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「ヘルメット着用率」が過失割合に与える影響。

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ちょっと前になりますが、「自転車ヘルメットの着用率」なるものが都道府県別に発表されました。

調査では、自転車に乗っていた全国の5万2135人のうち、ヘルメットをつけていたのは7062人で、全国平均の着用率は13.5%でした。
都道府県別で着用率がもっとも高かったのは愛媛県で59.9%、一方、着用率がもっとも低かったのは新潟県で2.4%でした。

 

自転車ヘルメット着用率は? 群馬 茨城 栃木 東京 神奈川 千葉 埼玉では | NHK
【NHK】身の回りでヘルメットを着用して自転車に乗っている姿を見かける機会は増えたでしょうか。着用が努力義務化された自転車用のヘルメットについて、警察庁が都道府県ごとに「着用率」を調べたところ。全国で最も高かった愛媛県は59.9%だったのに...

そもそもどうやって調査したのか不思議ですが、本当に愛媛県は6割も被っているのでしょうか?

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ヘルメット着用率が過失割合に与える影響

ちなみに私が見るに、ヘルメット着用している自転車なんて50台に1台いるかいないかくらいなんじゃないかと肌感覚で感じますが、

 

「たまたまロードバイクの集団が通過しまくったとか、たまたま学校の規則で義務になっている中学生が通過しまくったとかじゃないよね?」

 

ところで。
ヘルメット努力義務化の頃から、「事故にあったときにノーヘルが過失になるのではないか?」という話が度々出ていました。
現実的には、判例のスタンスはこう。

児童・幼児の保護責任者に対し、なお、道路交通法63条の11(本件事故当時は平成25年法律43号による改正前の同法63条の10)は、努力義務として、当該児童・幼児のヘルメットの着用を定めているにすぎないし、本件事故当時、児童・幼児の自転車乗車時のヘルメット着用が一般化していたとも認められないから、ヘルメットを着用していなかったことを不利に斟酌すべき過失と評価するのは相当でない。

 

神戸地裁 平成31年3月27日

過失を考える上では、「社会的にヘルメット着用が一般化しているかどうか」が一つのポイントになります。
いろいろ探した限りでは、東京地裁 令和4年8月22日判決において当時の東京都自転車条例を根拠にノーヘルを過失扱いしたものがありますが、考慮するとしたらこの自転車は「ロードバイク」です。
ロードバイクでヘルメット着用はもはや常識的になっている点を考慮した可能性があります。

 

自転車ヘルメットの「努力義務化」は、事故時の過失割合に影響するか?判例から検討。
自転車ヘルメットの「努力義務化」によって、事故に遭った際にノーヘルが過失になる可能性があるという報道がいくつか出ています。 実際のところ既にいくつかの自治体では「ヘルメットの努力義務」が定められていますが、判例から検討してみます。 ノーヘル...

 

さて。
おそらくですが、現状のヘルメット着用率では仮にノーヘルで事故にあったときに、過失扱いされる可能性は低いと思われます。
ヘルメットが「常識」レベルになれば別でしょうけど。

 

ちなみにですが、努力義務化のだいぶ前から、事故にあったときに加害者側が「自転車のノーヘルは過失」と主張している実態があります。
例えば、平成20年の東京地裁判例においても、加害者側(加害者も自転車)が「ノーヘル過失」を主張していますが、裁判所は認めていません。

 

先日の判例についてちょっと補足。
先日挙げた判例なんですが、 ちょっと補足。 なぜ車道ロードバイクにも5割の過失が付いたか まず、事故の前提から。 ・原告(ロードバイク)は車道を通行していた。 ・被告(自転車)は歩道を通行していた。 ・歩道には配電ボックスがあり、被告の身長...

 

まあ、歩道から車道にノールック斜め横断をしてきて50:50という阿鼻叫喚な判決なのですが…

 

現状の着用率では過失扱いにはならないと思われますが、相手方がこの調査結果を証拠として提出の上、「ノーヘルは過失!」と主張する可能性はありそうです。
なので着用率高めの都道府県は、もしかしたら影響するのかも。

そもそも

例えばですがこちらの事故。

車道を正常に進行していた自転車に対し、加害自転車がノールック斜め横断をしてきて起きた事故。
被害自転車は頭を強く打ち、言語障害を伴う重度の後遺症を負った事故ですが、

 

「ヘルメット云々の前に、ノールック斜め横断する方が問題でしょ」

 

加害自転車はあと10m程度歩道を進行してから自転車横断帯に進行すれば事故は起きていない。
陰からノールック斜め横断する自転車に備えて被っているわけではないはず。

 

根本的な問題を置き去りにしているようにしか見えないけど、たったこれだけの「あとわずか10m」を守れない自転車ばかりなんだと考えると、どうせ守らないのだからヘルメットでも被れや!ということなのでしょうか。

 

道路上には安全日がないのか?と考えてしまいますが、安全日でもちゃんと着用するしかないですね。
道路上には危険日しかありません。

 


コメント

  1. 佐伯秀行 より:

    はじめまして。
    愛媛県在住の佐伯と申します。
    何時も投稿を楽しく拝見させて頂いておりました。

    私事ですが、今年の5月に交通事故に遭い重傷を負い3ヶ月以上入院しておりました。(詳しくは添付のインスタグラムの投稿に書いてます。ご高覧いただければ幸いです。)
    予測も回避も難しく避けがたい事故でしたが、ヘルメットのおかげで一命は取り留めました。

    ヘルメットは努力義務で、被らなくても法的に不利益が無いことは理解できますが、自分の命を守るためには必需品ではないかと思っております。
    義務が無くても被っておいた方が良い事をお伝えしたくてコメントさせて頂きました。
    道路上に安全日は有りませんでした。

    管理人様は若干、ど田舎の愛媛県に対する偏見も有るかと思いますが、愛媛県なりの自転車文化は存在していると思います。
    私の見た範囲では、通勤通学時間帯でのヘルメット装着率は80%は有るんじゃ無いかなと、、、個人の感想ですが(笑)

    長々と失礼いたしました。
    今後も投稿を楽しみにしております。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      大変でしたね。
      ヘルメットの大事さはもちろん承知しています。
      私自身も交通事故に遭ってますので…

      お身体ご自愛ください。

  2. ゆき より:

    通学の自転車が多く、学校で着用義務化されているならやはり着用率は上がるかと。

    愛媛県は早くに条例が作られ、2014年の死亡事故で着用が加速し、県立高校には着用義務や支給があり、国勢調査の結果から、自転車通勤通学が多い地域になります。
    高校生のヘルメット着用率はほぼ100%らしいので相当影響があると思います。

    ソース:
    ヘルメット支給に関して
    https://ehime-c.esnet.ed.jp/soumu/kouhouehime/27kouhou_194/tokusyuu/tokusyuu.html#jinken

    愛媛県の条例に関して
    https://www.pref.ehime.jp/h15300/jitensha/020401.html

    自転車通勤通学割合に関して
    https://www.jitensha.jp/%e3%80%90%e7%ac%ac11%e5%9b%9e%e3%80%91%e5%9b%bd%e5%8b%a2%e8%aa%bf%e6%9f%bb%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%bf%e3%82%8b%e9%80%9a%e5%8b%a4%e9%80%9a%e5%ad%a6%e6%99%82%e3%81%ae%e8%87%aa%e8%bb%a2%e8%bb%8a%e5%88%a9/

    2014年の事故、高校生のヘルメット着用率に関して
    https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20230413-OYO1T50017/

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      愛媛県ってそんなにヘルメット文化が進んでいるのですね。
      条例というと、歩道逆走禁止も定めてありますが…

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