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こんなのでも交差点?

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先日の記事。

 

脇道から自転車が飛び出しリム破損…過失割合は?
ちょっと前になりますが、脇道から自転車が飛び出してきてリム破損(自転車同士の事故)に遭ったという方から、判例を教えて欲しいと言われまして。その後少額訴訟を提起して解決したそうです。脇道から自転車が飛び出してきてリム破損被害者の方は子供載せ自...

 

これが道路交通法上の道路なの?と質問を頂きました。

道路交通法の道路とは

一応ここ。

非舗装路をずっといくと、舗装路に接続してます。
行き止まりではない。
まあ、畑の中を通るようにみえますが笑。

 

道路交通法の道路はこのように定義されます。

一 道路 道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第二条第一項に規定する道路、道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第二条第八項に規定する自動車道及び一般交通の用に供するその他の場所をいう。

「一般交通の用に供するその他の場所」も道路です。
だいたいのイメージとしては、不特定多数が自由に通行可能なら道路。

被告人が本件事故直前に進行していた場所は、Aの私有地ではあつたが、道路との境界を区画するものはなく、むしろ道路状をなして何人も自由に通行できる状態にあつたというのである。そうすると、右部分は、被告人の進行していた農道と、被害者の進行していた道路とが丁字形に交わる北東角にいわゆるすみ切りが施されている状態と同様であつたとみられないことはない。そして、道路交通法は、二条一号で「道路」の定義として、道路法に規定する道路等のほか、「一般交通の用に供するその他の場所」を掲げており、たとえ、私有地であつても、不特定の人や車が自由に通行できる状態になつている場所は、同法上の道路であると解すべきであるから、右部分は、同法上の道路であつたと認めるべきである。

 

最高裁判所第二小法廷 昭和44年7月11日

 原判決は、本件公訴事実第一の、被告人が無免許で、一般交通の用に供するその他の場所である本件現場で、大型貨物自動車を運転したという訴因につき、「一般交通の用に供するその他の場所」とは一般公衆が自由に通行することができ、少くとも道路的機能を営んでいる場所をいうものと解し、被告人の運転した本件現場はこれに該当しないから、本件公訴事実第一は罪とならないとして無罪を言い渡した。これに対し論旨は、現に不特定多数人並びに車両等の交通の用に供されている場所である以上、同所が一般公衆に無条件に解放されていることも、不特定の一般多数人が無制限に通行できることも必要でないとし、本件現場は現に不特定多数人並びに車両等の通行に供していることが明らかであるから、「一般交通の用に供するその他の場所」に該当<要旨第一>し、したがつて原判決は事実を誤認したか、法令の解釈を誤つたものであると主張する。しかし道路交通法2</要旨第一>条1号に
いわゆる「一般交通の用に供する場所」とは、それが一般公衆に対し無条件で開放されていることは必ずしもこれを要しないとしても、道路交通法1条の道路における危険を防止し、交通の安全と円滑を図るという目的に照らし、現に一般公衆および車両等の交通の用に供されているとみられる客観的状況のある場所であつて、しかもその通行することについて、通行者がいちいちその都度管理者の許可などを受ける必要のない場<要旨第二>所をいうものと解するのが相当である。
ところで、記録および当審における事実取り調べの結果によれば、被</要旨第二>告人が本件貨物自動車を運転した場所は、原判決も認定しているとおり、宮城県A組合連合会長町業務所の構内であつて、同業務所は、事務所のほか七棟の各種倉庫および一棟の農機具修理工場があり、これらの建物は周囲をコンクリート塀で囲繞され、その西側に設けられた市道に面する正門一ケ所だけが日中の午前8時30分から午後5時までの間開扉されているので、同構内への出入りはすべて右正門を通るよりほかなく、外部にいわゆる通り抜けはできない。そして被告人の本件運転した場所は、右正門から7―80m入つた同構内の最も奥で、西側は資材倉庫に接続する砂糖詰替場、北東、南には四棟の各種倉庫があり、大体においてこれらにかこまれたいわゆる倉庫前の広場であつて、同所には日中正門が開扉されている間限られた自動車が貨物の積み降ろしのため出入りするに過ぎない。しかも外部から構内に入る自動車は、まず正門から入つてすぐ右側にある事務所で許可を受けなければならないことが認められるので、かかる場所は、前示基準に照らし、前記法条にいわゆる「一般交通の用に供するその他の場所」にはあたらない

 

仙台高裁 昭和38年12月23日

原判決は、右駐車場の中央部分は、当該駐車場に駐車する不特定の車両が通行利用しまた右駐車場西側に隣接するホテルなどの利用客等も通行しているものであることを理由に、右中央部分を、道路交通法2条1号にいう「一般交通の用に供するその他の場所」に該当し道路であるとして、それを前提に被告人の過失を認定している。ところで右駐車場は、公道に面する南側において約19.6m、川に接している北側において約14.1m、南北約47mのくさび型の全面舗装された広場であつて、そのうち東側および西側部分には、自動車一台ごとの駐車位置を示す区画線がひかれ、南側入口には、県立無料駐車場神奈川県と大書された看板があつて、その広場の全体が自動車の駐車のための場所と認められるところであるから、駐車位置区画線のない中央部分も、駐車場の一部として、該駐車場を利用する車両のための通路にすぎず、これをもつて道路交通法上の道路と解すべきものではない。ホテルなどの利用客等のうちには、右駐車場を通行する者があるとしても、それはたまたま一部の者が事実上同所を利用しているにすぎず、これによつて右駐車場中央部分が、一般交通の用に供する場所となるわけのものではない。これに反する原判断は、事実を誤認したか法律の解釈適用を誤つた違法があるものといわなければならない。

 

最高裁判所第二小法廷 昭和46年10月27日

まあ、この非舗装路が「一般交通の用に供するその他の場所」と言える程度に道路なのかは疑問がありますが、路側帯線が途切れていないことを考えれば、交差点とみなすべきではないとする主張は通る可能性はありそうな。
通常の交差点は、路側帯線が途切れてますし。

けど、少額訴訟で簡裁判事がそれをジャッジできるか…も疑問。

 

交差点と見なすべきではない理由はほかにもあって、ここを交差点と捉えると徐行義務があることになる。

(徐行すべき場所)
第四十二条 車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道路の部分を通行する場合及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない。
一 左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし、又は交差点内で左右の見とおしがきかない部分を通行しようとするとき(当該交差点において交通整理が行なわれている場合及び優先道路を通行している場合を除く。)。

優先道路の定義は36条2項にあるように「中央線又は車両通行帯が交差点内にある道路」。
中央線がないので、広狭関係から優先だけど優先道路ではなく徐行義務があるとなってしまう。
交差点とは認識不可能だと主張しないと、相手方から「徐行義務違反」だと主張されると対抗できなくなるし、簡裁はガチャが起きますから…

訴訟費用

具体的な数字は出しませんが、被害者の請求額は高額というほどの話でもなく、

管理人
管理人
なぜこの金額で、加害者は争うのだろう?

加害者が普通に払えば済む話。

 

裁判って原告の労力が大きくて、訴状作って証拠を用意して、いろいろ図書館などで調べたりすることになります。
赤本なんかも図書館に行けばあると思われますが、労力が…

 

ところで、今回情報を頂いた方は和解になったとのことですが、「訴訟費用は各自の負担とする」となり訴訟費用が認められなかったとのこと。

 

和解だと基本的に訴訟費用は各自だと思います。
判決なら「訴訟費用は被告の負担とする」みたいに主文に書いてありますが、この訴訟費用については認められても請求しないのが慣例です。

 

というのも、訴訟費用を請求するには「訴訟費用額確定処分申立」を再度裁判所に提起しないといけなくて、クソ面倒だから。

 

訴訟費用の計算書を作成し、一審の裁判所に申立し、相手方から異議がないか確認した上で一審の書記官が内容を確認し確定処分の判決を出します。
申立するのに印紙や郵券が必要ですが、この印紙代、郵券代は訴訟費用額に含めて計算書を作ることになります。

たぶん、訴訟費用が認められたとしても口頭弁論1回で終わる少額訴訟の場合、数千円にしかならないと思いますし、私のときは担当書記官が「訴訟費用額確定処分をするのは初めてです!」と言い放つくらいレアケースみたいで、計算方法を聞いても「わからない」を連発してました。
労力を考えると全くわりに合わないので、あまり気にしないほうが良いと思います。
申立から判決正本を受けとるまで、2ヶ月弱掛かった記憶があります。

 

まあ、こういうのってよく言えば「いい経験」、悪く言えば「無駄な時間」。
過失割合10:90なら妥当なラインですが、交通事故関係は相手方保険会社がかなりの確率でクソなので、精神的にはダメージを受けるシステムなのかもしれません。

 


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