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なぜ書類送検されたか?それはわかりません。

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何名かからこちらについて、質問を頂いたのですが。

タクシーはドアを開けたことで死亡事故を招いた、バス運転手は事故を予測できた――これが警視庁の判断だという。この件が報道されると、ネットにはさまざまな意見が寄せられた。なかでも多いのは、バス運転手に同情する声だ。

 

タクシーのドアにぶつかり自転車転倒、そこにバスが…「はねたバスにも責任」警察の判断に疑問の声続々(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース
2023年2月に東京・目黒区の目黒通りで起きた死亡事故が注目を集めている。  事故が起きたのは、2月17日の午後7時前。下目黒でタクシーが客を乗せるために停車、乗客の荷物を載せるのを手伝うため、
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推測は良くないのですが

この事故はそもそも、タクシー、自転車、バスの位置関係が全く報道されていないのでわかりません。
自動車運転処罰法5条の過失運転致死は

(過失運転致死傷)
第五条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

「自動車運転上必要な注意」とは道路交通法の義務のみならず「予見可能な事故を回避しなかったこと」を指すわけですが、「事故を予測できた」という部分。

 

「ドアが開いて自転車が接触し転倒すること」が予見可能だったわけじゃないと思う。
いくつかの類型は想定できますが、正直なところ、あんまり「推測」はしたくないです。
だいたいは推測ではなく妄想になるので。

 

自転車への側方間隔はどれくらい空けるべき?判例を検討。
先行する自転車を追い越し、追い抜きするときに、側方間隔が近すぎて怖いという問題があります。 これについて、法律上は側方間隔の具体的規定はありません。 (追越しの方法) 第二十八条 4 前三項の場合においては、追越しをしようとする車両(次条に...

 

あえて妄想と称しますが、上記事の「昭和43年7月19日 広島高裁判決」の変形版みたいな状況か、26条の車間距離が詰まることが明らかな状況で減速等しなかったかなんじゃないかと思いますが、単なる妄想です。

 

よくあるこういうタイプの事故。

第一車線に黄色車が停止していれば、第一車線を通行する自転車が第二車線に進行することは「予見可能」。
そりゃ道路交通法上の義務でいうなら、進路変更する自転車が第二車線の車両を妨害してはいけないルール(26条の2第2項)。
しかし予見可能な以上は第二車線を通行する車両としてもそれを予測して車間距離が保てる程度に減速すべき注意義務(運転に必要な注意)を負うわけです。

 

こういう類型か、これのちょっと変形版かじゃないのかなと思うのですが、たぶん「予測可能」という報道の意味が違うと思うのです。
「タクシーのドアが開いて自転車が接触し転倒することが予見可能」という意味ではなくて、何らかの形で自転車が転倒しても回避可能な側方間隔、もしくは前後車間距離の問題なんじゃないかと思いますが、どちらにしても詳しくはわかりません。

 

こういうのって、判決文見ると報道内容とはだいぶ違うこともあるので何とも言えません。

そもそも

書類送検って単なる手続き上の話でしかなくて、過失運転致死傷って85%くらいは不起訴です。
検察官が起訴するかは別問題ですし、仮に起訴されても有罪になるかは別問題。

 

例えばちょっと前に報道されたこれ。

 

右折車と直進車の関係。直進車が暴走しても優先?
ホント、こういう事故は防げた事故だと思うと残念でなりません。 この事故は去年6月、福山市霞町の交差点で右折中の軽自動車と直進中のスポーツカーが衝突し、軽自動車に乗っていた当時9歳の小学生の女の子が死亡したものです。 軽自動車を運転していた祖...

 

いわゆる右直事故ですが、直進車は時速100キロ以上。
37条でいう直進車優先はあくまでも適法な速度かそれに近い速度で進行した場合の話なので、多くの判例では直進優先の原則が働かない。
けど右折車側も書類送検されているようですが、おそらくは形式上の書類送検で不起訴になるんじゃないですかね。

 

それと似たような話なのかもしれないし、バスに過失があるのかは報道からはわかりません。

 

他の事例ですが、自転車が無謀な横断をして回避しようとした車が歩道に突っ込んだ事故がありますが、

 

自転車乗りが実刑になるケース。
自転車乗りが何らかの事故を起こしたときに、例えば歩行者が死亡したとしても執行猶予付き判決になるのが多いです。 これは車の事故でもそうですが。 ただまあ、実刑判決になった判例もあります。 自転車乗りが実刑判決 判例は大阪地裁 平成23年11月...

 

車のドライバーは書類送検されて不起訴。
自転車乗りは重過失致死で有罪です(大阪地裁 平成23年11月28日)。
この事故、こういう流れ。
自転車は付近に自転車横断帯があるにもかかわらず、信号待ちを嫌って強引に横断。

対向車の陰から突如現れた自転車を回避。

しかし第一車線の車両が回避行動の結果、歩道に突っ込んだ事故です。

これも車の運転者は書類送検されていますが、いわゆる緊急避難になるでしょうし不起訴。
形式上書類送検はされるわけなので、冒頭の件にしても書類送検自体に騒いだところで意味がない気がします。

 

そもそも「書類送検がかわいそう」報道内容については全く意味がわからないと言いますか。
警察から検察に書類を送っただけの話でしかないので、そこに感情を挟む理屈がわからない。

 

けど、本当に報道っていい加減だよなと思う話はちょっと前にも書いた通り。

 

報道をそのまま読むと間違いそうな。
このような判決があったようですが、 おととし11月、札幌市豊平区の道道で、当時8歳の男の子が乗用車にはねられ、重傷を負った事故…乗用車を運転していた70代の女性は、無罪判決を受けました。 (中略) 18日の判決で札幌地裁は、事故当時、男の子...

 

「幅寄せしたけど無罪」と「幅寄せの事実はなく無罪」ではまるで違う。
判決文は明らかに後者なのに、前者の意味で報道したらそりゃ荒れるに決まっている。

 

なので報道を見て、それが全てだとは思わないほうがいいと思います。
「予測可能」についても、たぶん意味が違うんじゃないかと。

 

報道のいい加減さ、なんとかならないですかね。

コメント

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