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左折巻き込みで後続二輪車のほうが悪くなる事例。

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左折巻き込み事故の場合、左折車のほうが過失が大きくなるのが一般的ですが、

ぶっちゃけた話、必ず左折車のほうが過失が大きくなるわけでもなくて、状況次第では変わります。
やや特殊な事例かもしれませんが。

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左折車のほうが過失が小さくなった事例

判例は大阪高裁 平成29年2月10日。

 

まずは事故の態様から。

片側二車線(対向車線は一車線)で被告車、訴外車、原告二輪車の順に進行していて、訴外車が第二車線に変更。

被告車は駐車場に進入するために左折し、原告二輪車が衝突した事案です。

左折車の合図履行 左折前約16.5m
左折車の位置 左折前約15.1mから第1車線の左寄り
衝突位置 第1車線の道路左側端から内側に約60センチ
衝突部位 原告二輪車の右前部と被告車の左側面後部
原告二輪車の挙動 第1車線の左寄りを進行し、先行車が第2車線に進路変更後約5.8m進行。約6.5m先に減速した被告車を発見してブレーキをかけたが左折を開始した被告車と衝突

これについて一審は以下の過失割合を認定。

先行左折車 後続二輪車
10 90

大阪高裁も一審判決を支持し控訴棄却です。

 

さて、衝突部位は左折車の左側面後部、後続二輪車の右前部なのでいわゆる左折巻き込み事故と言えますが、なぜ一般的に言われる「左折車のほうが悪い」とはならないのでしょうか?

 

理由ですが、主に二輪車の車間距離不保持を重視したからです。
訴外車との車間距離も近く、しかも具体的なところは書いてありませんが左折車と後続二輪車の「進路」が重なっていた部分があると見なされたため、左折車より二輪車が左側の位置にいたとは認定されていない。

 

「進路」とは車体の幅を意味しますが、下記は「進路が重なっている」になるし、

こちらは「進路が重なっていない」になる。

進路が重なっているなら前後の車間距離保持義務があるわけで(26条)、後続二輪車の車間距離不保持と前方不注視を重視したわけです。
左折車の過失10%は「合図履行の遅れ」。

 

要は左折車からするときちんと左側に寄せて後方確認してから左折したはずが、左折するためにハンドルを切ったあたりで後続車は進路変更し、さらに後ろから至近距離に二輪車が飛び出てきたので回避可能性がない。
なので合図履行の遅れのみ過失扱いしていますが、合図履行の遅れも二輪車との関係性ではあまり関係無さそうなので過失と見なさなくても良さそうな気もします。

ちなみに

他にも後続二輪車の過失を100%にした判例もありますし、後続二輪車の過失が必ず小さくなるというわけではありません。
過失割合ってちょっとの違いで大きく変わるので、そんなことよりも左折車は左折車の義務である「予め左側端に寄り徐行し、合図は30m手前から」を遵守し、後続二輪車は先行車に合図があったときには合図車妨害をせず左側から追い抜きしない(25条3項、34条6項)。
車間距離はきちんと取る。

 

シンプルにやるべきことをそれぞれの立場でやれとしか思わないのですが、シンプルなところをしないから事故るだけなんでしょうね。


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