体重80キロの人のホイール選びについて質問を頂きました。
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エントリークラスのロードバイクに乗っており、5万円クラスのホイールの購入を検討しています。
ブログを拝見していると、ゾンダかレーシング3がオススメのようですが、体重が80キロ前後の人は、ホイール剛性の高いレーシング3のほうが良いのでしょうか?
はたまた、もっとおすすめのホイールってありますか?
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回答いたします。
ゾンダとレーシング3の剛性
ゾンダはカンパニョーロのホイールで、レーシング3はフルクラムのホイールですが、カンパニョーロとフルクラムはそもそも同じ会社です。
そのため、両社の間ではほぼ同じグレードのホイールがありまして、レーシング5とヴェントは同じグレードですし、シャマルとレーシングゼロは同じグレードと見ることができます。
そしてゾンダとレーシング3も同じグレードです。
レーシング3は2018年モデルよりワイドリム化していますが、現状ではまだ流通していないようなのでナローリム(C15)のレーシング3と、ワイドリム(C17)のゾンダの比較になります。
さて、よく言われることですが、ゾンダはレーシング3よりも柔らかい、レーシング3はゾンダよりも剛性が高く硬いと言われます。
これについてですが、その通りです。
で、問題なのはこれの違いを体感できるかどうかという話ですが、正直なところわかる人にはわかるし、わからない人にはよくわかんないというのが現実です。
勝手な予想ですが、100人に試させた場合、わかる人って半分の50人くらいかもしれません。
それくらい、差がわずかなホイールです。
ゾンダとレーシング3のスペック上の違い
ゾンダとレーシング3のスペック上の違いを見てみましょう。
Campagnolo – Zonda (ゾンダ) C17 ホイールセット
Fulcrum – Racing (レーシング) 3 クリンチャーホイールセット
ゾンダC17 | レーシング3(C15) | |
重量 | 1596g | 1555g |
リムハイト | F25mm
R30mm |
F27mm
R30mm |
対応タイヤ | クリンチャー | クリンチャー |
23cタイヤ | ×(25C以上) | 〇 |
スポーク数 | 16/21 | 16/21 |
対応スピード | シマノ8-11s | シマノ8-11s |
見た目の違いから言うと、ロゴとかは置いといて、リアホイールのスポークパターンが違います。
ゾンダはG3組、レーシング3は2:1組。
ただしG3組も2:1組の一種でもあります。
ちなみに2018年モデルでワイドリム化したレーシング3のスペックはこちらになります。
重量 | 1560g(ペア) |
リムハイト | F25mm、R30mm |
対応タイヤ | クリンチャー |
23cタイヤ | x(25c以上) |
スポーク数 | 16/21 |
対応スピード | シマノ8-11s |
2018年モデルのレーシング3はワイドリム化したのですが、リムの切削技術を向上させ、重量増加は最小限に抑えているそうです。
体重80キロの場合、どっちを選ぶか?
体重80キロの場合にゾンダとレーシング3、どっちを選ぶといいかですが、上でも書いたように微々たる差しかないので、正直どちらを選んでも大きな差にはならないでしょう。
強いて言うならば、ゾンダとレーシング3では前者がワイドリム、後者はナローリムという違いがあります。
リムの剛性ではワイドリムのほうが有利なので、ゾンダのほうがいいかも・・・というのは実はまだ早いです!
体重80キロということですが、日本人としてはやや多めの体重です。
しかし欧米ではさほど珍しくもない体重です。
実際のところ、体重80キロがホイール基準で見た場合に劇的に重いかというと、そういうわけでもありません。
体重80キロの場合、選ばないほうがいいホイールは実際にあります。
具体的なところでいうと、シマノのデュラエースC24ですね。
Shimano – Dura-Ace (デュラエース) R9100 C24 クリンチャーホイールセット
重量 | F585g、R804g1389g(ペア) |
リムハイト | 24mm |
対応タイヤ | クリンチャー |
23cタイヤ | 〇 |
スポーク数 | 16/21 |
対応スピード | シマノ8-11s |
それ以外のところだと、最近やたらと出てきている【5万円くらいでデュラC24よりも軽いと宣伝しているホイール】も避けたほうがいいと思います。
例えばALX473EVOとか。
【驚き3連発!リムハイト30mmで1,400g台の軽さ!それでこの価格!】ALEXRIMS(アレックスリム) ALX473EVO 700C ロード用ホイール 前後セット
ノバテックの完組も避けたほうがいいと思います。
C24以外の話になりますが、ALX473EVOは首折れスポークを使っていて、なおかつ2:1なので剛性もそうですが体重が重い人が乗るとスポーク折れが起こりやすくなります。
強度のほうで無理があるので、体重80キロ超えてきた人の場合、首折れスポークでなおかつスポーク数が少ないものは避けたほうがいいでしょう。
首折れスポークはこんな感じです。
ストレートスポークはこんな感じ。
曲がっている首の部分はハブ側ですが、ここが折れやすいのです。
首折れスポークかどうかは、ホイール画像を拡大してハブを見ればわかりますが、体重80キロ超えだと首折れスポークの場合は32本スポークなどの手組ならアリですが、24本スポークくらいだとスポーク折れしやすいです。
2:1だとなおさら折れやすくなります。
話は逸れましたが、ゾンダとレーシング3どっちがいいかですが、剛性としてはほぼ変わらないけどわずかにレーシング3が高いというレベルの話なので、どっちでもいいと思います。
むしろ、23cタイヤを使いたいかどうか(C15なのかC17なのか)で選ぶか、見た目で選んでもいいかなと思いますね。
それ以外の5万円くらいのオススメ
それ以外に実売5万円くらいで買えるとしてら、マヴィックのキシリウムエリートでしょうか。
Mavic【マビック】Ksyrium Elite UST Clincher Tubeless Road Wheelset 2018
重量 | F665g、R855g
ペア1520g |
リムハイト | F24mm、R26mm |
リム幅 | 17c(ワイドリム) |
スポーク数 | F18,R20 |
スポーク素材 | スチール |
ハブ | FTS-L スティール |
タイヤ | Yksion Pro UST
25c(260g) |
サイクリングエクスプレスだと何らかのクーポンで割引になることが多く、表示価格より10%くらい安く買える場合もあります。
ゾンダ、レーシング3とキシリウムエリートの大きな違いは、キシリウムエリートだけはチューブレスホイールだということです。
前者でも2WAY-FITモデルでチューブレス対応もあるのですが、あまり一般化しなかった気がします。
ゾンダやレーシング3に比べると、キシエリはリム重量が軽いので、半歩リードしているような印象です。
加速性やゼロスタートの軽さはキシエリに軍配が上がります。
ただし、マヴィックはタイヤ付きでしか販売していないので、必然的に割高になります。
これだけがネックです。
話は戻りますが、体重80キロの場合、選ばないほうがいいホイールは確実にあります。
ただし、ゾンダ、レーシング3、キシリウムエリートUSTは80キロの人でも問題なく乗れるホイールですし、選ばないほうがいいホイールではありません。
それでも決めきれないならば最後は見た目でいいんじゃないかと思います。
見た目の好みって大切ですよ。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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