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電動キックボードや自転車を追い越し、追い抜きするときの側方間隔の話。

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特定小型原付が登場して以降、

いろんな人
いろんな人
あんな倒れやすい奴らが倒れてきて轢いたらどうするんだ!?

などというむちゃくちゃな話があります。
答えは簡単。

管理人
管理人
倒れてきても轢かないように側方間隔を取り減速する。

なぜに轢いてしまう前提なのかよくわかりませんが、以前挙げた判例を再確認します。

 

自転車への側方間隔はどれくらい空けるべき?判例を検討。
先行する自転車を追い越し、追い抜きするときに、側方間隔が近すぎて怖いという問題があります。 これについて、法律上は側方間隔の具体的規定はありません。 (追越しの方法) 第二十八条 4 前三項の場合においては、追越しをしようとする車両(次条に...

 

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刑事責任と民事責任

側方間隔については諸説ありますが、判例タイムズ284号(昭和48年1月)では、自転車を追い越しするときには

おおむね1.5mないし2mの間隔があれば十分といえるであろう。

 

「追越し」(東京地裁判事補 小林氏)、判例タイムズ284号

としています。

 

そもそも、追い越し時の規定は

(追越しの方法)
第二十八条
4 前三項の場合においては、追越しをしようとする車両(次条において「後車」という。)は、反対の方向又は後方からの交通及び前車又は路面電車の前方の交通にも十分に注意し、かつ、前車又は路面電車の速度及び進路並びに道路の状況に応じてできる限り安全な速度と方法で進行しなければならない

「状況に応じて」なので一律に何メートルと語ること自体に無理がありますが、刑事責任としてはこんな感じ。

裁判所 自転車の動静 車の速度 側方間隔 判決
広島高裁S43.7.19 安定 40キロ 約1m 無罪
東京高裁S45.3.5 安定 30キロ 1~1.5m 無罪
最高裁S60.4.30 不安定 約5キロ 60~70センチ 有罪
高松高裁S42.12.22 傘さし 50キロ 1m 有罪
東京高裁 S48.2.5 原付二種 65キロ 0.3m 有罪
仙台高裁S29.4.15 酒酔い 20キロ 1.3m 有罪
札幌高裁S36.12.21 安定 35キロ 1.5m 無罪
高松高裁S38.6.19 子供載せ 約42センチ 有罪
仙台高裁秋田支部S46.6.1 45キロ 20~40センチ 有罪

※これらは側方間隔のみで有罪にしたわけではないので、具体的な状況は下記をご覧ください。

 

自転車への側方間隔はどれくらい空けるべき?判例を検討。
先行する自転車を追い越し、追い抜きするときに、側方間隔が近すぎて怖いという問題があります。 これについて、法律上は側方間隔の具体的規定はありません。 (追越しの方法) 第二十八条 4 前三項の場合においては、追越しをしようとする車両(次条に...

 

仮に無罪になっても事故が発生すれば民事責任は免れないわけですが、ちょっと興味深い判例として東京地裁 平成27年10月6日判決があります。

 

自転車追い抜き時に非接触事故の判例。
自転車を追い越し、追い抜きする際には側方間隔が問題になりますが、接触してないものの事故になった判例を。 非接触事故の判例 非接触事故の判例としてますが、事故態様には争いがあります。 判例は東京地裁 平成27年10月6日。 まずは大雑把に状況...

 

側方間隔1.2mで追い抜きしたものの、自転車がバランスを崩し転倒。

被告は、被告車を運転して前方の原告車を追い抜くにあたり、被告車が箱形の荷台がついた貨物車であって、後方から自転車の側方を通過する際に自転車の運転者が風圧や狼狽などにより操縦を誤り転倒するなどの危険があるから、自車と自転車との間に相当な間隔を保ち、十分に減速して、自転車の動静を注視しつつ進行するなどの注意義務があるところ、被告の述べるところによっても時速約40キロで通過したものであり、原告車との間隔及び速度差、被告車の車種、追い抜く際の原告の様子に照らすと、被告車の追い抜きが原告車の走行に影響を与えるものであったことが推認され、被告には上記注意義務を怠った過失が認められる。

 

(中略)

 

もっとも、被告は追い抜きに当たり右に進路変更して側方に約1.2mの間隔を取っており、過失が大きいとはいえない。他方、原告においても、本件道路は片側2車線で歩車道が分離されており、車両が比較的高速で通行することが予測される道路であるから、車道を通行する際には四囲の状況に注意を払い、適切にハンドル・ブレーキを操作して運転すべきところ、被告車が相応の間隔を空けて側方を通過したにもかかわらず転倒していること、転倒したのは被告車が通過して約10m進行した先であること、原告に対する通行人の言動を考慮すると、原告にも自転車運転上著しい不注意があったことが推認される。これらの原告及び被告の過失の内容・程度を総合考慮すると、原告に生じた損害について40%の過失相殺をするのが相当である。

 

東京地裁 平成27年10月6日

クルマの過失を60%、自転車の過失を40%としています。
刑事責任と民事責任では過失の深さが違うので、仮に刑事責任として不起訴や無罪になっても事故が起きれば民事責任では過失になるわけで、

 

1.5m以上+減速

 

が基本かと。
電動キックボードでも同じこと。

そもそも

カジュアルに至近距離で追い越し、追い抜きするクルマとかいますが、それをして事故が起きれば余裕で有罪。
あえてリスキーなことをする人の気持ちはよくわかりませんが、側方間隔約0.3mで追い抜きし驚愕狼狽して起きた事故や(東京高裁 昭和48年2月5日)、バスが子供載せ自転車を至近距離(約42センチ)で追い抜きして起きた事故(高松高裁 昭和38年6月19日)、自転車を側方間隔20~40センチで追い抜きして起きた事故(仙台高裁秋田支部 昭和46年6月1日)など普通に有罪。
高齢者が乗る自転車を60~70センチで追い抜きして有罪(最高裁判所第一小法廷 昭和60年4月30日)などもありますが、自転車や電動キックボードが倒れてきても轢かないように側方間隔を保ち追い越しや追い抜きをする必要があるわけで。

 

いろんな人
いろんな人
あんな倒れやすい奴らが倒れてきて轢いたらどうするんだ!?
管理人
管理人
倒れてきても轢かないように側方間隔を取り減速する。

追い越し、追い抜き事故で民事無過失を認めることはまず無いので、轢かないように側方間隔を保ち減速する方がいいと思いますが。
これは自転車同士でも同じです。


コメント

  1. irvine より:

    お久しぶりです。

    まぁ自動車しか乗らない人は

    「自転車やキックボードの気持ちは分からない」

    ですよ。

    そりゃ乗らないなら理解は出来ないでしょうし、理解しろとも言いませんけどw

    言い方悪いですが…

    「世の中の大半の人間が、自分の事しか考えておらず、自分の正義が絶対だと思っている人が多い」

    からかと…

    酷いヤツは減速しながらギリギリまで左に寄せて追い抜いて、追い抜き切ったらセンターに帰るバ○とか居ますから…

    本当、

    「何処見て走ってるんだよ!」

    と…思います…

    自転車を意識し過ぎて右側を全く見て無いとか、

    「自転車居るから、左ギリギリを走らないと」

    って思ってるのかも知れないけど…

    片側3mは有るんだから左ばかり心配すんなボケ

    です。

    下手クソの典型例ですけどね。

    それと。

    大半の人が自動車は道路上では王様と思っているのが現状ですよ…

    路上の喧嘩は無敵かもしれないけど、裁判だと最弱ってのは分かって無い。

    本当、アンポ○タンだらけ。

    譲り合いって気持ちが有れば良いのだけどね。

    それと

    キックボードですが…

    最低限「道路交通法」を教育するとかカリキュラムは必要なのでは無いかと思う。

    歩行者は右側通行

    そのままの知識で16歳になって、車両に乗るのだから…

    車道の右側をノーヘルで走るバ○タレが大量発生するのは分かり切った事…

    まぁアレですよ…

    得票率上げる為に成人年齢を18に下げるとか、どう考えてもオツムが腐ってる発想しか出来ないのが日本の法律作ってる連中の現状です。

    交通事故が増えなければ良いですが…

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      アホ禁止法が必要なのかもしれません。
      そんなに難しい問題ではないように感じますが、なぜか揉めるポイントですね。

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