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当たり屋さんを防げない。

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こちらのアンケートですが、

自転車への追い越し・追い抜き、側方間隔は法律で定義すべき?(選択肢の追加可能、お一人様2票まで)
  • 自転車側の違反についても厳しく取り締まるべき 28%, 208 votes
    208 votes 28%
    208 votes - 28% of all votes
  • 定義するのはいいけど、ちゃんと取締って欲しい(できれば現行犯でないケースもだけど、ちょっと難しいか)。* 14%, 107 votes
    107 votes 14%
    107 votes - 14% of all votes
  • 「最低1.5m」と明記し、側方距離を保てない場合には追い越し、追い抜き禁止と謳うべき。 10%, 76 votes
    76 votes 10%
    76 votes - 10% of all votes
  • 速度により側方間隔の具体的数字を規定(時速30キロ以下で追い越し時は最低1.0m、それ以上は最低1.5mなど) 9%, 65 votes
    65 votes 9%
    65 votes - 9% of all votes
  • ナビラインの表示があるだけでもかなり大人しい運転になる。法律に具体的な数字があれば必ず抑止力になるはず。* 8%, 58 votes
    58 votes 8%
    58 votes - 8% of all votes
  • 現在の法律のまま(具体的数字なし)でよい。 7%, 51 vote
    51 vote 7%
    51 vote - 7% of all votes
  • 「最低1.0m」と明記し、側方距離を保てない場合には追い越し、追い抜き禁止と謳うべき。 7%, 50 votes
    50 votes 7%
    50 votes - 7% of all votes
  • そもそもこんな危ない道を自転車は通るべきではない* 5%, 37 votes
    37 votes 5%
    37 votes - 5% of all votes
  • 安全な追い越し方(免許取得時)/追い越され方(小学校等)の教育を義務付ける。* 3%, 26 votes
    26 votes 3%
    26 votes - 3% of all votes
  • 自転車側のフラツキも含めて、事故時の車側過失が100%になるなら数値規定なしでも良い。* 3%, 22 votes
    22 votes 3%
    22 votes - 3% of all votes
  • 自転車は追い越さなくてもいいという自動車側の意識改革が必要* 3%, 20 votes
    20 votes 3%
    20 votes - 3% of all votes
  • 先行自転車のカテゴリ別に具体的数字を規定すべき(子供、高齢者、子供載せ等) 2%, 16 votes
    16 votes 2%
    16 votes - 2% of all votes
  • 小中高では自転車に関する道路交通法を定期的に学習&テストしてもっと関心を持たせるべき* 1%, 8 votes
    8 votes 1%
    8 votes - 1% of all votes
  • 現状のインフラが自転車を安全に走らせられるようにできていないので、グレーな感じでうまくやっていくしかないのでは* 0%, 1 vote
    1 vote
    1 vote - 0% of all votes
Total Votes: 745
Voters: 435
2022年4月13日 - 2022年5月3日
* - added by visitor
Voting is closed

まあいつも通り、機材に関係ないアンケートは低調です笑。
ちょっと気になる意見があります。

民事の過失割合

頂いたご意見。

自転車側のフラツキも含めて、事故時の車側過失が100%になるなら数値規定なしでも良い。

民事の過失割合は、道路交通法違反と必ずしも関係しないことは過去に散々書いてきた通り。
民法709条の「過失」とは、予見可能なことを回避しなかったこととされます。

 

で、ご意見の趣旨はわかるのですが、世の中には「当たり屋」さんが普通に存在しています。
ふらついたことが過失にならないならば、当たり屋さんは絶好のチャンス到来なのです。

 

判例を見ていると被害者側の故意による事故を疑っているものもあります。

 

例えば平成27年11月5日東京地裁判例は、横断歩道を横断した自転車と車が衝突した事故ですが、以下のように判示されています。

そうすると、本件事故は被告の故意によるもので、被告は、保険金を不当に取得し、かつ、これにつき悪意というべきである。被告は、原告保険会社に対し、保険金○円を返還する義務を負うとともに、うち△万円につき平成✕年✕月✕日(保険金支払の日)から、うち◎円につき同月28日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息を支払う義務を負う。

 

平成27年11月5日 東京地裁(のち控訴棄却)

刑事事件でも「当たり屋の可能性が高い」として無罪を言い渡した判例があります。
この事故も横断歩道を横断した自転車と車が衝突した事故です。

和歌山市で乗用車を運転中に自転車の40代男性を転倒させ、負傷させたとして自動車運転処罰法違反(過失傷害)の罪に問われた女性(43)に、和歌山簡裁が「男性は保険金目当ての『当たり屋』の疑いが極めて高い」などとして無罪(求刑罰金20万円)を言い渡していたことが13日、関係者への取材で分かった。

 

エラーページ - 産経ニュース
産経ニュースは産経デジタルが運営する産経新聞のニュースサイトです。社会、政治、経済、国際、スポーツ、エンタメなどの最新ニュースをお届けします。

この事件、報道にありますが検察が略式起訴したことに対し裁判所が略式不相当として審理した結果らしい。

 

民事上、横断歩道を横断する歩行者にも注意義務があることは先日判例で示しました。

横断歩道であつても信号機の設備のない場合歩行者は左右の交通の安全を確認して横断すべき注意義務(事故を回避するための)があることは多言を要しない。

 

広島高裁 昭和59年(ネ)第103号

道路交通法に規定されたことだけが道路上での注意義務ではないわけで、容易に回避できる事故は歩行者側にも回避義務を課してます。
道路交通法38条に違反することは、歩行者の優先権を侵害したと言えますが、優先権が侵害されたとしても必ず事故が発生するとも言えませんし、歩行者側にも注意義務はあります。

民事の意味

道路交通法違反の程度と民事の賠償責任の割合が完全連動した場合、被害者が故意に起こした事故についてまで賠償責任を負うことになりますし、歩行者や自転車などのいわゆる弱者であっても、容易に防げる事故については責任を負うことになっています。

 

けど、横断歩道での歩行者事故の場合は、原則として車の過失が100%。

 

判例を見ていると、よく言われる過失割合のパターンとは全然違う過失割合を認定することは普通にあります。
一例。

 

横断歩行者に過失100%をつけた珍しい判例。
横断歩道がなく、かつ横断禁止ではない道路の場合、民事上では車にもかなりの過失がつきます。 目安は歩行者:車=20:80。 ところが、横断歩行者に過失100%とした珍しい判例もあります。 横断歩行者に過失100% ※画像と事故現場は関係ありま...

 

このような意見の真意はわかりませんが、

自転車側のフラツキも含めて、事故時の車側過失が100%になるなら数値規定なしでも良い。

非接触事故(側方間隔1.2m)でも自転車:車=40:60になっている判例もありますが、個別に検討しないといろいろ無理がある気がします。

 

18訂版 執務資料 道路交通法解説
道路交通執務研究会(編集), 野下 文生 原著(その他)




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