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故意に事故を起こしたとみなされた場合の過失割合。

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自転車による当たり屋事案は時々聞きますが、当たり屋事案は立証が難しい。
けど時々、被害者が故意に起こした事故だとして加害者側が免責になることがあります。

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自転車が故意に起こした事故

判例は名古屋地裁 令和3年11月8日。
道路外に左折したクルマと、歩道を通行した自転車の事故です。

 

まずは認定された事故態様。

(1)事故状況について
ア 本件事故現場の状況

 

本件事故現場は、本件道路から路外施設の駐車上に進入する際に横断する幅員約2.6mの本件歩道上である。車道外側線から本件歩道右端までの間(幅は約0.7m)には、植込みがあるが、本件歩道から本件道路方向の見通しは良い。本件道路から路外施設への本件進入口付近では植込みは途切れている。

 

イ 事故状況
a)被告Aは、被告車両を運転して本件道路を北上し、上記路外施設の駐車場に進行するため、本件進入口手前の本件道路上にできた車列に続いて、左折の方向指示器を点滅させて停車した。被告車両の前方の車両は、上記駐車場に入るために歩道に進入し、本件歩道上の駐車場に近い側で一旦停止した。被告Aは、前車に続いて本件歩道に進入するに当たり、左方を目視で確認したが、その方向には自転車や人は認識できなかった。被告車両は本件歩道に入り、被告車両の左前部が本件歩道の中央付近に来る位置で、前車に続き、本件歩道に対して斜めの向きで停車した。

b)30秒程度経過して前車が動き始めると、被告車両はこれに追従して走行しようとアクセルを踏んだ。そうしたところ、原告自転車を運転して本件歩道を北上していた原告が、被告車両の停止していた本件歩道付近まで走行してきた。被告車両の助手席に乗車していたEは、危ないと声を出し、被告Aはブレーキを踏んで停止した。原告は被告車両の右斜め前付近に転倒した。

一見するとクルマの不注意が疑われる案件ですが、以下の理由からクルマ側に免責としています。

(2)争点1(被告Aの責任、原告の故意による免責)について

 

ア 検討
被告らは、本件事故は原告の故意により発生したものであるから、被告らは責任を負わないと主張するので、検討する。

 

a)事故状況は、上記(1)のとおり、駐車場に入るため、前車に続いて本件歩道上の駐車場に近い側で一旦停止している被告車両が、前車が進行したことに伴い発進しようとしたところ、原告が運転する自転車が被告車両の直前に進入し、原告自転車が左側に転倒したというものである。被告車両は、その左前部が本件歩道の中央付近に来る位置で左の方向指示器を出して停止しており、南方から本件歩道を北進する原告からは、被告車両の状況はよく見通せるし、被告車両の停止状況からすると、同車が駐車場に進行するために一時停止していること、前車の進行次第で被告車両も発進することを予測するのは容易であり、原告が自転車を運転して発進することが見込まれる被告車両の直前付近を通過しようとしたことは、原告が故意に被告車両との接触を誘引したことを推認させる事情といえる。また、原告は、本件事故の約5年前から4年前という比較的最近の時期に、3件もの同種事故(左折中の自動車と原告運転の自転車との間の事故)に遭遇していることは、そうした経験がない人と比較すると、上記予見の程度を高め、故意による接触であるとの推認を強める事情といえる。

 

b)また、事故状況に関する原告の説明は、本件歩道を北進中のどの時点で被告車両の存在を認識したか、回避行動を採ったか、被告車両と原告自転車は接触したかという本件事故に関する基本的な状況(とりわけ、車両と自転車が接触したかどうかは、転倒の原因そのものであることやその衝撃の有無の点で、特に記憶に残りやすい事情といえる。)について、一貫しておらず、原告本人尋問中でも、危険を認識した地点等について二転三転する供述をしている。また、事故状況について原告が過去に調査会社に対して行った説明等については覚えていないと供述するなど、過去の説明との齟齬の理由を十分に供述することもない。加えて、事故状況に関する供述の内容自体、上記のとおり見通しの良い本件歩道を進行しており、被告車両は原告の進行方向先の本件歩道上を一時停止しているにも関わらず、被告車両を確認した地点と危険を感じた地点が同じというものであって合理性がない。
したがって、事故状況に関する原告の供述は信用することができない。

 

上記の事故状況に関する原告の供述自体の不合理性、説明の変遷の内容及び程度は、一般に交通事故の被害者が被害状況について、必ずしも正確に認識し、陳述できるものではないといえることを踏まえてもなお、本件事故が真正なものであることを強く疑わせる事情といえ、本件事故が原告の故意によるものであることを推認させる。

 

c)これらの事情に加え、原告は本件事故当時就業していないこと、定期的な収入があるとは認められないこと、多数のカードローンの返済をしていること、預金残高の状況からしても、原告は経済的に困窮していたと認められる。
また、原告は就労状況について、保険会社の調査に対しては、本件事故当時は無職であったにも関わらず、ホームセンターで勤務し、収入があり、休業もしていると述べるなど、経済状況について虚偽の事実を述べている。そして、原告は本件事故以前の10回の交通事故により、治療費、文書料などを除き、480万円以上の金員を受領していることからすると、原告は交通事故により人身傷害を負うことで、治療費等以外の経済的な利得を得られることを認識しているといえる。
これらの事情も、本件事故が原告の故意により生じたものであることを推認させる。

 

名古屋地裁 令和3年11月8日

なおこの判例は自賠法3条但し書きを適用して免責にしているため、自転車側は人身損害についても一切受け取りできません。

 

見てわかるように、かなりの「故意と推測できる材料」がないとまず認められないので、現実的にいうとやや特殊な事例ですが、青信号で横断歩道を横断した自転車と衝突した事故について、支払い済み損害賠償の全額返金を命じた判例もあります。

当たり屋事案は

刑事責任になりますが、自転車横断帯を横断した自転車と非接触事故を起こした案件について、当たり屋の可能性が高いとして無罪(過失運転傷害罪)にしたものがあります。

 

自転車横断帯を横断する自転車は、当たり屋になれるのか?
だいぶ前に、横断歩道を横断した自転車と車の事故について、当たり屋の可能性を否定できないとして無罪(過失運転傷害)にした報道を引用しました。 判決などによると、昨年8月、和歌山市内の交差点手前の停止線で、女性が一時停止をした後に左折をしようと...

 

故意に事故を起こしたものと判断されるにはそれなりの判断材料がないと難しいところですが、残念ながらこういう自転車もいるのが現実。
判例見ているとなかなかビックリするような事例もあって、15年間に20件以上の自転車事故に遭った人とか。
きちんとクルマ側が一時停止義務と確認を果たした上でも突っ込んでくる自転車もいるので、残念ながら先に自転車を行かせたほうがマシです。

 

世の中にはだいぶおかしな自転車乗りもいて、普通、逆走自転車がきたら困るじゃないですか。
ところが当たり屋さんにとっては「絶好のチャンス」と捉える。

 

うまく自分だけが転倒して怪我するように接触し、損害賠償請求するような人すらいるので…

 

自転車をみたら当たり屋の可能性を考えてなるべく近づかないほうがマシなのかもしれません。
勝手に近づいてくるので厄介ですが…


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