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リアライトの点滅、違反ではないけど違反の恐れ。

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ロードバイクなど自転車リアライトの点滅、違反ではないのか?という話が話題になっているようなのですが、これについては2つの条文から考える必要があります。

道路交通法52条及び公安委員会規則

これについてはこちらでも説明していますが、

 

自転車リアライトの点滅のみは、本当に違反なのか?
自転車は夜間等には、反射板かリアライトをつけることが義務になっています。これ、昔からいろんな伝説というか言伝えがあるというか、点灯ライトと点滅ライトを組み合わせれば違反ではないとか、反射板と点滅ライトの組み合わせなら違反ではないとか・・・警...

 

交通法52条1項、令18条により、自転車リアライトは各都道府県の公安委員会規則により規定されます。

 

基本的にどの都道府県でも同じような規定なのですが、東京都はこう。

後方100メートルの距離から点灯を確認することができる光度を有する尾灯

これについて、

いろんな人
いろんな人
「点灯」と書いてあるから点滅はダメに決まっているだろ!

と語る人が一定数いますが、日本語能力の問題。
公安委員会規則で求めているのは「光度を有する」なので、結局のところ求めているのは光度だけなんです。
なので交通法52条1項でいうところの「灯火をつけなければならない」の中に点滅を含むかの問題にしかならない。

 

これについて、私が過去にいろんな都道府県の警察本部に確認したところ、「常識的な点滅間隔であれば違反とすることはできない」と言われています。

道路交通法76条4項7号及び公安委員会規則

ではどんな点滅でも合法なのか?というと、そうではありません。

 

76条に絶対的禁止行為があります。

(禁止行為)
第七十六条
4 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
七 前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が、道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為

この規定も、基本どの都道府県の公安委員会規則にもありますが、東京都の例。

(道路における禁止行為)
第17条 法第76条第4項第7号の規定による道路における禁止行為は、次に掲げるとおりとする。
(3) 車両の運転者の目をげん惑するような光をみだりに道路上に投射すること。

リアライトとかフロントライトもそうですが、ハイパーフラッシュモードがありますよね。
日中はハイパーフラッシュだろうと幻惑効果はなくても、夜間やトンネル内で高輝度でハイパーフラッシュモードを使うと、幻惑ライトとみなされる可能性があります。
なお、「げん惑するような光」なので実際に幻惑したか否かではなく、幻惑させる恐れがある時点でダメ。

 

幻惑ライトとみなされるかについては、明確な基準はありません。
これはフロントライトの角度問題とも関係しますが、最低限、まずは自分の自転車に付けているライトを自分自身が喰らってみて不快感がないことはマスト。
自分自身が喰らうのは嫌だけど、目立つためには仕方がないと考えるのはクズの思考です。

 

点滅が全面的にダメという思考はありません。
点滅リアライトは自転車乗りにとって重要です。
使い方、点滅間隔、光度、角度など総合的に考えるべき問題。

判例

幻惑ライトが違反かどうかの判例は見たことがありませんが、幻惑されたドライバーが起こした事故の判例は私が知る限り2つほど見たことがあります。
どちらも対向車のフロントライトが眩しくて幻惑されて視界が飛んだことによる判例です(業務上過失致死被告事件)。

 

興味があるなら紹介しますが、一旦保留。

まずは自分で

先ほども書いたように、最低限、自分自身が喰らってみて不快感がないことはマスト。
可能なら、他人にもチェックしてもらうほうがいいです。

 

ハイパーフラッシュモードについては、夜間やトンネル内はちょっと無理があると思っています。
ダブルリアライトで、一つは点灯、もう一つは「常識的範囲内の点滅」にするのがベターだと思っています。
ただし、結局のところ不快感は人それぞれ感覚が違うことを理解しておく必要があります。

 

フロントライトについても、最近の高輝度ライトを水平照射したら眩しくて迷惑です。
けど、自転車ライトなんて無灯火以外は取り締まり対象にならないことが多いため、「自分が目立つため」と称して水平照射する自転車乗りもいるので、いずれは法で規定すべきなのかもしれません。

 

ちょっと前に、防眩シェードが販売されましたが、

 

防眩シェード「オルカノ」のレビュー。
読者様が防眩シェード「オルカノ」を購入されたそうで、簡単にレビューを頂きました。いつもありがとうございます。防眩シェード「オルカノ」自転車のフロントライトに被せることにより、上方向の光をカットするという「オルカノ」。すっかり忘れてましたが、...

 

こういうのを求めている人が増えているのはいい傾向なのかもしれません。
対向車に眩しい思いをさせずに、かつ、自らの視野を確保することは大切。
このバランスを欠くと、単なる自己中心マンでしかないですから。

 

自転車ライトについてフロントもリアも騒動や問題が起こる原因を考えると、結局のところ法律上の明確な規定がなく、自転車ユーザーのモラルに委ねた運用でしかないところに問題があると思っています。

 

ロードバイクにおけるハイビームとロービームの話。自転車ハイビーム禁止の県があるのを知ってますか?
先日書いたデイライトの記事についてご意見を頂きました。添付のサイトを見てください。夜間でもハイビームにしたほうがお互いに認識しやすいと思いますし、実際ハイビームの方が事故を防げる確率が高いです。眩しいと感じさせるくらいじゃないとこちらの存在...

 

埼玉県規則では、自転車のフロントライトの光軸は下向きだと明示されています。
青森県規則にも似たような規定があります。

 

フロントライトについても、例えば10m先の壁に照射したときに、光のラインが何センチ以下になるようにみたいな規定があってもいいような気がします。

どちらにせよ、リアライトもフロントライトも、自分自身が喰らってみて不快感がないことはマスト。
出来れば他人にもチェックしてもらうほうがいい。

 

自分が目立つためなら他人は知らん!みたいな自己中心マンはマジで道路上から引退して欲しいけど、結局のところ「幻惑のおそれ」とはどこからなのか?が明確ではないため、ユーザーのモラルに委ねるしかないのが現状。

 

ユーザーのモラルに委ねた運用って、一番弱いんですよね。



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