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徐行義務はあります。しかし。

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こちらで挙げた交差点ですが、

マスコミがいう「優先道路」と、道路交通法の「優先道路」は違うのかもしれない。
まあまあ不思議な報道ですが、 22日午前10時50分頃、仙台市太白区柳生6丁目の市道交差点で、乗用車同士が衝突し、このうち1台が横転しました。警察と消防によりますと、この事故で、横転した乗用車に乗っていた20代の女性と未就学の女の子の合わせ...
読者様
読者様
これって本当に徐行義務があるのでしょうか?
左右の見とおしとはどのくらいを意味するかもしりたいです。

現場はここ。

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徐行義務

交差点内にセンターラインはなく、優先道路がない交差点&左右の見とおしがきかないので徐行義務(42条1号)があります。

(徐行すべき場所)
第四十二条
車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道路の部分を通行する場合及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない
一 左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし、又は交差点内で左右の見とおしがきかない部分を通行しようとするとき(当該交差点において交通整理が行なわれている場合及び優先道路を通行している場合を除く。)。
(交差点における他の車両等との関係等)
第三十六条
2 (略)優先道路(道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路をいう。以下同じ。)

東京地検交通部の解説書でも交差点内にセンターラインがあることを優先道路とするとしている。

道路標示(中央線または車両通行帯境界線)による優先道路は、交差点の中まで中央線等が表示されている道路のことをいい

東京地方検察庁交通部研究会、「最新道路交通法事典」、東京法令出版、1974

左右の見とおしですが、諸説ありますが片側50mが一つの基準(高松高裁 昭和37年3月7日)。
そうするとこれ。

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優先道路がないし左右の見とおしがきかない交差点なので、非一時停止側は徐行義務があります。

徐行の程度と解除時期

徐行義務は「全ての通行者(歩行者含む)との衝突を回避する目的」と解釈されますが、徐行の程度と解除時期がそれぞれの交差点ごとに違うわけ。

道路交通法2条20号に、車両が直ちに停止することができるような速度で進行することをいうとある徐行とは、一般に停車の手段を施すときは惰力進行を加算しても優に衝突をさけうる程度の速度すなわち時速約10キロメートル程度ということになるであろう。しかして同法42条が交通整理の行なわれていない左右の見とおしのきかない交差点で車両等に徐行義務を課しているのもかかる場所での道路交通の安全と円滑という矛盾する二つの要請を調整する趣旨のものと解されるから、ことを刑法上の注意義務の観点からみても、徐行とは交差道路からくる車両の有無、動静を確認し機に応じて交差点の直前で直ちに停止しうる程度に予め減速して進行することをいうと解するのが相当で、ここにいう徐行もやはり時速約10キロメートル前後ということになるであろう。ただ、その減速の程度は、通常は、交差点に接近するにともなつて次第に深まつていくが、他面、この接近にともなつて左右の見とおしも好転し、また、自車が交差点を先に通過しうるかどうかの判断も可能となり、安全通過を確認しうるにいたればそのままもしくはむしろ若干加速してでもすみやかにその交差点を通過すればよいことになるであろう(この関係は、交差点の手前に一時停止の道路標識が設けられている側の車両についても、一旦一時停止して交差点の安全を確認したのちにおいては全く同様であるといえる。)。

東京高裁 昭和48年7月10日

「その減速の程度は、通常は、交差点に接近するにともなつて次第に深まつていくが、他面、この接近にともなつて左右の見とおしも好転し、また、自車が交差点を先に通過しうるかどうかの判断も可能となり、安全通過を確認しうるにいたればそのままもしくはむしろ若干加速してでもすみやかにその交差点を通過すればよいことになるであろう」とありますが、

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左右の見とおしが好転するタイミングが、この交差点だと早め。
なので交差点進入直前で時速10キロ程度になる必要があっても、左右の見とおしが好転した時点で徐行義務は解除されます。

 

一時停止側がきちんと一時停止し、交差道路の進行妨害をしないことが第一とはいえ、非一時停止側が優先権を主張できるのは「法規に従って徐行義務を果たした場合」(最高裁判所第三小法廷  昭和48年12月25日)。

 

こういう事故って両者ともに書類送検されます。
前回記事の事故だと、一時停止側は道路交通法43条違反と過失運転致傷罪の疑い、非一時停止側は道路交通法42条1号違反と過失運転致傷罪の疑い(同乗者をケガさせたので)。
過失運転致傷罪は5条但し書きにより、軽症事案なら不起訴になる可能性が高いですが、普通に有罪を食らう可能性があるのでやるべきことをした方がいい。


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