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歩道を電動アシスト自転車で時速40キロ!?しかもひき逃げ。

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以前、歩道を時速約40キロで通行していた自転車が事故に遭った判例を紹介したことがありますが、

 

車が道路外→車道に進入する際の、歩道に対する注意義務。時速40キロ弱で歩道通行する自転車を予見せよ。
車が道路外の施設から歩道を横切って車道に進入する際は、歩行者を妨げてはならない義務があります。自転車は一応、歩道を通行することが可能です。ただし自転車が歩道を通行する際には原則として徐行義務があります(63条の4第2項)。しかも歩道の車道寄...

 

この判例では自転車乗りは被害者です。
けど時速約40キロで歩道を通行する自転車なんてマレな話だと思ってました。

 

そんな中、このような報道が。

起訴状などによりますと、静岡市清水区の会社員の男性(35)は4月、静岡市駿河区の歩道を電動アシスト自転車で走行中、前を走っていた自転車に衝突。会社員の男性(34)に左腕骨折など全治2か月のけがをさせたにも関わらず、その場を立ち去った罪などに問われています。初公判で男は起訴内容を認めました。冒頭陳述で検察側は男が基準を超える速度が出る電動自転車に乗っていたとし、衝突時には時速およそ40キロでぶつかったと指摘しました。被告人質問で男は「スピードが出ておかしいと思い調べたら基準を超えていることが分かったが楽だから乗り続けていた」と話しました。

 

Yahoo!ニュース
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こちらも同じ事件の別報道。

静岡市駿河区の歩道で4月に高出力電動モーターの搭載自転車に衝突された男性が重傷を負ったひき逃げ事件で、静岡地検が原動機付き自転車(原付)に当たると判断した同車両は、ペダルが回るとモーターが作動し、人力なしで最高時速40~50キロまで加速する性能を有していたことが22日、静岡県警への取材で分かった。

 

県警交通指導課などは同日、自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)と道交法違反(ひき逃げ)の罪で起訴された静岡市清水区七ツ新屋、会社員の男(35)から押収した車両を公開した。

 

NotFound|あなたの静岡新聞
あなたの静岡新聞 ページが見つかりませんでした。

おかしいどころの騒ぎではないレベルの出力を持っていた様子。

危険運転致傷

起訴された内容はひき逃げ(道路交通法違反)のほか、危険運転致傷
危険運転致傷は「自動車運転処罰法」なので、自転車が起こした事故は対象にはなりません。

 

しかし、電動アシスト自転車で認められているアシストは時速24キロまでなので、それを越える自転車は道路交通法上では原付として扱われます。
つまり、原付が歩道を通行し(通行区分違反)、しかも高速度で(時速40キロ)、前を走る自転車に衝突し(前方不注視等)、全治2ヶ月の大怪我を負わせたという事件になります。

 

子供や高齢者が喰らえば、死んでしまうような話です。

 

歩道を自転車で通行中に、時速40キロの自転車が突っ込んでくるなんて誰も予測してません。
あり得ない事件としか言いようがなく。

 

危険運転致死傷には以下の類型があります。

1.酩酊運転致死傷罪
2.制御困難運転致死傷罪
3.未熟運転致死傷罪
4.妨害運転致死傷罪
5.妨害運転致死傷罪
6.高速道路等妨害運転致死傷
7.信号無視運転致死傷罪
8.通行禁止道路運転致死傷

この場合は原付で歩道を爆走した事件なので、通行禁止道路運転致傷になるのかな?
危険運転致死傷は滅多に起訴されない犯罪ですが、被告人は容疑を認めているようです。

この場合は

先日、電動アシスト自転車のリミッター解除の違法改造について取り上げましたが、

 

電動アシスト自転車とリミッター解除。
読者様からこのようなご意見を頂きました。この前、明らかに違法改造しているファットバイクがいました。(メーカーは○○○)交差点のゼロスタートで軽々と抜かされ、こっちが35キロくらいで走っていても全く追いつかないどころかどんどん引き離される始末...

 

報道内容を見る限り、違法改造ではなく当初からのスペックがそのような仕組みだったのですかね。
けど、自転車でそんなにグングン速度が上がる時点で明らかにおかしいし、なんでそのまま乗り続けてしまうのですかね。

 

そもそもの話なんですが、歩行者の聖域と言える歩道で、自転車同士が事故になるという時点でまあまあ意味不明です。
確かに、道路交通法上は自転車が歩道を通行することを認めています(63条の4)。
しかし、「徐行」がお約束。

 

歩道を通行する自転車に求められている徐行というのは、歩行者の聖域であり歩行者を妨害してはいけない趣旨から考えると「時速6~8キロ」とされています。
時速40キロというと、本来法が求めている徐行よりも5倍以上速い速度。

 

テロと変わらんのです。

 

事実上、電動アシスト自転車の法定要件を越えた違法アシスト自転車については、事故が起きない限りは警察が調べることもないです。
だってわかんないし。

 

このような事故を起こした場合、仮に自転車保険に加入していたとしても支払われないでしょう。
たかが自転車だと思っている甘い人もいるでしょうけど、法律の考え方によりみれば、原付が高速度で歩道をかっ飛ばして起こした事故。

 

けど危険運転致傷の場合、執行猶予がほとんどです。
この事例についても争っているわけではなく認めているようですが、マジな話として怖すぎて歩道を歩けないので、ちゃんとして欲しいですね。

 

警察も怪しい自転車はガンガン摘発して欲しいのですが、結局のところ、アシスト力が法定要件を満たしているかはその場で判断出来なくて、検査機関に持ち込んで出力を調べないとわからない。
法律上の要件をその場で判断出来ないあたりに、摘発の難しさがあるような気もします。





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