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今度は一時停止義務違反!?横断歩道で歩行者をはねた県議とは…

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こちらの件。

まさかの無免許…免許失効に気がつかないものなのか?
先日書いた長野県議が横断歩行者妨害による事故を起こした件。 まさかの無免許…というよりも「免許失効に気づいていなかった」というパターン。 免許の失効については期限を今年の3月までと勘違いしていたとしました。 高村県議: 「はがきを毎回更新の...

横断歩行者妨害による人身事故の後に無免許(期限切れ)が発覚して県議を辞職したそうですが、マスコミってなかなか執念というか、周辺の防犯カメラを確認して県議の一時停止義務違反を見つけたそうな。

高村県議が無免許運転で21歳の女性をはねた現場近くをとらえた映像では、事故当時、うっすら雪が降っているものの、道路上の白線などははっきりと見えていることがわかる。

しかし、高村京子県議は「ちょっと雪が降って、周りの景色が灰色的な感じになっていて、横断歩道があるということは認識しつつも、左側に人がいらっしゃる認識はなくて…」と、雪による視界不良で通行人に気がつかなかったと説明。

さらに無免許だったことについては、「一時停止をしなかったとか、ちょっとした警察の方に注意を受けることも、一昨年はあって、免許証を確認していただくことが2回ほどありました。この1年は、そういうことがなかったんだと思います」と話した。

21歳の女性をはねた“無免許県議” 事故当日は停止線大幅に越える乱暴運転も 過去にも「ちょっとした」交通違反あった(FNNプライムオンライン(フジテレビ系)) - Yahoo!ニュース
26日、記者団の取材に対し、涙ながらに辞職を報告した女性県議。 高村京子県議「自分の不祥事で議員が務め続けることができないと判断をいたしました」 長野・千曲市で無免許運転の末に事故を起こし、21

視界不良という説明は防犯カメラにて否定。

 

事故映像はないものの、普通に考えれば減速接近義務違反(38条1項前段)により停止できずに衝突したと思われますが、そもそも。

仮に視界不良であれば、その視界に応じてより減速する義務があるわけなので、視界不良という説明はあまり意味をなさない気がします。
まあ、視界不良とは言えない程度だったことを防犯カメラにて立証するマスコミもなかなかの執念を感じますが、ついでに一時停止義務違反を発見するのもなかなかな。

 

ちょっとある件を調べていたのですが、横断歩道事故が起きて検察官が起訴するときに、かなりのケースで東京高裁 昭和46年5月31日判決を引用するらしい。

車両等の運転者はどのような状況があれば右の速度調節義務を負うものであろうか。それは、その際の道路およびその周辺ないし車両通行の状況、道路付近にいる歩行者の状況等により具体的、個々的に考えられるべきものであるけれども、一般的にいうならば、交通整理の行なわれていない横断歩道においては歩行者は強い優先権を有し、たとえ車両等がその横断歩道に近づいてきていてもこれを横断して差支えないものであり、これを車両等の運転者の側からみれば、一時停止しなければならぬ状況の発生をあらかじめ明確に予知することは困難な関係にあるわけであるから、車両等の運転者としては、一時停止を必要とする状況の発生がいやしくも予想されうる状態のもとにおいては、その状況がいつ発生するかわからないことを念頭に置いてこれに備え速度を調節すべきであり、いいかえるならば、速度調節を必要としないのは、そのような状況発生の蓋然性が認められない場合すなわち自車が横断歩道の手前に接近した際にその横断歩道の進路左側部分を横断し、又は横断しようとする歩行者のないであろうことが明らかな場合に限るというべきである。
このことは、横断歩道直前における一時停止義務の場合とを区別して考うべきであつて、右の一時停止義務は歩行者が現に「横断し、又は横断しようとしているとき」に発生すると解すべきこと道路交通法38条1項の規定上明らかであるのに対し(検察官の控訴趣意中に、横断歩行者の有無が明確でない場合にも一時停止義務があると主張する部分があるが、この点は採用しがたい。)、この速度調節義務は事前のことであり将来発生するかもしれない状況に対処するためのものであるから、その状況の発生しないであろうことが明確な場合に限つてその義務がないとされるのである。

 

東京高裁 昭和46年5月31日

この判例って、事故の態様としては対向車線の渋滞停止です。

説示した内容は対向車線の渋滞停止に限定した考えではないのですが、「この判例を引用する検察」vs「事案を異にする判例だから不適切と主張する弁護人」みたいなケースはあるみたい。
実際のところ、対向車線の渋滞停止に限定した説示ではないので「事案を異にする」と主張したところで意味があるのかは知りません。

 

結局、減速してないから止まれないケースがほとんどだと思うし、こちらで挙げた大阪高裁判決のように減速していたけど油断したみたいな事例はたぶん少ない。

県議が横断歩道を横断中の女性はねる…
議員さんが横断歩道を横断中の歩行者をはねたそうな。 24日午前11時半ごろ、千曲市上徳間の市道で、信号機のない横断歩道を渡っていた市内のパート従業員の女性(21)が、上田市・小県郡選出の県議会議員高村京子議員(69)の運転する普通乗用車には...

 

けど「視界不良」と説明したけどそうでもないし、一時停止義務違反まで発掘されるという…

 

やはり減速接近義務違反を重点的に啓蒙し調査する方がいいんじゃないかと以前から思ってますが、JAFの調査にしてもかなり限定的な条件で調査しているし、実態を反映してないと思うのです。

 

JAFの調査では交差点付近の横断歩道が除外され、しかも歩行者側の車線のみが対象。

調査場所
センターラインのある片側1車線道路で、原則として、調査場所の前後5m以内に十字路および丁字路交差点がない箇所で、道路幅員が片側2.75m~3.5m、交通量が3~8台/分(目安)とし、制限速度が時速40~60km程度の箇所

調査対象
横断歩行者側の車線を走行する自家用自動車、自家用トラック(白ナンバー)

 

信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査(2023年調査結果)
「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査(2023年調査結果)」についてご案内します。
長野県 新潟県
人口(R4年8月) 2,007,347 2,129,722
一時停止率(R5) 84.4% 23.2%
一時停止率(R4) 82.9% 25.7%
歩行者妨害事故(死亡者) 246(2) 204(2)

 

実態を反映している調査結果なのか、疑わしい。
まあ、県議が起こした事故については見通しがいい横断歩道なので…15%側の人だったというだけでもありますが。

 


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