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HideMyBell raceday DM。自転車ベルと法律上の矛盾。

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ネット配信されてきた記事ですが、

 

サイクルコンピュータとベルをスマートに装着! ミニマルでマルチなマウントがユニーク
オランダの自転車用アクセサリーメーカー「CloseTheGap(クローズザギャップ)」がリリースするサイクルコンピューターマウントシリーズ「HideMyBell(ハイドマイベル)」は、サイクルコンピュータマウントとベル(警音器)を一体化した...

 

オランダの自転車用アクセサリーメーカー「CloseTheGap(クローズザギャップ)」のHideMyBellが紹介されてました。

 

これ、いくつかのタイプがありまして、例えばこのようなHideMyBell raceday DM。


一般的なステムなら取り付け可能です。
自転車ベルに7590円出すという価値観がない私からするといろいろと驚きを隠しきれませんが、スッキリさせたい人やベルの装備位置がなくて困っている人には需要があるでしょう。

 

ところで。

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自転車ベルと法律上の問題

自転車ベルについては各都道府県の公安委員会遵守事項(道路交通法71条6号)に「装備義務」が定められている以上、装備してないだけで道路交通法違反となりますが(一部の県では装備義務がない)、現実的にベルを使う場面があるのか?というと、基本的にはない。

 

「警笛鳴らせ」にしても滅多にないレア標識だし、「危険を防止するためやむを得ない」にしても、自転車はわざわざ片手運転にしてベルを鳴らす暇があるなら、ブレーキ操作を優先したほうがいいのは当然のこと。

 

「危険を防止するためやむを得ない場合」なのに警音器を鳴らさなかったことを過失(警音器吹鳴義務違反)として業務上過失致死傷罪(過失運転致死傷罪)として有罪にした判例はまあまああるものの、

 

警音器の使用制限違反と、吹鳴義務の話。
以前何回も取り上げてますが、道路交通法54条2項で「危険を防止するためやむを得ない場合」以外は警音器の使用を禁止している一方、「危険を防止するためやむを得ない場合」なのに警音器を使わなかったことを過失として業務上過失致死傷罪で有罪にしている...

 

自転車では聞いたことがない。

 

なので道路交通法71条6号を満たすためだけにベルを装備している自転車乗りのほうが多いんじゃないですかね。
使うことはまずないけど、仕方なく装備しているみたいな。

 

何のために装備義務を定めているのかについては、やや疑問が残ります。
そして装備義務がない県もあるわけで、「都道府県によって必要性の有無の判断が分かれる程度のモノ」とも言えますし。

 

私が知る限り、装備義務がない県は4つです。

トラブルの原因

ちょっと前に歩行者に向けてベルを鳴らしたことからトラブルになっていた事案がありましたが、歩道や路側帯を通行する歩行者に向けて鳴らすことは違反。
歩車道の区別がない道路の場合には必ずしも違反とは言えませんが、現実的にはトラブルになりやすいので「らさなくても済むような運転」が望ましいのは間違いない。

 

けど自転車ベルって勘違いしている人はまあまあいて、「ながらスマホの歩行者に鳴らせ」とか、「自転車同士の追い越しや仲間とのコミュニケーションに使う」などとトンデモ論をいう人もいるわけで、

 

新しい自転車ベル【GENTZ】。危惧していることがありまして。
ロードバイクにベルを付けるというのは、道路交通法上必須のことです。 と言いながら、実は私も付けていない時期がありました。 走行中に落下して壊れて以来、しばらく付けてなかった時期がありまして、大いに反省すべきことです。 今は、ワイヤーに付ける...

 

使うタイミングが事実上ない上に、間違った使い方をする人がいるくらいなので、そもそも装備義務を定めるほどの問題なのか?という疑問もあります。
まあ「追い越し時に鳴らせ」の人については、昭和35年以前(道路交通取締法)には追い越しする際に警音器吹鳴義務があったので、昭和30年代に道路交通法を勉強した人なのかもしれませんが。

 

道路交通法27条「追いつかれた車両の義務」は「徐行や一時停止義務」を負うのか?
ちょっと前の続きです。 27条2項「追いつかれた車両の義務」は徐行や一時停止義務を負うのか?という話がありますが、ちょっとこれについて掘り下げてみます。 なお、話は長いので興味がない人はスルー推奨。 (他の車両に追いつかれた車両の義務) 第...

 

必ずしも必要性が高いとは思えないけど、結局はほとんどの都道府県では未装備が違反になるので、結局は付けるしかないんですけどね。

 

HideMyBellのようなまあまあの値段のベルにしても、道路交通法71条6号を遵守するためには需要があるのかな。

 

まあ、民事判例では警音器を鳴らすべき注意義務を怠った過失としているものはまあまああるので、カジュアルに鳴らしてしまう人もいますが、若干変わったところとしては、出前の岡持ち2輪車が安全運転義務違反(70条)として検挙されたものの無罪としている上に、警音器を鳴らせなくても声に出せば済むじゃないかと説示しているものもあります。
(公安委員会遵守事項でモノを持った片手運転が禁止される以前の判例)

なお、検察官は警音器を吹鳴することができないような方法で運転すること自体が同条違反の行為に該当する旨主張する。しかし、本条の趣旨とするところは、運転者以外の者に危害をおよぼすおそれのある運転方法を禁ずる点にあると解されること、警音器の使用は、ハンドル操作等と異なつて必要な場合が限られ、その使用も制限されていること(同法第54条参照)、警音器は他の者に自車の存在を知らせて警告を与えるためのものであるというその性質上、警音器を使用することができなくとも、状況によつては声で知らせることもでき、一旦停止し、あるいは減速する等の方法で十分事故の危険を避けることも可能であること等を考えると、周囲の状況からみて、事故を防止するために警音器の吹鳴が是非必要であつたとか、その必要が十分予想されたのに、漫然警音器を使用しないで、あるいは使用することができない状態のまま運転進行した等のため、それが他人に危害を及ばすおそれのある運転方法と認められる場合は別として、本件のようにそれらの状況が認められない場合は、本条の違反に当ると解することはできない。

 

森簡裁 昭和42年12月23日

下手にベルなんか使うよりも、口に出せば済むんですよね。
お口に出してあげれば済む話を、わざわざベルなんか使うからトラブルになりやすい。
 


コメント

  1. 山中和彦 より:

    トライアスロンの大会に出る際には、外すように指示されることがあります。(基準は大会ごとでまちまち)
    危険防止のために、不要な突起物は、全て外すように、みたいな感じで、ライトやリアライトも、長いトンネルがある大会では必須ですが、そうで無ければ外す指示が多いです。
    そんな時には、こういうのがあると、便利かと思いました。
    しかし、この価格を出すなら、ベルの付け外しの手間を取ります。(笑)

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      それだと、すぐに外せるタイプのほうが重宝しそうですね。

  2. いんちょ より:

    2,3台で並進している自転車を追い越したいときや、自転車レーンを歩いている人には鳴らしてしまいますね。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      それなら違反にはならない可能性がありますが、たまに逆上する方がいるのでややこしいですね。

  3. 名無し より:

    警察に問い合わせるとかしてるのかと思ったら記者の感想で終わってた。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      警察に聞くべき内容が思い当たらないのですが、どの部分を聞いて欲しかったのでしょうか?

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