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むしろ問題なのは法律を知った上の「先」では?

こういう意見もあるんだなあ、と思いつつ。

そもそも論としては

自転車乗りに道路交通法の理解を深めてもらう点については賛同しますが、そもそも、自転車のルールを教えることができる人がどんだけ存在するのか?という疑問。

あと、ルール解釈を厳格にすればするほど、自転車はどのように頑張っても道路交通法を全て守ることは不可能です。
これは開き直りとして語っているのではなく、物理的に不可能な面が普通にあるということ。
どこかで妥協せざるを得ない。

例えばですが、信号にこれがある場合。

車道を通行している自転車であっても、車道の信号に従うと違反になり、「歩行者自転車専用」の信号に従う義務がある(施行令2条5項)。
ただまあ、見えにくい位置にこんな看板がついていたり、夜間や広い交差点ではそもそも見えないのですよ。
信号機に従う義務(7条)は故意も過失も処罰対象ですが、こんなもんを「過失による信号無視」扱いされたら理不尽過ぎるわけです。

例えば二段階右折。
自転車は二段階右折する義務があります。

(左折又は右折)
第三十四条
3 軽車両は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。

ではこのようなY字路を右折進行する場合、「交差点の側端」に沿うのはどっちですか?

これを即答できる警察官はたぶん存在しなくて、答えとしては「安全そうなほうで!」とか「現場の状況次第」とか、「横断歩道を使いましょう!笑」とか濁すことになる。

個人的には、どっちだろうと状況次第で正解と考えますが、違うルートを進行しているのに「どっちも正解」なんて不思議。
それこそ、5差路交差点の二段階右折ってどこですか?とか誰も正解はわからん。

逆にいうと、免許制ではないから取り締まりもさほどされない=ルール解釈上で曖昧な部分をスルーしているとも言えます。

なので自転車については、単純なところだけしっかり守って貰えば十分。
厳格に解釈すれば、例えば左折する前に信号待ちしているときも、ひたすら手信号を継続することになる。

(合図)
第五十三条 車両(自転車以外の軽車両を除く。次項及び第四項において同じ。)の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない。

交差点30m手前から左折合図をして、信号待ちの間もひたすら手信号を継続。
青になってからも横断歩道をケアしながら片手はひたすら合図を継続し、片手でブレーキ操作しながら左折完了まで継続することになりますが、そんな奴がいたら盗撮されてTwitterに載るのがオチかと。

じゃあ合図を継続しなくてもいいという立場に立つと、ダブル左折レーンのときに先行車が左後方確認しても、結局自転車の意思はわからないことになる。

ルール自体に無理があるし、ルール解釈も不明な部分がある。
なので私としては、単純な部分だけ厳守するならそれで十分と考えます。
マニアックな部分は、判例ではどう解釈されてるかを紹介してますが。

法律の不備と

他にも自転車道があれば自転車道を通行する義務がありますが、

(自転車道の通行区分)
第六十三条の三 車体の大きさ及び構造が内閣府令で定める基準に適合する自転車で、他の車両を牽けん引していないもの(以下この節において「普通自転車」という。)は、自転車道が設けられている道路においては、自転車道以外の車道を横断する場合及び道路の状況その他の事情によりやむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければならない。

国道16号相模原の場合、管轄の相模原署は通行義務があるとしています。

一方同じ神奈川県の国道357号の金沢区エリアには自転車道がありますが、

こちらは金沢署によると、通行義務がない。

自転車道関連の話は何度も書いていますが、道路に自転車道がある場合、自転車は自転車道の通行義務があります。 (自転車道の通行区分) ...

なぜこのようなことが起きるかというと、自転車道の定義にあります。

三の三 自転車道 自転車の通行の用に供するため縁石線又は柵その他これに類する工作物によつて区画された車道の部分をいう。

「道路標識により示した」という文言がない以上、工作物で仕切って自転車用であることを明示するだけで自転車道になり、道路標識の有無は関係ない。
「車道の部分」とあることから、執務資料によると車道を工作物で区切った場合のみが道路交通法上の自転車道で、歩道を区切った場合は自転車道ではないみたいに書いてあります。

ただ、この解釈は間違いの可能性が高いです。
古い解説書はこのようになっています。

この自転車道は、車道の部分であるから、歩道上に道路標示により自転車および歩行者のそれぞれの通行区分を示しているような場合(第17条の3の規定が適用される場合には、このようなこともありうる。)、当該自転車の通行する部分は自転車道にはならない。ただ、従来歩道とされていた部分について縁石線またはさくその他これに類する工作物によって区画された自転車の通行の用に供する部分は自転車道であると解される。

逐条道路交通法、交通法令研究会、警察時報社、昭和47年

注:17条の3とある部分は、現行法の63条の4第2項の普通自転車通行指定部分。

以前某警察とも話したのですが、

①自転車の定義として道路標識が必須要件になっていない
②自転車道は工作物で仕切れば成立する
③歩道を工作物で区切って車道に転じることは可能
④16条4項に「自転車道が設けられている道路における自転車道と自転車道以外の車道の部分とは、それぞれ一の車道とする」とあることから、単に自転車道は車道なんですよと規定したに過ぎない

歩道を工作物で区切って自転車道にすることは可能だけど、結局は管轄の警察署が自転車道と考えているかいないかだけの話にしかならない。
また、仮に警察署が自転車道と考えていなくても、民事訴訟では自転車道と認定されることはあり得る。

こんなクソ法の中で解釈が統一されてないので、事故に遭った場合にどのように裁判所が判断するかもわからない。
仮に自転車道と認定された場合、車道を通行していた自転車は通行区分違反の過失になり、後方から追突さるてもかなりの過失になる可能性。

これは以前もちょっと紹介したと思いますが、自転車通行禁止区間を走行し、後方から衝突された事故です。 判決では自転車が通行禁止区間を走行した...

解釈が統一されてない自転車の道路交通法を誰がどのように教えるのだろう?
「自転車道があるときは自転車道の通行義務がある」と教えるのはバカでも出来るけど、では自転車道かどうかについてどのように見分けるのかについてはブラックボックスです。

自転車の違反者講習ってありますよね。
以前、違反してないけど興味があるのでカネを払うから受講させてほしいと某警察本部に聞いてみましたが、盛大に断られました笑。

何年か前から、自転車の指定違反を繰り返すと自転車講習行きになるというルールが出来てます。 自転車講習はほぼ強制なので、逃げると罰金です。 ...

赤切符二枚と、公安委員会からの講習の案内が来ない限り受講不可能。
県警本部前で違反二回するから切符切ってもらえませんか?と聞いたら、苦笑いされました笑。

一体何を教えるのか知りませんが、「自転車は二段階右折義務がある」と教えるのは誰でもできる。
この交差点で、二段階右折する際の側端はどこになりますか?と聞くと、警察官は答えられない。

知識の上にある実務を知らないと意味がない。
結局、わからないことや判断に困ることは実務上ではたくさんあって、自転車乗りが瞬時に正解を導けないような法律であることが大問題。
法律を知った上での実務を知りたいのに、二段階右折義務ガー!だけでは話にならないのです。
二段階右折義務はわかるから、二段階右折する際の進路を教えてくれ。

なので免許制とか最低限のお勉強は必要でも、実務にすぐに役立つのかは疑問です。

あっ、当たり前ですが信号無視とか逆走とか、シンプルなところはバカでも守れることですから、きちんとしましょう。
複雑なルールについては、仮に間違えたとしても後から勉強すればよい。
逆走してYouTubeに挙げるような人については、そもそも法令遵守意識がないから、動画編集していても気がつかないのかな?

普段あまりユーチューブとか見ないので有名な方なのかどうかは知りませんが。 一応ね 多摩の方に住んでいたことがあるのでこのあたりも...

法律を知る機会は大切ですが、法律の実務を教えることができる人がどんだけいるのやら。
条文はバカでもわかる。
条文を実際にどのように運用するのか、道路上で実演できる警察官がいますかね?
たぶん、困ったら伝家の宝刀「押して歩けば歩行者だから歩道へ」ですよ。
けど、この伝家の宝刀も大事なんだよね。
何が何でも車道を通行せよという法律ではないし。