特定小型原付(電動キックボード)については様々な意見があると思いますが、
7月からの開始に向けて、道路交通法施行令、施行規則、標識令の改正と警察庁パブコメが開始されました。
Contents
施行令改正の要点
まずは施行令改正と要点について。
施行令というと「信号の意味」が大きく関わりますが、以下のようになっています。
ちょっとややこしい点がありますが、「特例特定小型原付」というのは、要は特定小型原付の歩道通行モード(時速6キロ、最高速度表示灯が点滅)の場合。
(特例特定小型原動機付自転車の歩道通行)
第十七条の二
特定小型原動機付自転車のうち、次の各号のいずれにも該当するもので、他の車両を牽引していないもの(遠隔操作により通行させることができるものを除く。以下この条及び次条において「特例特定小型原動機付自転車」という。)は、前条第一項の規定にかかわらず、道路標識等により特例特定小型原動機付自転車が歩道を通行することができることとされているときは、当該歩道を通行することができる。ただし、警察官等が歩行者の安全を確保するため必要があると認めて当該歩道を通行してはならない旨を指示したときは、この限りでない。一 歩道等を通行する間、当該特定小型原動機付自転車が歩道等を通行することができるものであることを内閣府令で定める方法により表示していること。
二 前号の規定による表示をしている場合においては、車体の構造上、歩道等における歩行者の通行を妨げるおそれのない速度として内閣府令で定める速度を超える速度を出すことができないものであること。
三 前二号に規定するもののほか、車体の構造が歩道等における歩行者の通行を妨げるおそれのないものとして内閣府令で定める基準に該当すること。
「人の形をした信号機」は、今まで通り歩行者と普通自転車、特例特定小型原付が従うことになります。
○車道を通行する特定小型原付に関する改正内容
信号の種類 | 信号の意味 |
青色の灯火 | 三 多通行帯道路等通行原動機付自転車、特定小型原動機付自転車(法第十七条第三項に規定する特定小型原動機付自転車をいう。以下この条及び第四十一条の三第一項において同じ。)及び軽車両は、直進(右折しようとして右折する地点まで直進し、その地点において右折することを含む。青色の灯火の矢印の項を除き、以下この条において同じ。)をし、又は左折することができること。 |
赤色の灯火 | 五 交差点において既に右折している多通行帯道路等通行原動機付自転車、特定小型原動機付自転車及び軽車両は、その右折している地点において停止しなければならないこと。 |
○歩道を通行する特定小型原付に関する改正
信号の種類 | 信号の意味 |
人の形の記号を有する青色の灯火 | 二 特例特定小型原動機付自転車(法第十七条の二第一項に規定する特例特定小型原動機付自転車をいう。以下この表において同じ。)及び普通自転車(法第六十三条の三に規定する普通自転車をいう。以下この条及び第二十六条第三号において同じ。)は、横断歩道において直進をし、又は左折することができること。 |
人の形の記号を有する青色の灯火の点滅 | 二 横断歩道を進行しようとする特例特定小型原動機付自転車及び普通自転車は、道路の横断を始めてはならないこと。 |
人の形の記号を有する赤色の灯火 | 二 横断歩道を進行しようとする特例特定小型原動機付自転車及び普通自転車は、道路の横断を始めてはならないこと。 |
なお、「歩行者自転車専用」の信号機の扱い。
やはり「歩行者自転車専用」がついている場合には、特定小型原付も従うことになる。
深く考えると分かりにくいけど、「普通自転車と同じや!」と思えばいいでしょう笑。
なお、特定小型原付が横断歩道を横断することは禁止されていませんが、道路交通法38条においては特定小型原付は優先の対象にはなっていないので要注意。
自転車と同じ扱いです。
施行令からすると、特定小型原付が横断歩道を信号機に従って横断する場合には「歩道通行モード」であることが必要なようにも読めますが、逆に車道通行モードだから横断歩道を横断することを禁じる条文もないため、あくまでも25条の2第1項に従って歩行者や他の車両の正常な交通を妨げない限りは問題にならないと思われます。
標識令の改正
標識令の改正内容は、ざっくり言えば「自転車マーク」に特定小型原付を含むように改正されたと思えばよい。
「歩行者自転車専用」や「自転車一方通行」、「自転車通行止め」などに特定小型原付の意味も含むようなイメージ。
なのでこの標識がある歩道は、特定小型原付も通行可という意味になります。
もちろん「歩道通行モード(特例特定小型原付)」。
詳しくは警察庁パブコメ
詳細は警察庁パブコメにどうぞ。
正直なところ、それなりに詳しい人じゃないと読んでもちんぷんかんぷんだと思われます。
簡単に言えば、自転車マークの標識には特定小型原付が含まれるようになるし、信号機は自転車と同じだと考えればだいたい問題なし。
道路交通法
3 特定小型原動機付自転車(原動機付自転車のうち第二条第一項第十号ロに該当するものをいう。以下同じ。)、二輪又は三輪の自転車その他車体の大きさ及び構造が自転車道における他の車両の通行を妨げるるおそれのないものとして内閣府令で定める基準に該当する車両(これらの車両で側車付きのもの及び他の車両を牽引しているものを除く。)以外の車両は、自転車道を通行してはならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ないときは、自転車道を横断することができる。
いろいろややこしい点がありますが、何か意見がある方は警察庁パブコメにどうぞ。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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