ノールックで歩道から車道に来る自転車はなんとかならないのか?とメールを頂いたのですが、
「あの人たちは無敵の人」だと考えるようにしてます。
ノールックはあかん
こんなのよくあるプレイですし、歩道の状況を見ているとなんとなく「やりそうな自転車」はわかるようになります。
歩道の前方に歩行者がいて詰まっているときなんて、高確率でノールックで歩道から車道にご光臨。
もうね、あの人たちは無敵なんだと考えるようにしてます。
そんな自転車相手でも予見可能性があるなら事故は回避しなくちゃならないし、事故って面倒なことになるよりも予防するしかありません。
けどさ、そもそも。
信号は守らないし一時停止しない自転車が、車道に降りるときだけ後方確認するなんて期待する方が間違いなんじゃないかとすら思う。
関わらない方向で行くしかないのですよ。
ノールック歩道→車道の判例
なぜか「ノールック歩道→車道自転車」って、過失割合が変なのです。
①大阪地裁 平成30年11月6日
オートバイ | ノールック歩道→車道自転車 |
65% | 35% |
道路外から車道に進行した事故ともちょっと違う過失割合認定。
やっている内容は赤信号無視と同レベルじゃないかとすら思うけど。
②東京地裁 平成20年6月5日
これは以前も紹介した自転車同士の事故。
車道を通行するロードバイクは青信号で交差点進入。
車道通行ロードバイク | ノールック歩道→車道自転車 |
50% | 50% |
これで50:50なんて言われたら、法廷で泡吹いて倒れるレベルですが現実です。
ただし一般化できない事情があるとすれば、青信号で交差点進入したロードバイクが交差点の出口付近を通過した際には、横断歩道&自転車横断帯が青信号に変わったタイミング(横断が予見できる)だということ。
③平成26年1月16日 東京地裁
こちらは路側帯通行自転車がノールック横断した判例。
オートバイ | ノールック横断自転車 |
70% | 30% |
けど、「ノールック歩道→車道自転車」についてはなぜか裁判所の判断がビミョーな気がします。
ノールック禁止で
今後「特定小型原付」も登場するわけですが、彼らは理屈の上では速度ゼロにならないと歩道モードと車道モードの切り替えができないわけで、もしかしたら「ノールック系」はあまり出ないかもしれません笑。
けど、車道を通行する自転車は歩道の状況も注意する義務を負うわけで、ノールック系自転車とヒットした場合、思い描くような過失割合にならない可能性があります。
だからノールック系自転車って「無敵の人」なんですよ。
勝てない相手とは関わらないようにするしかないけど、望んでもないのに勝手に近づいてくるのだから参っちゃうよね。
ノールック系は悪質な違反だと思うのですが…
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
自転車の過失割合低くなるのは無保険の自転車に対して保険で補償することで、保険を使うことを前提として被害者、加害者双方の金銭的負担を減らすことを目的としているような気がします。
ただ、自転車の任意保険義務化の流れがあることから自転車の過失割合はバイク対車の事故相当まで引き上げれば自転車の無謀運転も減るのではないかと・・・
※任意保険義務化は事故が起こった場合に高額になりやすい自動車ですら任意なのに自転車だけ強制加入なのは保険加入に対する私権の制限となっている可能性が高いので、やるなら公的な自賠責に自転車も含ませるか、それ相当の制度が必要かと思いますが
コメントありがとうございます。
基本的には優者危険負担の原則がありますから、より強い立場が負担する形になります。
ですが、自転車同士の事故でも過失割合が不可解なものはありますし、あまり関係ないのかもしれません。