こちらの記事について。
マーカーで引いた部分は、ホントその通りです。
不合理なルール過ぎて笑えません。
交差点の範囲
そもそもこの自転車横断帯。
「交差点の付近」ではないのでは?と思う人もいると思いますが、交差点の範囲って隅切りを含むのです。
なお、道路交通法2条5号にいう道路の交わる部分とは、本件のように、車道と車道とが交わる十字路の四つかどに、いわゆるすみ切りがある場合には、各車道の両側のすみ切り部分の始端を結ぶ線によつて囲まれた部分――別紙図面斜線部分――をいうものと解するのが相当である。
最高裁判所第三小法廷 昭和43年12月24日
なぜ隅切りを含むのかについてはこちらを。
隅切りを含まないと解釈すると、「交差点を通行しない左折」が可能になるため、「交差点のルール」が一切適用できない珍事が発生します。
なのであの自転車横断帯は、「交差点内」もしくは「交差点に接した」になるのです。
で。
警察庁様は相変わらず、これを通達で出してます。
自転車横断帯の撤去
自転車は、車道又は歩道のいずれを通行していても、自転車横断帯がある場所を横断しようとするときは、その自転車横断帯によって道路を横断しなければならず、場合によっては自転車に不自然かつ不合理で、危険な横断を強いることとなり得る。このため、自転車道や普通自転車の歩道通行部分の指定があり、歩道部分に連続した自転車通行空間が整備されている区間のほか、自転車が通行できない構造の横断歩道橋等の付近で自転車の交通量が多い交差点等において、自転車が安全かつ円滑に自転車横断帯を進行することが想定される場合を除き、原則として自転車横断帯を撤去すること。また、自転車横断帯の撤去に当たっては、歩行者用灯器に設置されている「歩行者・自転車専用」の補助板の撤去についても、併せて検討すること。
https://www.npa.go.jp/laws/notification/kyokucyou1.pdf
警察ホームページだと「左折風自転車横断帯」を書いてますが、
今まで質問した県警本部、警察署の交通指導課、現場の警察官、みんな「車道を通行するなら無理に横断帯は使わなくていいし、指導もしてない」と平然と語るのが現実。
そもそも直接的な罰則がない規定なので、警察的にはどうでもいいのだと思う。
あとは事故った時の民事過失割合だけなんですね。
自転車横断帯を通行した場合、5~10%程度有利になります。
しかし、こんな動きをしたら左折巻き込みリスクは急上昇。
なので私の意見は「違反だと知った上で自転車横断帯は守らないほうがよい」です。
違反は違反。
だけど警察庁が認める程度に危険。
そもそも冒頭の記事については、ある種の皮肉です。
「こんな不合理なルールを押し付けられても」
「言い訳するなと言われても、見えないものは見えない」
どうしても自転車横断帯を通行させたいなら、「普通自転車の交差点進入禁止(63条の7第2項)」を併用すべきだし、それすらないなら気がつくはずもない。
けど、何かで問題が起きたときに違法性を阻却する材料として最高裁判例を知っておけばよいので、判例を挙げたまで。
けど「自転車専用」信号があるとまあまあ無視できない。
警察はイチイチ違反は取らないでしょうけど、車道を直進して右直事故に遭うと、相手からすりゃ「信号無視」「自転車横断帯」を過失だと責めてくるだろうし、裁判所がどう判断するかもビミョー。
なので法律を変えて欲しい、もしくは「自転車専用信号」を外して欲しい。
おかしな規制は
この歩道橋の裏に「自転車専用信号」があるなんて普通は気がつきませんが、誰かがなにかで不利益を被るリスクはあるので、おかしな規制を見つけたら警察に連絡して改善を促しましょう。
若干気になるのは、
自転車横断帯の撤去
自転車は、車道又は歩道のいずれを通行していても、自転車横断帯がある場所を横断しようとするときは、その自転車横断帯によって道路を横断しなければならず、場合によっては自転車に不自然かつ不合理で、危険な横断を強いることとなり得る。このため、自転車道や普通自転車の歩道通行部分の指定があり、歩道部分に連続した自転車通行空間が整備されている区間のほか、自転車が通行できない構造の横断歩道橋等の付近で自転車の交通量が多い交差点等において、自転車が安全かつ円滑に自転車横断帯を進行することが想定される場合を除き、原則として自転車横断帯を撤去すること。また、自転車横断帯の撤去に当たっては、歩行者用灯器に設置されている「歩行者・自転車専用」の補助板の撤去についても、併せて検討すること。
https://www.npa.go.jp/laws/notification/kyokucyou1.pdf
横断帯を撤去したら、「必ず」信号の補助板は撤去して欲しいのですけどね。
「検討」ではなくて「必須」の間違いではなかろうか?
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
横断帯を設定するのは公安委員会としても、要請は道路管理者がするんですかね?
交差点での歩行者と自転車の横断時の動線分けのためだけに他の意味を考えずに乱発してしまった感じが否めないですよね
歩行者や歩道走行を好む自転車利用層には区分けの意味すら伝わってない場合もおおそうですけど
有効的な使い方としては左折専用レーンがある交差点で交差点進入禁止にして歩道に予め上げて横断させるぐらいですかね?普通自転車にしか効果は無いですが
コメントありがとうございます。
道路管理者が要望を出して協議する形だと思いますが、そもそも、交差点進入禁止にしても守られないし、あまり意味がない気がします。
結局、警察庁が机上の空論で考えたシステムと実情が乖離していた面もあり、法律自体の不備かと。
普通自転車ではない自転車(10cm程長い物等)も愛用していますが、自転車横断帯との兼ね合いは実際どうなってるんでしょうね。
歩道内の自転車走行帯何かと同じように実際は通ると違法って事なんでしょうか?
あんまり複雑にしないで安全かつシンプルになるように、道路も法律も整備して欲しいです。
コメントありがとうございます。
非普通自転車も自転車横断帯を通行する義務がありますが、歩道を通行できないため、交差点進入禁止規制の対象外です。
第六十三条の六 自転車は、道路を横断しようとするときは、自転車横断帯がある場所の付近においては、その自転車横断帯によつて道路を横断しなければならない。
(交差点における自転車の通行方法)
第六十三条の七 自転車は、前条に規定するもののほか、交差点を通行しようとする場合において、当該交差点又はその付近に自転車横断帯があるときは、第十七条第四項、第三十四条第一項及び第三項並びに第三十五条の二の規定にかかわらず、当該自転車横断帯を進行しなければならない。
2 普通自転車は、交差点又はその手前の直近において、当該交差点への進入の禁止を表示する道路標示があるときは、当該道路標示を越えて当該交差点に入つてはならない。
第63条の7第1項(自転車横断帯のある交差点の通行方法)には、「第十七条第四項、…の規定にかかわらず、当該自転車横断帯を進行しなければならない。」とあります。(第17条第4項は左側部分通行の規定)
もし自転車横断帯の通行義務に忠実に従う場合、右側にのみ自転車横断帯がある交差点を直進したい時は、進路変更や横断などによって道路の右側へ移り、当該自転車横断帯を通過後に左側端/第1車両通行帯へ戻るという通行方法をとらなければならないのでしょうか。
また上記の場合で、第18条第1項(左側端寄り通行)及び第20条第1項(第1車両通行帯)の効力は残るのでしょうか。
(私自身は、第63条の4(普通自転車の歩道通行)の規定で除かれているのが第17条第1項(車道通行)の規定のみであることなどから、第17条第4項を無効にすると第18条第1項及び第20条第1項も自動的に無効になると考えていますが……)
コメントありがとうございます。
「当該交差点又はその付近に」とありますが、12条1項(歩行者の横断)について「付近」の解釈が以下のようになっています。
https://roadbike-navi.xyz/archives/37647/
63条の7第1項にて17条4項を排除している趣旨を考えると、おそらくですが歩道→自転車横断帯、自転車道→自転車横断帯のようなケースにおいて、例えば道路右側の歩道を進行していた自転車がそのまま自転車横断帯に直進したときに「交差点内を逆走」と捉える余地があるから排除しているのではないかと思われます。
なので車道を正常に進行していたときに、わざわざ右側にある自転車横断帯を通行することを求めているとは思いません。
なお通常の場合、交差点内には車両通行帯がないため(車両通行帯は道路標示で示した部分なので、白線がなければその部分は車両通行帯とは解釈できません)、20条の問題になることはないかと。