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自転車レーンを増やしたけど自転車事故が増えた?

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なんか不思議な記事が配信されてました。

自転車専用レーン増えたが事故割合も増えた…46キロ整備完了の鹿児島市「歩道は歩行者優先。自転車は原則車道通行を」

 

鹿児島市は、自家用車から環境に優しい自転車利用への転換につなげようと、道路整備を進めている。専用通行帯を設けたり、歩道に通行位置を明示したりするなど2023年度末までに約46キロを完了。7月策定予定の整備計画では、33年度までに64キロまで拡張する方針だ。一方、自転車が絡む交通事故の割合は増加傾向で、市は「ルールを順守してほしい」と呼びかけている。

自転車専用レーン増えたが事故割合も増えた…46キロ整備完了の鹿児島市「歩道は歩行者優先。自転車は原則車道通行を」 | 鹿児島のニュース | 南日本新聞
鹿児島市は、自家用車から環境に優しい自転車利用への転換につなげようと、道路整備を進めている。専用通行帯を設けたり、歩道に通行位置を明示したりするなど2023年度末までに約46キロを完了。7月策定予定の整備計画では、33年度までに64キロまで...

これさ、記事タイトルを読むと「自転車専用レーン増えたが事故割合も増えた」なので自転車専用レーンが増えたんだと思うじゃないですか?
しかも「46キロ整備完了」とは自転車専用レーン(自転車専用通行帯)のことを指しているかのような

 

けど記事本文を読むと「専用通行帯を設けたり、歩道に通行位置を明示したりするなど2023年度末までに約46キロを完了」なので、専用通行帯や歩道の通行位置明示「」を含めて46キロなのよ。

 

具体的に確認してみましょう。

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鹿児島市の「約46キロ」とは?

平成25年度に策定した「鹿児島市自転車走行ネットワーク整備計画」に基づき、令和5年度末までに約 43.4km(進捗率89%)整備されたとするマップがこちら。

https://www.city.kagoshima.lg.jp/kensetu/douro/dourokensetu/machizukuri/kotsu/doro/jitensha/documents/201351116412.pdf

 

さて色分けされてますがそれぞれが示す内容はこれ。

「緑」については、歩道の中にある「普通自転車通行指定部分」を意味する模様。

問題はオレンジ。
自歩道における「車道寄りの啓発」とはなんなのかというと、どうも歩道の「車道寄り」に自転車マークを描くことを意味するらしい。
(他にも「啓発」の方法はあるかもしれないけど)

 

自転車専用通行帯
車道混在(いわゆる自転車ナビナイン、矢羽根)
自歩道における「普通自転車通行指定部分」
オレンジ 自歩道における車道寄りに自転車マーク
ピンク 自転車歩行者専用道路

さて、話を戻して記事に。

自転車専用レーン増えたが事故割合も増えた…46キロ整備完了の鹿児島市「歩道は歩行者優先。自転車は原則車道通行を」

 

鹿児島市は、自家用車から環境に優しい自転車利用への転換につなげようと、道路整備を進めている。専用通行帯を設けたり、歩道に通行位置を明示したりするなど2023年度末までに約46キロを完了。7月策定予定の整備計画では、33年度までに64キロまで拡張する方針だ。一方、自転車が絡む交通事故の割合は増加傾向で、市は「ルールを順守してほしい」と呼びかけている。

自転車専用レーン増えたが事故割合も増えた…46キロ整備完了の鹿児島市「歩道は歩行者優先。自転車は原則車道通行を」 | 鹿児島のニュース | 南日本新聞
鹿児島市は、自家用車から環境に優しい自転車利用への転換につなげようと、道路整備を進めている。専用通行帯を設けたり、歩道に通行位置を明示したりするなど2023年度末までに約46キロを完了。7月策定予定の整備計画では、33年度までに64キロまで...

自転車専用通行帯が46キロできたかのようなタイトルですが、現実はこれ(令和5年度末までに完成した約43.4キロ)。

管理人
管理人
自転車専用通行帯を示す青レンジャーがほとんどいないジャマイカ!?

ぱっと見では、緑レンジャー、黄レンジャー、オレンジレンジャーが目立つ。
緑レンジャーはこれですよ。

緑レンジャーさんは「歩道の中の普通自転車通行指定部分」。
あくまでも歩道な上に、歩行者は「避けて通るべき努力義務」しかなく、優先権は歩行者になる。

○木俣佳丈君 先ほどの少し歩道のスペースの問題に戻りますけれども、歩行者の通行スペース確保というのが必要だと考えます。
新たに十条三項に、歩道を通行する歩行者は、普通自転車通行指定部分があるときは、当該部分をできるだけ避けて通行するように努めなければならないとされております。
歩行者とのやはり衝突防止のために歩行者が不便を強いられるようなおそれがないか、この通行スペース確保に向けた取組について伺いたいと思います。

○政府参考人(矢代隆義君) お答え申し上げます。
この部分は、先ほど申し上げましたように、現在、広い歩道でその真ん中に白線を引っ張ってある場合に、自転車はその車道寄りの部分を通行しなきゃならないと、こういうルールでございます。
現在のそういう状況を前提といたしまして、ところがそこはあくまで全体が歩道でございますので、法律上は歩行者はどこを通ってもいいわけです。そうしますと、せっかく広い歩道がありますので、白線を引いておきましたのにそっちの自転車の通行部分まで歩行者が必要もないのに通っておりますと、これはお互い非常に迷惑なことでございます。
従前は、そういう歩道上であるということでそういうルールはなかったわけでございますけれども、今後のことを考えますと、これはあくまで当然のこととして十分広い幅員ということが前提でございますけれども、そこに白線を引っ張っている場合には歩行者はその歩道の外側の方を通れるんであればそちらの方を通ってくださいと、努める義務ですが、そうすることによって歩道上の錯綜というのはこれは整理できますので、そういう趣旨でございまして、そこから歩行者を締め出すとかあるいは歩行者の空間を狭めていこうとか、そういうような発想に立つものではございません。

○木俣佳丈君 それはよく分かるんですけれど、何というんでしょうか、十分な歩行者の安全を確保するようなスペースをちゃんと取るんだと、そういうことでよろしいでしょうか。

○政府参考人(矢代隆義君) 御指摘のとおりでございます。
まず、白線を引くのはそういう状況でございますし、それからその場合でもやはりそこは歩道上でございますので、自転車は歩行者がもし仮にそこにおれば歩行者優先の交通行動を取らざるを得ないという、これはその原則は変わらないわけでございます。

 

第166回国会 参議院 内閣委員会 第7号 平成19年4月10日

次に黄レンジャー。
黄レンジャーさんは車道混在、つまり自転車ナビラインを意味する。
車道ナビラインの例↓

最後にオレンジレンジャー。
オレンジレンジャーさんは、歩道に自転車マークを描いて「車道寄りだぜ!」と啓発するものらしい。

えっ!?
なんか意味あるのこれ?

 

わずかな青レンジャー(自転車専用通行帯)、ナビラインや歩道のマーキングなどを含めて「約46キロ」整備したのに、記事タイトルを読むと「自転車専用通行帯を46キロ整備した」かのような誤解を生むのでは?

 

自転車専用通行帯の場合、きちんと車線として分離された車道の部分になる。

偽自転車レーンを増やしただけなのでは?

https://www.city.kagoshima.lg.jp/kensetu/douro/dourokensetu/machizukuri/kotsu/doro/jitensha/documents/zentaiban.pdf

 

鹿児島県では自転車事故について9割に自転車の違反があったそうな。
なお事故の相手方がなんなのかはよくわからず。

 

安全運転義務違反が並ぶ理由は以前も書いてます。

なぜ?自転車の「対歩行者事故」の大半が安全運転義務違反になる理由。
ちょっと前に読者様から質問を頂いていたのですが、詳しい内情はわからないので「たぶん」として回答します。 安全運転義務違反を適用する理由 まず、 これはその通り。 安全運転義務違反は、あくまでも他の具体的規定ではまかないきれない部分を補完する...

確実にいえるのは「自転車走行空間46キロ整備」といっても、自転車専用通行帯が占める割合はわずかですよね。
そして「自転車ナビライン」、「普通自転車通行指定部分」、「歩道内の自転車マーク」をメインに約46キロ整備したのが現実。
そして具体的にどのような事故が増えたのかわからないと検証しようがなく、歩道上で「対歩行者事故」が増えたのか、車道上で対車両事故が増えたのかもわからない。

 

憶測になってしまいますが、「約46キロ整備」と自転車事故件数増加はそもそも因果関係が薄いんじゃないかと思ってしまうのですが、この報道はいったい何をしたいのか不思議です。

 

歩道の中に自転車マークを描いて「車道寄りだぜ!」とアピールしたら事故が減るわけもないし、歩道の中にある普通自転車通行指定部分についても、さほど効果的とは言い難い。

 

これも普通自転車通行指定部分の一例です。

自転車専用エリアではなく、あくまでも歩行者優先。
せめて植栽帯などで構造分離しているならマシですが、下記は「普通自転車通行指定部分」に過ぎないため、やはり優先権は歩行者になる。

「意味が薄いものを大量発生させたけど事故数減少には繋がりませんでした」が正解なんじゃないかと疑いますが、歩道の中に自転車マークを描いたら魔法のように事故が減るわけじゃないのよ。
歩道の車道寄りに自転車マークを描いたら、魔法のように車道寄りを走り出す…なんてメルヘンチックな世界はあり得ない。

 

「自転車専用通行帯を作ったけど事故が増えた」というなら路駐車の話なのか?となりますが、そもそも自転車専用通行帯をガンガン作った話ではない様子。
なんかおかしな報道だなぁと思ってしまうけど、「約46キロ整備」と「自転車事故件数増加」は因果関係があるのかすらわからない。

 

むしろ自転車通行空間の作り方を失敗したから事故が減らなかっただけな気がします。

コメント

  1. カモがネギしょってる より:

    名古屋だと路上駐車推奨エリアを担っています(笑)

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      駐停車エリア化するのはお決まりパターンですよね。

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