとは思いますが。
まあ、横断帯通行していると10%減算が相場ですが、判例を見ると必ずしもそうとも言えませんし。

裁判って、適切な主張をしないとおかしな結果になります。
全部自己責任。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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