昨年、こんな件がありましたよね。
日曜日 都民の森へ向かう途中
バスの幅寄せ
後程、五日市警察署に尋ねてみたら結構あるらしい。
ご注意下さい!#西東京バス pic.twitter.com/OGNYcvbwjb— チャン (@MWmike6) September 26, 2023
白基地(オフィシャル)の方などが謎の道路交通法を主張してましたが、誰もバスに悪意があるとは思わないでしょう。
この件はいろいろ不幸が重なってまして、イエローラインであるかどうかも本質的には関係ありません。
なぜなら、白線の場合でも追い越しのために右側にはみ出るときには条件がついており、17条5項4号では
「当該道路の右側部分を見とおすことができない場面」で右側にはみ出て追い越ししたら、対向車が来てしまった。
なので白線であっても右側はみ出し追い越しができない場面なので、イエローラインか白線かも関係ありません。
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デザインとして解決する方法
要はこれ、こういう話。
・登坂では人力の自転車はスピードが出ない
・自転車が待避するスペースもない
後続車が登坂中の低速自転車に追従するというのも期待しにくいので、ムリに追い越しする車両が出てくるのは必然。
神奈川県の宮ケ瀬ダムの愛川側ですが、
このように登坂車線があります。
登坂車線がある区間はそれほど長いわけではありませんが、宮ケ瀬ダムの反対側(清川村側)は確か登坂車線がないはず。
登坂車線がある部分も見通しがいいわけではありませんが、安全に追い越し、追い抜きが可能。
奥多摩の道路にしても、例えばですが数キロに一回、数百メートル程度でいいので登坂側に「普通自転車専用通行帯」があれば、低速の自転車は自転車レーンを走り、クルマは第2通行帯から安全に追い抜きしていくだけになり干渉する要素がなくなります。
時々「自転車レーン」を設けるだけで、自転車レーンがある部分については安全に追い抜き可能になり、自転車レーンがない部分については次の自転車レーンエリアまで追従するという棲み分けにもなるわけ。
延々と何キロも自転車レーンを作ることはムリがあるので、時々自転車レーンがあれば済む。
実際のところ、宮ケ瀬ダムへの登りについても、
登坂車線があるだけで、まるで安心感が違う。
しかも構造的にほとんどのクルマは第2車線のまま進行する。
自転車は第1車線を低速で登り、クルマは第2車線を安全に追い抜きしていくだけなので、自転車からしてもまあまあ走りやすい。
そして下り側については、自転車もそこそこスピードが出ているのでムリな追い越しをする必要もない。
話を戻すと、下記道路に時々自転車レーンがあればムリな追い越しをする必要もなくなりますが、
日曜日 都民の森へ向かう途中
バスの幅寄せ
後程、五日市警察署に尋ねてみたら結構あるらしい。
ご注意下さい!#西東京バス pic.twitter.com/OGNYcvbwjb— チャン (@MWmike6) September 26, 2023
本来イエローラインで長々と規制するのは間違っていて、一定距離ごとに「追い越し可能ゾーン」を設けるように推奨されています。
「追い越し可能ゾーン」として自転車レーンを時々設ければこのようなトラブルにはなりにくい。
悪意なきトラブル
自転車が後続車の邪魔をしたいわけでもなければ、バスが嫌がらせ目的で幅寄せしたわけでもないので、この手のトラブルはちょっとの判断ミスで起きてしまいます。
一定距離ごとに数百メートル程度の自転車レーンを設けるだけでもこのようなトラブルは起きにくくなるわけですが、道路を設計する段階では全く考えていなかったから…
なお、「はみ出し追い越し禁止」と「追い越し禁止」を分けている理由は、両者が規制したい内容と懸念している事故の種類が違うからです。
はみ出し追い越し禁止が懸念している事故は、あくまでも対向車と衝突リスク。
昭和46年に「右側部分はみ出し追い越し禁止」を追加した理由は、当時の資料を見ればわかるかと。
少なくともこの件については、イエローラインか白線かは本質的に無関係ですが(どちらの場合でも右側にはみ出て追い越しできない場面)、追い越し可能ゾーンと追い越し禁止ゾーンのメリハリがないから、後続車のムリな追い越しが発生する。
メリハリをつければ解決すると思いますが、事故が起きない限りは行政も動かないのがお約束です。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
自転車通行帯じゃなくても、退避所があるとか、歩道じゃなくて路側帯であれば、逃げ込めるんですよね。まあ、このケースは最悪停止すればいいんですが、以前芦ノ湖あたりで、左が側溝の所で寄せられた時はかなり怖かったですね。停止しようにも足を着くスペースが殆ど無かったですし、前方も寄せられてスペース無く、ほぼ停止状態でやり過ごす事にリました。
コメントありがとうございます。
なんにせよ追い越し可能な余地があれば済むのですが、何もないままイエローラインで規制したところで問題が起きるのは当然なんですよね。。。