こちらの記事にこのようなコメントを頂いたのですが、
こういう時って全文が見れるリンクや画像を張ってその後に一部の切り出しをしてくれないと根拠として弱いかと。
最近、勘違いする人が多い気がします。
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本当に大事なことはインターネット上にはない
この判例についてはたまたま裁判所ホームページにあります。
裁判所ホームページに掲載されている判例は、「かなり限られたごく一部」でしかなくて、詳しく知りたいら図書館等で調べてください。
そのために判決年月日と裁判所名を書いているので。
インターネット上にはなんでも情報があると勘違いしている人が最近いますが、本当に大事な情報はインターネット上になんてありません。
最高裁判所がまとめた交通事故関係の判例集を2つ持ってますが、判例集に掲載されている判例のほとんどはインターネット上にはありません。
なんでもインターネット上にあると思ってません?
「リンクがないと根拠として弱い」とか、どんだけアホなのか疑います。
ところで。
何の話?
そもそもなぜ突如この記事にコメントがついたのか不思議に思ったのですが、これに付随してうちのリンクを貼りまくってくれた方がいるみたい。
日曜日 都民の森へ向かう途中
バスの幅寄せ
後程、五日市警察署に尋ねてみたら結構あるらしい。
ご注意下さい!#西東京バス pic.twitter.com/OGNYcvbwjb— ふぃがくろチャン (@MWmike6) September 26, 2023
この映像だけで判断しますが、バスの違反行為は「17条5項各号の除外事由がないのに、右側通行した(17条4項の違反)」ですね。
凄く不思議なんですが、この映像だけ見ても追い越しなのか追い抜きなのかはわかるわけがない。
追い付いてから進路を変えたのか、追い付く前に進路を変えたのか後方映像がなけりゃわかるわけがないじゃんね。
「追い付く」とは26条でいう車間距離に迫ることを指します。
追い越しについては「右側はみ出し禁止」(17条5項4号)なのでできませんし、追い抜きについてはそもそも17条5項各号の除外事由に含まれないので違反。
17条5項各号は、左側通行の原則の除外事由を並べていますが、
第十七条
4 車両は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道。以下第九節の二までにおいて同じ。)の中央(軌道が道路の側端に寄つて設けられている場合においては当該道路の軌道敷を除いた部分の中央とし、道路標識等による中央線が設けられているときはその中央線の設けられた道路の部分を中央とする。以下同じ。)から左の部分(以下「左側部分」という。)を通行しなければならない。
5 車両は、次の各号に掲げる場合においては、前項の規定にかかわらず、道路の中央から右の部分(以下「右側部分」という。)にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。この場合において、車両は、第一号に掲げる場合を除き、そのはみ出し方ができるだけ少なくなるようにしなければならない。
(以下略)
イエローラインだろうとなかろうと、追い抜きのために逆走することはできません。
追い越しのための逆走については、イエローラインなので禁止されています。
あえてこれを書いておく理由はシンプルで、こういうことにイラっとして警察に被害を訴えたところで、「追い越しなのか確認できない」として却下されるネタにされてしまうから。
確かに追い越しなのかは後方映像がなけりゃわかるわけもない。
まあ、「追い越し違反」だと立証することは映像からはできませんし、26条の2第2項の進路変更禁止ともビミョーですし、明らかなのは「バスが法定の除外事由がないのに逆走した」というところくらいかと。
ちなみに、冒頭の件。
気になる判決くらい自分で調べてくださいね。
何のために判決年月日と裁判所名を書いているのか、第三者が検証できるように書いているので。
なんでもインターネット上にあると思う人って、ちょっと心配になる。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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