自転車青切符制度が導入される予定になってますが、なんかちゃんと読まない人が増えてませんかね?
歩道を徐行しなかっただけで青切符だろ!
みたいな。
そりゃ歩道を通行するには徐行義務があるし当然守るべきこと。
青切符の運用ってこうですよ。
実効性のある指導警告
運転に免許を必要としない自転車利用者に対して交通ルールを認識させる機会でもあることから、違反者自らの違反行為の危険性や交通ルールを遵守することの重要性について理解できるよう実効性のある指導警告を行う。
取り締まりの推進
警察官の警告に従わずに違反行為を継続したときや、違反行為により通行車両や歩行者に具体的危険を生じさせたときなどには、積極的に取締りを行う。
https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/kentokai/04/chuukanhoukokusyo-honbun.pdf
国家公安委員会委員長記者会見要旨
令和5年12月26日(火)11:02~11:09
問 自転車運転の青切符を盛り込んだ報告書が国家公安委員にも報告されたと思います。そこでお伺いしたいのは今後の教育の問題です。特定小型原付でも具体的な教育があまりなされている様子がなくて、今後、警察庁だけではなくて文科省とか総務省とも連携しなければならないと思います。閣僚としてどのように働きかけるおつもりかお願いします。
答 まずご指摘の自転車につきましては、近年、対歩行者との事故が増加傾向にあるとこういうふうにまず認識をしております。そのことを踏まえまして、警察庁においては、本年の8月以降、有識者検討会を開催してきたところでございます。お尋ねのとおり、このたび、有識者検討会においては、安全教育、違反の処理、交通規制の3点に関して、今後の取組の方向性について提言をする中間報告書が取りまとめられ、提言いただいたところでございます。
このうち、交通安全教育につきましては、官民の知見により、それぞれの年齢層、ライフステージに応じた安全教育に係るガイドラインの策定をいたしまして、安全教育の質の担保をすることが提案されているところでございます。これを実現するためには、教育現場や自治体との連携が非常に重要であるため、関係省庁に対して必要な働き掛けを行っていくよう、警察庁を指導してまいりたいと考えております。
そのようにしっかりと連携をいたしまして、やってまいりたいと思っておりますが、違反の処理につきましては、自転車利用者による交通違反を交通反則通告制度の対象とすることが提言をされておりますが、制度の運用に当たっては、指導警告をまず原則といたします。これに従わないなどの特に悪質、あるいは危険な違反に限っては青切符による取締りを行うことにより、目的である違反者の行動改善を促すこと、こういった取組をしっかりとやってまいりたいと考えております。問 取締りについては、まず切符を切るということではないということですね。
答 申し上げたとおり、まずはやはり指導警告これを原則といたしておりますので、報道等では即青切符というイメージが残っておりますが、やはり交通ルールを守っていただき、結果的に事故が起こらないことが私どもの目的でございますから、その点については、申し上げたとおりでございます。
https://www.npsc.go.jp/pressconf_2023/12_26.htm
以前から有識者会議でも「基本は指導警告(イエローカード)、指導警告に従わない場合や具体的に危険を生じさせたら青切符」みたいに説明しているのに、報道を雑に読んで
「ちょっと違反したら青切符だろ!」
みたいに勘違いしている人が多い。
というよりも以前から、警視庁などは悪質な違反に対しては赤切符運用にしてましたが、例えば信号無視だから赤切符…みたいな運用はしてなくて、
悪質な信号無視、例えば信号無視+横断歩行者妨害みたいな具体的危険を生じさせたら赤切符で、具体的危険を生じさせていない信号無視は指導警告なのよ。
上リンク先の報道にもあるように。
そして新設される青切符については、要は今まで「具体的危険を生じさせた悪質な違反」とか「指導警告に従わない違反」として赤切符を切ったケースについて青切符にするだけの話。
なので青切符制度になったところで、取り締まりがきつくなるわけではないのよ。
そもそもの発端は、赤切符を切ったところで98~99%が不起訴になり、違反者に対して事実上罰則がないことに対するものなんだから。
基本的な方針は今まで通り指導警告をメインにすると公言している中、報道に踊らされている人はヤバいんですかね?
以前話題になったこの件にしても、
自転車で赤切符切られた話
先日呟いたらレポート需要があるとのことなので、つらつら書いていきたいと思います。主観と心の声がうるさいと思いますが、気が向いたら読んでみてください。
遡ること3週間ほど前
仕事が休みだった義理母に0歳息子を預けて、自転車で買い出しに出ました。— あしゃ (@asami2692) November 17, 2021
「従うべき信号を間違えたから赤切符」ではないのよ。
それ単独ならせいぜい注意指導止まりなんだけど、ついでに横断歩行者妨害をしたから赤切符。
さらに言うと、車道を渡ったとこ横断歩道を渡っていた作業着のおじさんの通行を妨げたというのである。おっと、という感じに、すこし足を止めた、とのことだった。
信号無視と、歩行者妨害。
2つ重なってしまうと、さすがに見過ごすことができない、とのことだった。おっさん!!!😂
— あしゃ (@asami2692) November 17, 2021
切符を切る上では信号無視しか成立しないから信号無視で赤切符を切ったわけですが(単に法律上の建て付けの問題)、メインは横断歩行者の目の前を通過して歩行者との危険を生じさせたこと。
そりゃ赤切符でも文句言える立場にはないけど、なずか「信号を間違えたくらいで赤切符なんてかわいそうだ」とか、全く本質を捉えてない人が現れる。
横断歩行者の目の前をビュンと通過すりゃ、そりゃ危ないから取り締まり対象にするのは当然のこと。
違反即青切符なんて運用をする予定なんかないと国家公安委員長や警察庁が公言しているのに、不思議だよなあ…
そもそも、徳島県は9年ぶりに自転車に赤切符を切ったなんて珍報道があるくらい。
青切符になると取り締まりがきつくなるわけではないので、そもそも期待していません。
単に警察と検察の手間を省略するために青切符にする程度にしか見ていませんが、そもそも普通に自転車に乗っている人は青切符なんて関係ない話。
普通とはかけ離れた、トリッキーな方々が対象になるだけなので。
報道屋さんは煽るのがお仕事ですが、煽って誤解を生んで何をしたいのかさっぱりわからない。
しかも青切符制度導入を「自転車への迫害」みたいな意味不明な話に持っていきたがる人までいて、妄想って凄いなとある意味感心します。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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