当サイトに多く寄せられる質問で【初心者がロードバイクを通販で買うのはアリですか?】とか【初心者はショップで買ったほうがいいですよね?】という質問があります。
これについてですが、正直なところショップで買ったほうがアフターケアという面では有利です。
ですが、初心者だからという理由で通販を完全否定するのも違う気がしています。
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知人の例
私の知人で、一台目から通販で購入、なおかつ完成車を買ったことがないというツワモノがいます。
この人ですが、一台目からフレームやコンポなどを通販で買い、自力で組み立てて乗っています。
しかも驚くべきことに、完組ホイールを買ったことがないそうです。
一台目から自力で手組ホイールを組み立てています。
私が聞いている範囲では自作の手組ホイールを結構な数持っているようですが、どうやらこれを見て組み立てたそうです。
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この人は元々オートバイに乗っていて、いろいろと弄るのが好きだったそうです。
なので乗る楽しみだけでなく、作る喜びも味わいたいタイプなんでしょう。
ただ、何か困ったときに頼れるショップがないということは言っていました。
また試行錯誤して作った手組ホイールでも、まともにまっすぐ走らないような出来になってしまったこともあるそうです。
ただ、完全にショップに頼っていないかというとそうでもないようで、例えばリムをショップで買うときに【このリムとこういうハブで組もうと思っている】みたいな相談をし、アドバイスをもらうこともあるようです。
要は自力でやり遂げる自信があるならいいかと
上で紹介した人のケースはかなりのレアケースなのは重々承知していますが、要は自力でメンテナンスなどをやり遂げる自信があるなら、別に通販で買っても問題はありません。
もしくは、他店購入の持ち込み車種でも面倒を見てくれるショップがあるなら、別に通販でも構わないと思っています。
私自身は、ショップでしか完成車は買ったことがありません。
というのも、技術に定評があり、なおかつ安く買えるショップを知っているので、わざわざ通販で買う必要性もないというのが大きな理由です。
ちなみにLOOK765を買ったときは23%オフでしたし、その前のビアンキを買ったときは10%オフでした。
どちらも型落ちとかではありません。
私が一台目のビアンキを買った時ですが、元々は欲しい車種がメーカー在庫なしになってしまい、ある通販サイトで一台あるだけになっていました。
この時は通販で買っちゃうか悩んだのですが、クロスバイク時代からお世話になっているショップで買いたいという希望もあったので、半年待ってニューモデルが登場したときに買いました。
ニューモデルが出たての時期にもかかわらず、10%オフで買えたのでお買い得だったのは確かです。
自転車屋の中には、他店購入車は受付していないショップもありますし、他店購入車の持ち込みの場合は工賃が2倍という店もあります。
あ〇xだと他店購入車でも工賃の割り増しなしで作業してくれるようですが、正直なところあ〇xはスポーツサイクルに慣れていない店員もいるので、個人的にはオススメしていません。
私がいつもお世話になっているショップは、アメリカンブランドのスペシャライズド、トレック、キャノンデールを取り扱っていませんが、トレックのメンテナンスをしている場面を見たこともありますし、他店購入車だからダメというわけではないようです。
ロードバイクを買った後に必ずする調整
ここでは【空気を入れる】とか【オイルを挿す】という当たり前のメンテナンスのことは省略して、必ずやらなければならないメンテナンスを挙げます。
初期伸び調整
新品のロードバイクを買った場合に、当然ですが変速やブレーキのワイヤー類も新品です。
ワイヤーは金属製なのですが、新品のワイヤーは使うと伸びます。
そのため、伸びたことで変速やブレーキがズレるわけです。
よくショップで買った後に、【一ヶ月くらい乗ったらワイヤーが伸びてくるので、初期伸びを取るために調整に来てください】と言われます。
ショップに飾ってある状態ではさほど伸びませんが、変速やブレーキングなどをしてワイヤーを動かしていくとワイヤーが伸びるわけです。
ある程度まで伸びたら、そこから先はそれほど伸びません。
なので目安として1か月後に初期伸びを取るわけです。
これ自体はさほど難しい作業ではありませんが、通販で買った人の中にはこの初期伸びの存在を知らず、【変速が壊れた!!不良品だ!!】と騒ぎ出す人もいたりします。
こういう事態に対処できる能力があるなら、別に通販で買っても問題はありません。
もしくはどこかの自転車屋に初期伸びの調整をしてほしいとお願いすればいいだけです。
工賃も1000円~高くても2000円とかでしょう。
ヘッドの緩み
ロードバイクは様々なパーツがボルト止めされていますが、振動により緩んできます。
ボトルケージのネジの緩みとかならさほど大きな問題ではないのですが、ヘッドパーツが緩んでくるとベアリングを痛めることもあります。
なのでヘッドは定期的に緩んでいないかをチェックしないといけないのですが、これを知らずにグラグラの状態で乗っている人もいるので要注意です。
ヘッドの緩みの確認法ですが、こんな感じです。
1、バイクの横に立ち、フロントブレーキをかける
2、ブレーキレバーを強く握ったまま、バイクを前後に揺する
3、バイクを揺すったときに、ハンドルがグラグラする感覚があればヘッドが緩んでいます。
これも感覚的な話になるので、どれが緩みでどれが正しい状態かを言葉にするのは難しいですが、緩んでいるとグラグラします。
グラグラした場合、ヘッドを増し締めする必要があります。
ちなみにですが、ヘッドの緩みはベアリングの破損だけでなく、カーボンコラムを痛めつける可能性もあるので、きちんとやりましょう。
ヘッドの増し締めというとここを締めればいいと思う人がいるともいますが、
いきなりここを締めても何も起こりません!
ここのボルトは、フォークを引き上げて固定する役割なのは間違いない事実ですが、その下にあるステムがガッチリと固定されているので、いきなり上にあるアンカーボルトを締めてもガタは取れません。
なのでまず、ステムを緩めます。
ステムを緩めた後に、こっちのアンカーボルトを増し締めします。
ここは強く締めればいいという問題ではないです。
強く締めるとハンドルが切りにくくなってしまいますし、カーボンコラムだとコラムが割れる可能性もあります。
要はガタが取れる程度で、ハンドルがしっかり動く状態を作ればいいわけで。
アンカーボルトを締めたら、ステムを締めます。
ちなみにですが、ステムのところには左右にボルトがあると思いますが、左をちょっと締めて、右をちょっと締めて、左をちょっと締めて・・・という感じで左右交互に締めていくのが正しい方法です。
左側だけ全力で締めて、次に右を締めておしまい、というのは間違いです。
終わったら、再度ガタがないかのチェック、ハンドリングが重すぎないかのチェックをして終わりです。
コラムカット
これは特にカーボンコラムの車種ですが、ある程度乗ってポジションが固まったら、余計なコラムを適正な長さにカットする必要があります。
ある程度乗って、ハンドルの高さはこれでいいやと決めたとします。
完成車状態よりもハンドルを下げた結果、フォークのコラムがステム上に飛び出ていますよね。
これについてですが、見た目の問題だけでなく、フォークコラムの脆弱性の問題から適正長に切る必要があります。
切った後はこちら。
コラムカットですが、多くのメーカーはステム上に5mmスペーサーが一枚乗った状態になるようにカットしろと通達を出しています。
LOOKもステム上に5mm残すようにと言われているそうです。
こうしないとガタガ取り切れないとかいろいろと問題が出ます。
通販で買って自力でコラムカットしようとしたときに、こういうことを知らずにカットしてしまう人もいるわけです。
一度切ったものは元には戻せません。
また、ビアンキのフルカーボンフォークは、ステム下にスペーサーなしのベタ下げを禁止していたりします。
こういうことを知らずに切ってしまうと、もう元には戻せません。
コラムカットはショップに依頼したほうがいいと思うので、あまり自力でやるのはオススメしていません。
また、切らずにこのような状態で乗るのもNGです。
確かTIMEなんかは、最初の数百キロは許すが、それ以降は適正長にコラムカットして乗るようにと書いてあった気がします。
コラムがピョコっと上に飛び出ていると、実はコラムが破損するリスクが上がります。
やり遂げる自信があるなら通販もアリ
ただ単に【安いから】という理由で通販で購入した人の中には、こういったやるべきメンテナンスを知らず、バイクの寿命を短くするような乗り方をしてしまっている人もいます。
ショップでの購入なら、なんかのきっかけで教えてくれることもありますが、通販購入車の場合は指摘してくれる人もいません。
自力でやり遂げる自信があるなら通販購入もいいでしょうし、頼れるショップがあるなら通販購入もいいでしょう。
不安なら、リアル店舗で購入しておいたほうが無難ではあります。
例えばですが、私も初心者の頃は、ヘッドのガタについては全くの無知でした。
最初のビアンキを購入して数ヶ月後に、バーテープを変えたいなと思ってショップに行った時だったと思いますが、バイクを預けた瞬間に【これ、ヘッド緩んでいるね】と指摘されたわけです。
プロショップの店員さんは、お客さんからバイクを預かったときに、ついでにフロントブレーキをかけてガタがないかを見ているようでした。
こっちとしては【いつチェックしたんだ!!】とビックリしたわけですが、プロショップの店員さんからしたらお客さんからバイクを預かる一連の動きの中で素早くチェックしているようでした。
ショップ購入の場合、こういうことを教えてもらえやすいという利点があります。
ただ、最近はサイメンの人のDVDとかもありますし、自力でやろうと思えばできなくはないかと。
個人的に思うことですが、いろんなサイトとか動画では、【メンテナンスのやり方】は書いています。
どれが正常で、どれが異常かという【感覚】だけは書きようがないのです。
どの感覚がガタなのかを言葉で説明してもわかりませんが、実際に【これがガタがある状態で、これがガタがない状態ね】と触りながら教えてもらうと理解できます。
そういう【異常の感覚】がわからないと、メンテナンスしようがありません。
こういうのを勉強しながら自力でやれる人には、通販の安さは魅力ですよね。
私も過去に、どうでもいいメンテナンスの失敗はかなりしています。
例えばですが、前に謎の異音に悩まされていた時のこと。
シートポストが原因ではないかと思って引き抜いてみたところ、砂だらけだったので綺麗にしました。
でも異音は収まらず、ショップに経緯を説明して【シートポストかと思って見てみたら、砂だらけだったので綺麗にしてみた】という話をしたところ、
それ、砂じゃなくてカーボンシートポストの滑り止めグリスなんですよ(笑)
取っちゃダメですよ。
もう一回塗っておきますね。
など。
ここはさほど重要なことではなく、もしかしたらシートポストがズリ下がってくる可能性もあるかなくらいの話です。
あと、クロスバイク時代ですが、ポジションを変えたくてステムを購入して変えました。
そうしたらスペーサーが足りなくなり、よくわかんないけどそのまま自転車屋まで乗っていき【ステム変えたらスペーサーが合わなくなった】と伝えたところ、
えっ?この状態じゃ乗っちゃダメですよ(笑)
ヘッドパーツ壊れますよ。
など。
初心者の頃は、何かと失敗したり間違ったメンテナンスをしてしまうこともあります。
あと、クロスバイク時代ですが無駄にスプロケに注油しまくっていたこともありました(笑)
この時はショップの方から【この前もオイル買ってませんでした?そんなに使ってるんですか?】と聞かれたことから間違いが発覚しました。
こういう間違ったメンテナンスをしたときに、指摘してくれるのがショップだったりします。
こういう面ではショップ購入のほうが有利ですね。
なので初心者で通販購入しても大丈夫な人というのは、
・自力でメンテナンスできる自信がある人
・機械類を弄るのが好きな人
・マメな性格の人
マメな性格というのは、要はメンテナンス方法をよく調べるからという意味です。
通販で買った場合、間違いを指摘してくれる人はいなくなります。
それを自力で何とかできる人なら、別に通販で買っても問題ないでしょう。
もちろんですが、サイズ選びもできるという前提ですが。
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2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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