こういう見通しが悪い交差点は要注意ですが…
なぜこうなるのでしょうか?
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なぜこうなる
右折車側は赤点滅(一時停止)、直進車側は黄色点滅。
点滅信号は交通整理には該当しません。
双方の義務を確認します。
青車(右折) | 赤車(直進) |
一時停止(点滅信号) | 見通しが悪い交差点での徐行義務(42条1項) |
直進車優先妨害禁止(37条) |
ところで右折車と直進車の関係。
これ、「対向直進車」のみと勘違いする人がいますが、違います。
全方向の直進車です。
道路交通法37条1項にいう「当該交差点において直進し………ようとする車両等」とは、右折しようとする車両等が右折開始まで進行して来た道路の進行方向、その反対方向およびこれと交差する道路の左右いずれかの方向へ直進する車両等をいうものと解すべきである
最高裁判所第三小法廷 昭和46年7月20日
なので、劣後するのは右折車。
相対的優先は直進車になる。
ただし問題になるのは、見通しが悪い交差点である以上は直進車にも徐行義務が課されている。
そうなると直進車には徐行義務違反があるとみなせます。
徐行義務違反って結構重くて、この場合は双方に過失があり、双方が過失運転致死傷罪に問われる可能性があるかと。
一応、37条の直進優先は10~20キロ程度の速度超過を予測して警戒する義務があると解釈されますが、
徐行=10キロ以下と考えると、右折車からすれば高速度進行する直進車を予見する義務がないことになってしまいます。
しかしまあ、右折車がほぼ確認せずに交差点に入ったように見えるので、あまり関係ないかもしれません。
見通しが悪い交差点で徐行義務がある理由
この場合、優先側にも徐行義務がありますが、見通しが悪い交差点で徐行義務を課している理由を考えると、
・対歩行者
・右折車からしても見通しが悪いため、右折するタイミングがわからなくなる
直進車が高速度進行していると、遠く離れた直進車を見ることができないと右折するタイミングを見誤りするリスクが高い。
なので優先側にも徐行義務を課していると考えられます。
右折車が劣後することが前提になりますが、直進車が高速度進行しての事故の場合、直進車側の過失を100%にした判例もいくつかありますし、
徐行義務って大切。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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