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後続車に意味を伝える。それは違うのでは。

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それほど横断歩道から離れて停止したようには見えないけど…

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停止する意味を伝える

基本的に先行車が停止する際は、道路交通法上、ブレーキランプによる合図(53条1項)と、後続車の車間距離保持義務(26条)、安全運転義務(70条)で足りると思う。
横断歩道手前なら38条2項も関係する。

 

「なぜ停止するのか?」というところに踏み込むと、意思を読み取る能力は個人差が大きいわけで、話したわけでもない内容をうまく伝達できるとは限らないのだから。
だから法令で定めた内容以外、つまりブレーキランプによる合図(53条1項)と、後続車の車間距離保持義務(26条)、安全運転義務(70条)、横断歩道手前なら38条2項以外は考えないほうがいい。

 

正確に意思を伝えるなら、スピーカー搭載して

 

「前方に横断歩行者あり。停止します」

 

と言わない限りはわからんよね。
「漏れそうで我慢できずに停止」なのかもしれないけど、後続車が先行車の意思を読み取ることは不可能。
法令に基づくこと以外は求めないほうがよい。

 

「合図履行、車間距離保持、安全運転義務、横断歩道手前に停止車両がある場合の一時停止義務」など法令に従えば済むように設計したのだから…

 

例の危険プレイについても、38条2項を履行すれば、あり得ないだけでしかない。
昭和42年に力説した警察庁の浅野信二郎氏も、今頃泣いていることでしょう。

 

道路交通法38条2項と判例の話。
以前の続き。 道路交通法38条2項は横断歩道手前に停止車両があるときには、前に出る前に一時停止するルール。 Aに対して Bに対して Cに対して 38条2項(一時停止) 38...

 

しかしながら、横断歩道において事故にあう歩行者は、跡を絶たず、これらの交通事故の中には、車両が横断歩道附近で停止中または進行中の前車の側方を通過してその前方に出たため、前車の陰になっていた歩行者の発見が遅れて起こしたものが少なからず見受けられた。今回の改正は、このような交通事故を防止し、横断歩道における歩行者の保護を一そう徹底しようとしたものである。

 

まず、第38条第2項は、「車両等は、交通整理の行なわれていない横断歩道の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、当該横断歩道の直前で一時停止しなければならない」こととしている。

 

もともと横断歩道の手前の側端から前に5m以内の部分においては、法令の規定もしくは警察官の命令により、または危険を防止するために一時停止する場合のほかは停止および駐車が禁止されている(第44条第3号)のであるから、交通整理の行われていない横断歩道の直前で車両等が停止しているのは、通常の場合は、第38条第1項の規定により歩行者の通行を妨げないようにするため一時停止しているものと考えてしかるべきである。したがって、このような場合には、後方から来る車両等は、たとえ歩行者が見えなくとも注意して進行するのが当然であると考えられるにかかわらず、現実には、歩行者を横断させるため横断歩道の直前で停止している車両等の側方を通過してその前方に出たため、その歩行者に衝突するという交通事故を起こす車両が少なくなかったのである。
そこで、今回の改正では、第38条第2項の規定を設けて、交通整理の行われていない横断歩道の直前で停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとする車両等は、横断歩道を通行し、または通行しようとしている歩行者の存在を認識していない場合であっても、必ずその横断歩道の直前で一時停止しなければならないこととし、歩行者の有無を確認させることにしたのである。車両等が最初から歩行者の存在を認識している場合には、今回の改正によるこの規定をまつまでもなく、第38条第1項の規定により一時停止しなければならないことになる。
「一時停止」するというのは、文字通り一時・停止することであって、前車が停止している間停止しなければならないというのではない。この一時停止は、歩行者の有無を確認するためのものであるから、この一時停止した後は、第38条第1項の規定により歩行者の通行を妨げないようにしなければならないことになる。また、一時停止した結果、歩行者の通行を妨げるおそれがないときは、そのまま進行してよいことになる。

 

警察学論集、浅野信二郎(警察庁交通企画課)、立花書房、1967年12月

先行車が横断歩道手前で停止したら、38条1項の一時停止義務を履行中だとわかるはずなのに、空気読めないバカが側方通過しまくりだから法令で規制したんだと説明しています。
昭和42年改正以前は、「空気読めばわかるじゃん」。
昭和42年改正後は、「空気読む必要はなく、法令に従って一時停止して」。

 

空気読めない人たちのために法の規定に格上げしたにも関わらず、令和になった今でも「後続車がその意味を理解しなかった可能性もある」ではちょっと悲しい。
浅野さんが泣いてますよ。

 

なお、横断歩道手前で停止している車両があるときは、停止の理由を問わず一時停止するのだと裁判所が認定しています。

所論は、原判示の横断歩道直前に停止していた自動車は、一時停止していたものではなく、「駐車」していたものであるから、本件において、被告人は、道路交通法38条2項にいう「その前方に出る前に一時停止しなければならない」義務を負わないのに、その義務があるとした原判決の認定は失当であると主張する。しかし、被告人の立会のもとに作成された実況見分調書によつて明らかなとおり、原判示道路は、道路標識等によつて駐車が禁止されているし、原判示自動車の停止位置は、道路交通法44条2号、3号によつても停車及び駐車が禁止されている場所であるから、かかる場所に敢えて駐車するが如きことは通常考えられない事柄であるのみならず、同法38条2項にいう「横断歩道の直前で停止している車両等」とは、その停止している原因、理由を問わず、ともかく横断歩道の直前で停止している一切の車両を意味するものと解すべきであるから、本件の場合、被告人の進路前方の横断歩道直前の道路左側寄りに停止していた自動車が、一時停止による場合であると停車或いは駐車による場合であるとにかかわりなく、被告人としては、右停止車両の側方を通過してその前方に出ようとするときは、出る前に一時停止しなければならないのである。従つて、右措置をとらないまま横断歩道に進入した被告人に過失があるとした原判決に誤りはない。論旨は理由がない。

 

名古屋高裁 昭和49年3月26日

横断歩道の直前で停止している車両が、38条1項の義務を履行中なのか、違法駐停車なのか、漏れそう停止なのか、運転中に爆発停止してしまったのか、◯ロ本に夢中で緊急停止したのかなど理由を問わず、後続車には一時停止義務があるのだと名古屋高等裁判所が認定しています。
先行車が停止したことに理由なんて要らない。
「停止した」という事実だけがあればいい。

 

なお、停止に至るまでの減速の方法については、以下のような判例があります。

道路交通法38条1項に規定する「横断歩道の直前で停止することができるような速度で進行しなければならない。」との注意義務は、急制動等の非常措置をとつてでも横断歩道の手前で停止することさえできる速度であればよいというようなものではなく、不測の事故を惹起するおそれのあるような急制動を講ずるまでもなく安全に停止し得るようあらかじめ十分に減速徐行することをも要するとする趣旨のものであり、したがつて、時速25キロメートルでは11m以上手前で制動すれば横断歩道上の歩行者との衝突が回避し得るからといつて右の速度で進行したことをもつて右の注意義務を尽したことにはならない、と主張する。

(中略)

横断歩道直前で直ちに停止できるような速度に減速する義務は、いわゆる急制動で停止できる限度までの減速でよいという趣旨ではなくもつと安全・確実に停止できるような速度にまで減速すべき義務をいつていることは所論のとおりである。

 

大阪高裁 昭和56年11月24日

あくまでも歩行者に向けた減速接近義務ですが、後続車も安心して止まれるように、徐々に減速して横断歩道に接近することは当たり前だし義務だと言えます。
急制動停止したら後続車が追突しかねませんし、歩行者からしても恐怖でしかない。
歩行者と後続車の両方を考えたら、両者に配慮した減速接近を果たすべきであって、先行車の減速に合わせて後続車は車間距離を保持(つまり同じように減速する)することは義務だと言えます。

 

まあ、はみ出し禁止の規制もかかってますし、先行車の減速に合わせて後続車も減速するのは当たり前というしかありませんね。
しかも、当該横断歩道の直前(交差点入り口)にも横断歩道があり、手前の横断歩道に対する減速接近義務(1項前段)もありますから、早めに減速するのは必然

むしろ、異常に厳しい人なら「手前の横断歩道に対する減速接近義務が甘い!横断歩道右側は視認性が悪いだろ」とか言い出しそうな気もしますが、そこについてはもっと前からの映像がないと判断しかねる部分もありますし、非難すべきとは思いません。
たまにいますからね。
異常に厳しい人。

 

減速接近義務は、「横断しようとする歩行者が明らかにいない」場合以外には免除されません。
つまり、先行車には何一つ非難すべき点はない。
横断歩道に対し「安全・確実に停止できるような速度にまで減速すべき義務(大阪高裁昭和56年11月24日判決)」を果たしたのに、なぜ非難の対象にするのか理解しがたい。

 

停止した以上は、後続車は空気を読む必要もなく義務として停止する。

同法38条2項にいう「横断歩道の直前で停止している車両等」とは、その停止している原因、理由を問わず、ともかく横断歩道の直前で停止している一切の車両を意味するものと解すべき

 

名古屋高裁 昭和49年3月26日

38条2項

昭和40年くらいに問題になっていたことが、令和になっても起きるのはなぜでしょう?

 

不思議です。

 

自分で納得行くまでどうぞ。
個人的にはまあまあどうでもいい話なんですが、定期的に沸いてくるクレーム。 自分で納得行くまで調べてください こちらにも書いてますが、 含まないかと。 あえて言わせてもらいますが...

 

昭和42年以降、横断歩道手前で停止した車両がいたら強制一時停止義務が定められました。
停止した車両の「理由」は一切問いません


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