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違法電動自転車「モペット」で事故。危険運転傷害罪の疑いで書類送検に。

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道路交通法上は一般原付に該当し、ナンバーをつける義務や自賠責保険に加入する義務があり免許必須なのが「モペット」ですが、無免許&信号無視で事故を起こして「危険運転傷害罪」の容疑で書類送検になったそうな。

無免許で信号無視…“ペダル付き原付バイク”モペットで自転車と接触 都内初「危険運転傷害」疑いで24歳男性を書類送検 警視庁

 

ペダルをこがなくても電動モーターで走行できる自転車「モペット」を運転し女性にけがをさせたとして、警視庁は24歳の男性を都内で初めて「危険運転傷害」の疑いで書類送検しました。

危険運転傷害の疑いで書類送検されたのは、東京・新宿区のアルバイトの男性(24)です。男性は去年7月、新宿区大久保の路上で「モペット」を無免許で運転し、信号無視をしたうえ自転車の女性(70代)と接触し、指の骨を折るなどのけがをさせた疑いが持たれています。

「モペット」は原付バイクとして扱われ、ナンバープレートの装着などが必要ですが、男性はそれもしておらず「周りの人が乗っていて、取り締まりは受けないと思った」と話しているということです。

 

無免許で信号無視…“ペダル付き原付バイク”モペットで自転車と接触 都内初「危険運転傷害」疑いで24歳男性を書類送検 警視庁(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース
ペダルをこがなくても電動モーターで走行できる自転車「モペット」を運転し女性にけがをさせたとして、警視庁は24歳の男性を都内で初めて「危険運転傷害」の疑いで書類送検しました。 危険運転傷害の疑いで書

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危険運転傷害罪

こんなモンを無免許、ナンバー無し、ノーヘルで乗り回し信号無視したり歩道を爆走するモペットは都内や大阪などには多いみたいですが、警察の対応は「指導止まり」が多い(理由は後述します)。

 

違法なモペットには「警告カード」よ!?←警告??
なんだかんだ、ナンバープレートもつけない違法モペットは横行していますが、この度警視庁は違法モペットに警告したそうな。 22日、東京・中野区では、「モペット」と呼ばれるペダル付き原付き自転車の取り締まりが行われ、警察官が、モーターがついている...

 

実質的に取締りがあまりされてない現状からこのように赤信号の交差点に高速度で突っ込むアホが絶えない。


この場合、危険運転傷害罪の「殊更信号無視」類型に無免許加重になるのかなと思われます。
自動車運転処罰法は自動車や原付(特定小型原付を含む)が対象。

 

自動車運転処罰法

(危険運転致死傷)
第二条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
七 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
(無免許運転による加重)
第六条 第二条(第三号を除く。)の罪を犯した者(人を負傷させた者に限る。)が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、六月以上の有期懲役に処する

ところで、このようなモペットによる事故なんてどうせ得意の「不起訴」で、「不起訴理由は明らかにしていない」といういつものパターンなんじゃないかと思うじゃないですか。
検察が得意とするパターンですよね。
罰金刑ではないので略式起訴ではありませんし。

 

既に「違法電動アシスト」で通行妨害類型の事故を起こした者が、危険運転傷害罪で有罪確定している事例があります(静岡地裁 令和4年8月9日判決)。

 

自転車が自転車に妨害運転をして有罪に。
「自転車が」被害にあった妨害運転の事例について質問を頂いたのですが、妨害運転罪ではなく「危険運転致傷罪(妨害運転)」であれば比較的最近の事例ですがあります。 しかも、自転車が自転車に妨害運転という内容。 妨害運転危険運転致傷罪 (危険運転致...

 

この事件では被告人側が、当該車両が「原付」だという確定的な認識がなくあくまでも「電動アシスト自転車」として購入したから危険運転傷害罪は適用されないと主張していますが(自動車運転処罰法は軽車両が対象外)、

「電動アシスト自転車」のつもりで購入していますが、最高速度や出力が電動アシスト自転車の基準を大きく越えていた上に、被告人も電動アシスト自転車の範疇を超えていたことを認識していた

として危険運転傷害罪の成立を認めて有罪。

 

おそらく今回の事件についても起訴するのではないかと予想されます。

民事の賠償責任

加害者の赤信号無視なので、基本過失割合は加害者100%
自賠責保険に入ってないでしょうから全額自腹で支払うことになります。

 

加害者に賠償能力がない場合や支払いを拒む場合には、政府保障事業により被害者に対して自賠責相当分の給付がありますが、政府保障事業により支払われた場合、国が加害者にその分を請求するだけのこと。

 

なのでどのみち加害者に請求が来ることになります。

たまにこういう事案で過失割合を争う加害者がいますが、基本的には加害者の赤信号無視は100%なのと、余計な争いをするよりも民事の賠償責任をしっかり果たしたことを検察官や裁判所にアピールして不起訴狙いや執行猶予狙いに転じる人のほうが多いと思われます。

 

本当に誠意がある人なら、こんなもんを無免許で乗り回さないし、ましてや信号無視しないんですけどね…
事故を起こしてから見せる誠意よりも、事故を起こさないための努力が大切なのは言うまでもなく。

違法モペットが「警告」で止まる理由

そもそも違法モペットが「検挙」ではなく「警告」で止まるというのは一応理由があります。
以前も示したように、昨年7月に特定小型原付ができる前は、電動キックボードは「原付」扱いで免許が必須でした。
しかし大量に「警告」止まりがいる。

左側が違反として検挙、右側が指導警告とありますが、なぜ整備不良や無免許が「指導警告」になるかというと、法の仕組みの問題があるから。

原付一種 原付二種
最高速度 30キロ 60キロ
出力
0.6kW以下 1.0kW以下
免許 原付免許 小型限定普通二輪免許、普通自動二輪免許等

電動キックボードが原付一種なのか二種なのかがわからないと取締りが難しい。
現場で出力を確認するのが困難という事情により「免許必須だろうけど何の免許が必要な乗り物なのかわからん!指導警告な!」という謎状態が続いてました。

 

ただまあ、警視庁などは市販されている怪しげな電動キックボードやモペットについて出力をまとめてデータベース化したり、国土交通省と連携して現場で出力を確認できるようにするとアナウンスされてますが、

 

ついに国土交通省が動く!ペダル付き電動バイクの取締り。
以前、特定小型原付の登場は野良電動キックボードを市場から追い出す効果があることと、野良電動キックボードは取り締まりが技術的に困難だったと書きましたが、 同じく取り締まりが困難だったのがフル電動自転車。 出力などがわからないと車両区分が不明な...

 

どこまで機能しているのかはやや疑わしい。

特定原付などの車両基準などに精通した国土交通省が、街頭検査を実施して、利用者に車両区分にあった適切な取り扱いを求めることにしました。四輪車の騒音や排ガス規制に違反する不正改造車の取締りでは、警察官と国土交通省や自動車検査事務所の職員が合同で指導・取締りを実施することがありますが、原付や自転車を対象に国土交通省が関わるのは異例といえます。

 

電動キックボード以上にカオスすぎる…警察が頭抱える「ペダル付き電動バイク」の車両区分 国交省が街頭検査へ(乗りものニュース) - Yahoo!ニュース
電動キックボードなどを想定した「特定小型原付(特定原付)」が創設された2023年7月1日の改正道路交通法施行を受けて、国土交通省が街頭検査の方針を固めました。区分に応じた取り扱いがされていない小型

「アクセルレバーなどの加速装置が付いていれば、ペダル付きでも電動アシスト自転車ではない。ただ、ペダルで漕ぐだけの車両でも、どこまでもモーターのアシスト力が続く場合や、規定を超えるアシスト力がある場合、特定原付の最高速度20km/hを超え一般原付として免許が必要なペダル付き原付、さらに、同じモデルにみえても並行輸入のような形で、走行性能に違いがある車両が走っている。一目で判別できず、詳しく調べる必要がある車両までは追い切れない

 

電動キックボード以上にカオスすぎる…警察が頭抱える「ペダル付き電動バイク」の車両区分 国交省が街頭検査へ(乗りものニュース) - Yahoo!ニュース
電動キックボードなどを想定した「特定小型原付(特定原付)」が創設された2023年7月1日の改正道路交通法施行を受けて、国土交通省が街頭検査の方針を固めました。区分に応じた取り扱いがされていない小型

これらのモノってナンバーを取得して保安装備を搭載し、免許を持っていれば合法的に乗れる上に、「私有地で乗ります!」というなら販売を規制することができない。
よくある通販でも小さな文字で「公道走行不可、私有地で乗ってね」みたいに書いてありますが、購入者が私有地で乗るわけもない。

 

販売規制ができない点からカジュアルに違法モペットが横行しているのですが、何らかの販売規制ができる仕組みも必要になると思う。

 

昭和の時代と違ってカジュアルにインターネットで購入できるからこうなるだけな気がしますが、販売規制をする仕組みもないと買う人が出てきてしまう。

かなり危険な乗り物

本来一般原付に乗るには免許が必須で、しかも自賠責保険やらきちんと整えないと公道走行できないもの。
それらを無免許、ノー自賠責保険でカジュアルに乗り回す人が普通にいるわけで、しかも赤信号だろうと何の躊躇いもなく突破していく。

 

危険運転傷害罪で起訴するものと予想されますが、あとは検察が「不起訴ね。理由は明らかにしません」みたいな得意技を出さないことも重要。

 

加害者が負う損害賠償総額がいくらになるのかも明らかにして欲しいものですが、こういうことをする人はそんなことを気にしてないのでしょう。

 


コメント

  1. 山中和彦 より:

    管理人さんが挙げられている条文
     第二条 人を負傷させた者は十五年以下の懲役
     第六条 六月以上の有期懲役に処する。
    で見ると、第二条の条文なら懲役ゼロもあり得ますが、第六条でみれば、最低6ヶ月の懲役ではないでしょうか。
    懲役6ヶ月 執行猶予○年みたいなこともあるかも知れませんが。
    (執行猶予が付いたら、もう一度信号無視でもしてほしいです)
    ちょっと重めにして、一罰百戒になるようにしてくれるといいのですが・・・。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      最低6月になりますが、執行猶予がつく可能性が高い気がします。

    • ゆき より:

      被害者が「指の骨を折るなどのけが」程度で済んで良かったねと。
      死亡事故になったら億単位のお金をポンと払える人でなきゃ人生終わりですよね。

      自転車ではないので、任意の自転車保険も降りないだろうし、
      車とかの任意保険に付けられる、ファミリーバイク特約ならワンチャンありますかね?
      飲酒運転みたいな重過失として支払われないとか起きるのかなぁ。

      • roadbikenavi より:

        コメントありがとうございます。

        あー、ファミリーバイク特約なら何とかなる可能性もありそうな気がしました。
        被害者保護なので対象なら支払われますが、ちょっと疑問は残ります。

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