こちらの続き。
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ツンデレとプレイの差
道路交通法38条は横断歩道を横断しようとする自転車には適用されないことは既に確立した解釈なワケですが、
自転車に乗り横断歩道を横断する者は、この規定による保護は受けません。
法の規定が、横断歩道等を横断する歩行者等となっており、横断歩道等の中には自転車横断帯が、歩行者等の中には自転車が含まれまれているところから設問のような疑問を持たれたことと思いますが、法38条1項の保護対象は、横断歩道を横断する歩行者と自転車横断帯を横断する自転車であって、横断歩道を横断する自転車や、自転車横断帯を横断する歩行者を保護する趣旨ではありません。ただし、二輪や三輪の自転車を押して歩いているときは別です。
つまり、あくまでも、法の規定(法12条、法63条の6)に従って横断している者だけを対象にした保護規定です。
道路交通法ハンドブック、警察庁交通企画課、p2140、ぎょうせい
現実的には、まあまあ止まるドライバーも多い。
事故回避義務を考えると、ワケわからん自転車を先にイカせたほうがいいしね。
ところで。
最近知ったのですが、中には「絶対に止まるべきではない。優先関係をきちんとして甘やかすべきではない。」と考える人もいるらしい。
ずいぶんと極端な意見だなぁと思うけど、たぶんね、そういう意見を発する人に限って止まっているんじゃないかと。笑。
口で発する内容と、プレイは別というところですかね。
実際、前記事で取り上げたTwitterの人にしても
道路交通法では自転車は軽車両なんで横断歩道で停まっていても車は停まらなくても良いんだよ。自転車を降りている場合は歩行者になるんで保護する義務が発生する。
それを知らずに悠々と乗ったまま横切る自転車は危険ですよ。 pic.twitter.com/qStwNGv29w— キリンの缶詰 (@Kirin_Kan) May 16, 2023
めっちゃ安全に停止しているし。
なんら文句をつけるポイントがない。
ところで、ご意見を頂きました。
「安全のために横断歩道で待っている自転車のために停止したほうがいい」ならyesで
法的義務の話をしていて自転車のために停止することを否定してるわけでもないのに、法的に義務が無いと言うと「車が止まりたくないからそんなこと言ってるんだ」とか感情論で返してくるから手に負えない
優先の話だけなら高速道路の合流だって、事故防止のために合流してくる車両がいたら事故防止のために本来優先の本線側が車間空けたりするわけだから、普通に考えて道交法だけですべて決まっているわけではないと分かりそうなもんだけど。
法律解釈を書くと発狂してグダグダ言ってくる方がいますが、
法的義務の話をしていて自転車のために停止することを否定してるわけでもないのに、法的に義務が無いと言うと「車が止まりたくないからそんなこと言ってるんだ」とか感情論で返してくるから手に負えない
全くその通りで、法律解釈を書くと「轢いてもいいというのか!」と発狂する人がいたりするので心配になります。
こちらでまとめた判例にしても、
全てを統合して理解すれば、「停止義務はないけど事故回避義務を免れないよ」という結論に達するはずなのに、短絡的に発狂する人がいるので心配になります。
結局のところ、最終的には「予見可能な事故を回避しなかったら終了」。
余裕で有罪なのです。
それこそ、歩道を時速40キロで進行する自転車は「予見可能」だと言うくらい、予見可能性はかなり広く認定されます。
まあ、この判例については
「普段からクルマを運転する身としては引き締まった」という意見と、「自転車がおかしいだろ」という意見の両極端でしたが、私から見ればどちらの意見も正解。
けど、これは予見可能な範疇として有罪なのです。
結局は横断歩行者がいるかどうかわからない→減速接近義務を果たしていれば、自転車がよほどおかしな速度で突っ込んで来ない限りは事故回避可能。
あまりこういう書き方は好きではないけど、当たり屋さんにとっては「横断歩道+自転車」って最強なんだと思うんですね。
優先道路を避けて交差点の右左折車との関係に絞れば、自転車の過失は小さい。
そして右左折中にはさほどスピードが出ていないから当たり屋稼業にとっては最強。
実際のところ、横断歩道で当たり屋の自転車の判例ってまあまああるのが現実でして、15年間に21件の自転車事故に遭った人とか、当たり屋を疑う主張をすると「失礼だ!慰謝料増額もんだろ!」と発狂している判例とか。
そういう判例ばかり見てしまうと、ロードバイク乗りの立場としても横断自転車を先にイカせたほうがマシなんだろうなと思うし。
あっ、きちんと停止して自転車を先にイカせたのに、自転車がわざと転倒して非接触事故を作った判例なんてモノもあるわ。笑。
本件被害者のように2年間に5件の交通人身事故に遭う確率は概算58億3958万0953分の1という極めて低い確率となり、これは巷間で言われている「ジャンボ宝くじ」の1等に当たる当選確率である「1000万分の1」と比べても比較にならないくらい極めて低い確率であって、(中略)通常の常識ではちょっと考えられない、異常な交通事故遭遇頻度である。
事故による傷害保険金等目当てに、自ら作為的に仕組んで転倒した偽装事故の疑いが極めて高く
平成28年7月25日 和歌山簡裁
自転車を先にイカせる&ドラレコが最強なのかもしれません。
ツンデレでもプレイにて
結局、プレイとしてやるべきことをやるかの問題なので、道路交通法の具体的義務を果たして、さらに事故回避義務をしっかり果たせばそれで十分。
「横断歩道を横断しようとする自転車にも38条の義務がある!」などと語りながら、「歩道を横切る前に一時停止しなくても、歩行者がいなければ違反ではない」などと解説しているYouTuberの話をいろんな方から聞きますが、
口でも解説を間違い、プレイとしても間違っている人についてはどうしようもありませんが、全てはこれなんですよ。
「安全のために横断歩道で待っている自転車のために停止したほうがいい」ならyesで
法的義務の話をしていて自転車のために停止することを否定してるわけでもないのに、法的に義務が無いと言うと「車が止まりたくないからそんなこと言ってるんだ」とか感情論で返してくるから手に負えない
優先の話だけなら高速道路の合流だって、事故防止のために合流してくる車両がいたら事故防止のために本来優先の本線側が車間空けたりするわけだから、普通に考えて道交法だけですべて決まっているわけではないと分かりそうなもんだけど。
「止まるな」とも言ってないし、
「止まるべきではない」とも言ってないし、
「止まったら違反」とも言ってないし、
「止まらない」とも言ってない。
「止まっちゃイヤ」とも言ってないし、
「止めないで」とも言ってないし、
「止まったら滅亡する」とも言ってないし、
「止まったら離婚する」とも言ってない。
「停止義務はないけど、事故回避義務は免れないからね」としか言ってないのに。
支離滅裂に発狂する人については理解し難いところがありますが、シンプルに解釈を語るだけなのよね。
それこそ「小児用の車」にしても想像以上に知られてないことがわかりましたが、結構重要ですよ。
「小児用の車」は。
38条だけが法律ではないけど、なぜか38条の解釈については病的に発狂する人がいるので心配しています。
他の条文や自動車運転処罰法から導けば正論になるものを、発狂して間違った解釈を繰り返すから支離滅裂になるのではないでしょうか。
もちろん、こういう主張も間違いではない。
これはこれで正論ですしね。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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