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ツールド北海道事故、第3回の有識者会議が開催されたようですが…

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ツールド北海道事故からもう数ヶ月経ち風化している感が半端ないですが、第3回の有識者会議が本日あった模様です。

 

第2回の有識者会議の中身はこちら。

ツール・ド・北海道安全対策検討会の第2回が開催に。まだこんなレベルなのだろうか。
ちょっと前に、ツールド北海道事故について警察の捜査が一段落したんじゃないか?何かしら動きがあるのではないか?と書きましたが、 ※北海道警察の交通事故マップに掲載されたので、警察内部での捜査が一段落したのではないかと推測。 警察の捜査とは関係...
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第2回の有識者会議

ツールド北海道の有識者会議の内容ですが、第3回会議に合わせて第2回会議の議事要旨が公表されるので、まずは前回(第2回)の議事要旨から。

 

第2回有識者会議についての報道はこちらでした。

<2回目の会合での主な意見>

・コース設定が複雑
・1か月前に試走など、コース説明の徹底必要
・もっとダイレクトに伝わる標識、表示が必要
・事前の簡単なレースを組み立て、具体的に走行することで運営側も学ぶ仕組み必要
交通量少ないところは、もう少し両側規制を増やす

その上で、北海道の白バイの数は少なく、両側規制を増やすことについても、萩原座長は「実行できるかは、別次元の話」という認識を示しました。

一方、事故の原因については「さまざまなヒューマンエラーが重なった」と指摘しただけで、第三者委では「追及していない」としています。

 

「ツール・ド・北海道」死亡事故から3か月半、情報錯綜で原因解明すすまず…協会は“白紙”を強調するも再発防止のハードル高く、来年の大会は事実上“困難”の見通し
国内最大規模の自転車ロードレース「ツール・ド・北海道」の死亡事故から3か月半余り…28日午前、再発防止策などを提言する第三者委員会の2回目の会合が開かれたものの、原因解明がすすまず、来年の開催は事実上“困難”の見通しです。

第2回会議の議事要旨(今回公表分)はこちら。

(検討会概要)
1 開会
○萩原座長挨拶
本日から具体的な論点についての議論を進めたいと考えている。
論点は4つ、①コースの車線規制、②警備体制、③車列、車両の隊列、④チーム、選手に対するルールとその周知。
今日は、コースの車線規制についての意見交換をしたいと考えている。

2 検討会
事務局から資料1から3までの説明があり、説明後の発言は以下のとおり。
○テクニカルガイドに記載されているとはいえ、コースの中でどこが危なくて、どこが注意する箇所かというのは最も重要な情報である。
それを前日の監督会議で説明だけではなく、大事なことなので、テクニカルガイド内の文字も大きく記載し、説明は何度も時間をかけて周知徹底すべき。

○コース上で片側一車線から全幅使用になる箇所や全幅使用から片側一車線に変更になる箇所には、レース中の選手が明確にわかるような案内標識やモバイルエスコートによる指示・合図が必要である。

○主催者ガイド(UCI ORGANISER’S GUIDE TO ROAD EVENTS)で提案されている交通の一時的遮断(Rolling Closure)を実施するためには、もっと多くのインディケーション(標識)やマーシャル(立哨)が必要。
合わせてモバイルエスコートの数がもっと必要であるが、ロードレース経験が少ないため、教育も必要となる。

○コース内に対向車が入ってくるなど、アクシデントが発生した時に、より早く情報を隊列内はもちろん、警備員、ボランティア等にも伝達し、適切な対応ができるよう、連絡系統の整備が重要。

○技術革新の中で自転車の速度が早くなり、自転車をしっかり扱えていない部分があると感じており、そういったところから、たまたま対向車線に出てしまうことが考えられる。
中央分離帯や標識等を設置しても、これに接触して、事故を起こすことがある。

○出場チームが事前にツール・ド・北海道のコースを試走する場合もあるので、危険個所や注意箇所などのインフォメーションは早い段階に、選手に 出した方が良い。

○主催者が現実的な安全対策を取ることは重要であるが、技術革新によって高まっているリスクの知識やスキルなどの情報提供は、業界横断的な仕組みがあれば良いが、選手個人やチームに任されているのが現状である。

○レースで必要なスキルはレースでしか身に付かない。
ただ、実際のレースの中でも、トップ集団がレースを作って終了してしまうので、模擬レース的なものを開催して、選手個々が、集団の中でのポジション取りや、安全策を考えた動きなど、レース展開を体験し、学んでみるのはどうか。

○事故が起きやすい中央分離帯などには、マーシャルがイエローフラッグで注意喚起をしたり、選手がコースを間違わないよう、方向の指示をするなど、安全確保に努めるべきである。

○交通量が少ない道路は、なるべく全幅使用にして、国道など交通量が多い道路はマーシャル対応としてはどうか。

https://2023.tour-de-hokkaido.or.jp/download.asp?id=316

第2回会議の報道内容がなんか薄っぺらいというか、中身があるのかないのかわからない抽象論に思えてましたが、議事要旨を見ても同様。
確かにHBC北海道放送の報道にあるように、この程度の内容しか議事要旨にはありません。

<2回目の会合での主な意見>

・コース設定が複雑
・1か月前に試走など、コース説明の徹底必要
・もっとダイレクトに伝わる標識、表示が必要
・事前の簡単なレースを組み立て、具体的に走行することで運営側も学ぶ仕組み必要
・交通量少ないところは、もう少し両側規制を増やす

「ツール・ド・北海道」死亡事故から3か月半、情報錯綜で原因解明すすまず…協会は“白紙”を強調するも再発防止のハードル高く、来年の大会は事実上“困難”の見通し
国内最大規模の自転車ロードレース「ツール・ド・北海道」の死亡事故から3か月半余り…28日午前、再発防止策などを提言する第三者委員会の2回目の会合が開かれたものの、原因解明がすすまず、来年の開催は事実上“困難”の見通しです。

これが前回(2023年12月)に開催された有識者会議の中身です。

第3回の有識者会議

そして第3回有識者会議が2024年1月30日に開催されたようですが、例によって第3回会議の議事要旨が公表されるのは次回かと。
第3回会議で配られた配布資料をみると、警備会社・警備体制に焦点を当てた模様。

 

以下、配布資料から。

https://2023.tour-de-hokkaido.or.jp/download.asp?id=315

まずは当日の警備体制、警備員の配置など。

警備会社として14社が警備にあたり、警備員112名、交通整理員221名。
同様のコースを使用した2019年大会との比較があります。

2023年 2019年
距離 174キロ 185キロ
警備会社数 14社 11社
警備員 112名 111名

若干気になるとしたら、開催されなかった第3ステージ。
2019年大会では172名/182キロのところ、2023年大会では145名/175キロと警備員数を減らして開催しようとしていたことになる(27人減)。

 

コースが同一ではないとはいえ、「年々警備が緩くなっていた」という選手の声を数字で表しているように思えてしまうし、警告されていた件にしても本当に警告を受け止めようとしていたのかは疑問。

「落車、事故の危険リスクを伴う」

「大幅な改善が必要」

A4判の内部資料には、強い文言が並ぶ。

資料をつくったのは、日本自転車競技連盟(JCF)の専門部会「ロード部会」。昨年6月「ツール・ド・北海道協会」に対してレースで事故が起きる危険性を指摘したものだ。

 

「事故起きるリスク伴う」ツール・ド・北海道、いかせなかった指摘:朝日新聞デジタル
「落車、事故の危険リスクを伴う」 「大幅な改善が必要」 A4判の内部資料には、強い文言が並ぶ。 資料をつくったのは、日本自転車競技連盟(JCF)の専門部会「ロード部会」。昨年6月、「ツール・ド・北海…

さらに第3回会議の配布資料から。

「現場でのトラブル」について、今大会ではトラブルは「聞いてない」としつつ、

○今大会のトラブルは聞いていない
毎回、ドライバーからの辛辣な言動
指示を無視する車両

「指示を無視する車両」が以前の大会ではいたなら、それを警備会社と主催者がどのように共有し、どのように対策を講じていたのかは読み取れない。
次の項目では「困難」が目立ちますが、困難にどのように対策していたのだろうか?

 

警備会社に対するアンケート結果もありますが、あまり意味がないので割愛。
最後に警備員の意見があります。

「全面通行止め」という意見も出ている。
少なくとも現場レベルでは広報不足や警備体制の不備、警備員間の情報共有に問題があると認識している模様。

 

ところで、若干謎なのは「主催者が警備会社に指示していたマニュアル」みたいなのは出てこないのですかね?
代表幹事警備会社から各警備員に対するマニュアルもそうですが、片側の交通規制区域について、対向車がきたら「意地でも止めろ」だったのか、「注意してとうぞ」だったのか、「できればちょっと待ってて」だったのか?

 

こうした現実をみると、主催者は警備員に対しどのように行動するように指示していたのか見えてこない。

ガードマンの方がいらっしゃいまして、なんか、なんかされてるみたいなんですよね。ちょっと止まって声を掛けまして、これ行けるんですか?ったら「行けるよ」って言うからそのまま、登ってきました。そうしましたらちょうどツールド北海道23ていう自転車競技が開催されていたみたいで、上の方からものすごいスピードで自転車が降りてまいりました。交通規制はですね、片側だけの交通規制ということで、まあ、こっちのほうは、山に登って行くほうは解放されて自由に走れると。まあ下りのほうは規制されているということでした。

 

ツールド北海道2023 上富良野→吹上温泉R291号 登り車線規制なし 怖かった

①主催者が「絶対止めろ」と指示していたのに、指示が行き届いてなかった
②主催者の指示があやふやで、現場に任されていた
③その他

 

あくまでも私設警備員には道路交通法上の交通規制をする権限はないにしろ、「行かないで」と強くお願いすることは可能。
主催者が警備会社や警備員にいかなる指示をしていたのか見えてこない。

 

ここで挙げた資料は第3回会議の「議事要旨」ではなく、あくまでも会議の前提になる配布資料。
これを元に何を話し合ったのかはわかりません。

このままの流れで開催するつもり?

過去の有識者会議の内容を見ていると、要は「ヒューマンエラーだからちゃんとやろう」程度の内容でしかなく、抜本的に改良する意思はないのでしょう。
第1回有識者会議の議事要旨はこちら。

事務局から資料1の①~③の説明があり、説明後の発言は以下のとおり。

○ツール・ド・北海道は、主催者(オーガナイザー)も審判(コミッセール)もガラパゴス化(日本流)になっている。
○ツール・ド・北海道にはポリスチームがないエスコートバイクだけでは止まらない車両があるので白バイを含めたポリスチームが必要である。
エスコートバイクの教育が足りないと感じた。また、エスコートバイクの数も足りていない。ツール・ド・北海道ぐらいの規模であれば相当数が必要である。選手が通過するのは数分間で、それをきれいに通過させるのがエスコートバイクの仕事。
○主催者は選手の安全、大会の安全を厳守するのが基本。
○エスコートバイクが手で止まれと合図しても(車両は)止まらない。バイクでブロックするぐらいしないと止まらない。
○ポリスチームもエスコートバイクもいつも同じメンバーで情報共有を図らなければならないが、そういうシステムは日本にはなかった。
○エスコートバイクは(車両を)完璧に止めるというのが仕事である。それができていなかったからこういうことが起こったのだろうと推測。

 

続いて、事務局から配付資料1の④及び⑤についての説明。その後の発言は以下のとおり。
エスコートバイクが車を完全にブロックしていないから事故が発生した。エスコートバイク(「マーシャル」という)の数がもっと必要である。
○車両を確実に止めて、選手が通過する数分間は絶対止めなければならない。これはどこの国でもやっていること。
片側通行が危ない云々というのは別問題。ヨーロッパには馬車道しかないところなど沢山あるので、道路幅が狭いというのは別の話になる。
片側通行でレースをするのであれば、センターラインの外側は崖だというぐらいの感覚で、主催者が選手に説明をしなければならない。
○安全をキープするというのが主催者の責任であり、UCI の規則 1.2.062 を守らなければならない。
選手へのルール徹底がどこまでできていたのかというと、たぶんできていない。勝負に出ている選手にとっては、行くぞという気持ちになったら対向車線にはみ出てしまう。そこの問題をどうするのかという対策を取らなければ、車を止めたとしても、違う形でまた事故が起きる可能性が高まる。
○リスクコミュニケーションの手法の中で、ルールに関する情報伝達について、参加者側に情報発信するだけではなく、伝わっていることを主催者側も承知したという、何重の情報のやり取りを設計し、この考え方を手法に落とし込んでいけば状況が変わるのではないか。
○警備員やエスコートバイクなどそれぞれの役割や、選手の責任など、それらの全てがかみ合わなければならない。数量的に足りていたのか、能力的なものはどうだったのか、車両の停止方法などシステムの問題はなかったのか、何回も開催しているうちに心が緩んではいなかったか、予算的な問題はなかったのか、なども含めて検討していかなければならない。
レース中の選手は気持ちが高ぶっているので、ルールを冷静に判断することはハードルが高い。大会のシステム上で選手を守る形をある程度つくっていかなければならないと感じた。
○2007~2009 年ころのレースでは中央線をはみ出すことに厳しかった時代があった。タイムカットや罰金が発生した。
○選手にとって何がリスクなのか、そのリスクをどう自分たちで意識しながら走るのか、タイムカットや罰金がいい形であるかは別として、そういった実害のような形にならないと、選手たちは(ルールを)意識できない。

○萩原座長(まとめ)
今日は、レースについての具体的な話や「リスクコミュニケーション」というキーワード、また、予算の制限やシステムの問題などに縛りがあるのではないかという発言が出た。
そういう視点から、具体的に調べ、どういう対策があるのか。また、過去にもっといろいろやっていたのではないか、他の大会ではどうなのかなどを拾い、答えのレポートを作りつつ、そのレベルを高めていきたい。最後はどういう対策になっていくのかということを提言、まとめる方向で進めていきたい。

https://2023.tour-de-hokkaido.or.jp/download.asp?id=311

第3回会議についてメディアの報道があるのかはわかりませんが、有識者会議とやらは有意義な結論を出せるのか疑問が残ります。


コメント

  1. 山中和彦 より:

    第2回の報告書でいちばん引っ掛かったのは、(いや、全て引っ掛かるんですけど)
    【引用:技術革新の中で自転車の速度が早くなり、自転車をしっかり扱えていない部分があると感じており、そういったところから、たまたま対向車線に出てしまうことが考えられる。
    中央分離帯や標識等を設置しても、これに接触して、事故を起こすことがある。】
    のところです。
    エリート選手や大学の体育会の上位選手も多い大会のはずなので、「自転車をしっかり扱えていない」とは、選手に対して失礼なのではないか。

    また、全体的に言えることですが、警備でなく、運営側のスタッフの配置が少なすぎたのでは?と思います。
    トライアスロンの大会でも、車線はみ出し禁止で運営することもあります。その際には、だいたいコーンを置いて、かつハミ禁の最初と最後には、マーシャルが立って誘導します。(それでも、3年くらい前の愛知県セントレアの大会みたいに、はみ出して対向車とぶつかる奴もいるわけです)
    あとトライアスロンの大会だと、前日に参加必須の説明会を実施して、そこで。コースの危険箇所を全て説明するのですが、(エリートだけの大会はちょっと分かりませんが、一般人が参加する大会では、エリートも全員参加です)ツールド北海道では、監督に伝達しただけのようですね。文化の違いなのかも知れませんが。
    もう少し突っ込んで欲しいですが、有識者と言いながら、分野が違う有識者なのかも知れません。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      プロレースでも以前より落車事故が増えていると言われますし、おそらくそのあたりを念頭に入れた発言かと思います。
      スタッフが少ない点もそうですが、少ないスタッフが機能してないのも事実。
      今回は何を話し合ったのか知りたいですね。

  2. かみくぼ より:

    いつも楽しく拝読させていただいてます。
    以前町内会からむりやり出さされた市民フェスティバルのクリテリウムレースですが、
    レース前のミーティングで、「センターラインからはみ出さすな!」言われました。

    実際、ペーターサガン選手みたいなスタントが出来ないと、とても通れない
    位狭い間隔でカラーコーンがビッシリ並んでました。(よく集めたもんだ)

    選手に対する注意や説明は大事ですが、物理的にもはみ出せない(はみ出さないじゃなく)
    、また歩行者や他の車両と混走しないといった対策は絶対に取りべきと思います。
    少なくとも、「反対車線で自転車レースが行われております。選手の通過にご協力
    お願いいたします。」箱根駅伝みたいな広報があっても。

    ツールド北海道なんて歴史とかくがあるイベントなんですから、もっと大規模な
    規制と区画を考えて、選手と観客が安全で盛り上がれるよう運営して欲しいと
    思います。

    まだまだ日本は、自転車の歴史が浅いと感じます。
    失礼いたしました。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      おっしゃる通り、混走しないレイアウトや広報の周知が必要です。
      そもそもどのように広報していたのかもあまり明らかにされてませんが、警備員の意見に出ているように全面通行止めは必要かと。

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