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交差点にある自転車横断帯と、優先道路/広狭道路の関係性。

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以前書いた優先道路を横切る自転車横断帯の話。

優先道路と自転車横断帯の話。
まあまあどうでもいい話ですが、みんな大好き過失割合の話。 優先道路と自転車横断帯 以前このような事故の場合、あくまでも優先道路対非優先道路の過失割合(50:50)をベースにし、自転車が横断歩道を通行した分として「-5%」すると書きました。 ...

これ、民事過失割合はこのようになります。

クルマ 緑自転車
基本過失割合 50 50
自転車横断帯通行 +10 -10
60 40

自転車横断帯がなく横断歩道のみがあり、自転車が横断歩道を通行した場合は過失修正が-5%。
横断歩道通行が-5%、自転車横断帯通行が-10%になりますが、ご意見を頂きました。

読者様
読者様
これはおかしい。
自転車横断帯がある場合には自転車がノールックで横断してもよく、東京高裁(横断歩道の横断歩行者の判例)では「いつ横断を開始してもよい」としているのだから、自転車が自転車横断帯を使う際も同じ。

たぶん、勘違いされているのかと。

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歩行者がノールックで横断してもいい根拠

その東京高裁判決って昭和46年5月31日の話だと思いますが、これですよね。

交通整理の行なわれていない横断歩道においては、横断歩行者はきわめて強い優先権を有し、いつ横断を開始してもよいと同時に、その横断のしかたに関しても、必ずしも通常の速度でのみ歩行しなければならないものではなく、走る方法で横断することも―それが現在の交通の実態からみて当該歩行者にとり危険なときもあることは別として―別に禁ぜられているところではなく、現にそのような横断も往々にして行なわれているのであるし、ことに小児の場合、走つて横断することの多いことは、好むと好まざるとにかかわらずわれわれの経験上明らかなところである。

東京高裁 昭和46年5月31日

黄色にした部分の根拠って38条1項ではないです。
歩行者がノールックで横断してもいい根拠は13条1項。

(横断の禁止の場所)
第十三条 歩行者等は、車両等の直前又は直後で道路を横断してはならない。ただし、横断歩道によつて道路を横断するとき、又は信号機の表示する信号若しくは警察官等の手信号等に従つて道路を横断するときは、この限りでない。

13条1項により、歩行者は「横断歩道においては」直前直後横断が禁止されていないからそのような解釈になる。
自転車が自転車横断帯を通行する際には、歩行者における13条1項に該当する規定がないので、ノールックで横断してもいいとはなっていない。

 

あくまでも非優先道路から優先道路に進入するにあたり、自転車には36条2項(優先道路の進行妨害禁止)、3項(徐行)の義務があり、

優先道路通行車には38条1項により、自転車横断帯を通行しようとする自転車がいるときは一時停止かつ妨害禁止。
それぞれの立場で義務が課されていて、最終的には38条1項のほうが強く働くことになるので自転車が優先になりますが、優先に至るまでに自転車側にも注意義務があるのは明白なので民事過失割合もそのようになっていると考えられますが。

他の事例でいうと

例えば、一時停止規制がある交差点では、非一時停止側に優先権がありますが、非一時停止側の注意義務は免除していない。

 

判例は最高裁判所  昭和48年12月25日。青車両は見通しが悪い交差点にて一時停止規制に従って一時停止し、左右を確認して徐行進行したところ

交差道路から時速50キロで進行してきた赤車両と衝突。

青車両が業務上過失致傷罪に問われた事件です。

 ところで、右交差点は、交通整理の行なわれていない、左右の見とおしの悪い交差点であり、東西道路と南北道路の幅員はほほ等しく、かつ、南北道路は優先道路ではないから、A車のように南北道路を北進して交差点に進入しようとする車両は、東西道路に一時停止の標識があつたとしても、本件当時施行の道路交通法42条に従い、交差点において徐行しなければならないのである(最高裁昭和43年7月16日第三小法廷判決・刑集22巻7号813頁参照。)。
しかるに、原判決の確定した事実によれば、Aは、制限速度を超えた時速約50キロメートルで進行し、交差点手前約20. 5メートルに至り、初めて被告人車を発見し、急制動の措置をとつたが間にあわず、交差点内で被告人車に衝突したというものであつて、本件事故は、主としてAの法規違反による重大な過失によつて生じたものというべきであり、このことは、原判決も認めているところである。
しかし、進んで、原判決が説示しているように、被告人にも過失があつたかどうかを検討してみると、本件のように交通整理の行なわれていない、見とおしの悪い交差点で、交差する双方の道路の幅員がほぼ等しいような場合において、一時停止の標識に従つて停止線上で一時停止した車両が発進進行しようとする際には、自動車運転者としては、特別な事情がないかぎり、これと交差する道路から交差点に進入しようとする他の車両が交通法規を守り、交差点で徐行することを信頼して運転すれば足りるのであつて、本件A車のように、あえて交通法規に違反し、高速度で交差点に進入しようとする車両のありうることまでも予想してこれと交差する道路の交通の安全を確認し、もつて事故の発生を未然に防止すべき業務上の注意義務はないものと解するのが相当である。

最高裁判所第三小法廷  昭和48年12月25日

赤車両は見通しが悪い交差点なので徐行義務がありますが、あくまでも法規に従って徐行した場合に優先権を与えられると解釈してます。
優先側の注意義務を免除していない。

 

自転車横断帯を通行しようとする自転車も同様で、交差点に進入する際に課された注意義務まで免除してない。
歩行者がノールックで横断していい根拠はあくまでも13条1項なので、自転車が東京高裁判決と同様にノールックで横断していいとは解釈できないので、民事過失割合もそれに準じているのだと思いますよ。

 

まあ、優先道路を横切る自転車横断帯があるのかは別として、優先道路を進行して自転車横断帯に接近する車両には減速接近義務があり、非優先道路から自転車横断帯に進入する自転車にも注意義務があるので。

 

東京高裁判決の根拠を勘違いされているのではないでしょうか?

道路交通法13条1項は歩行者に対し、車両等の直前又は直後で横断するという極めて危険発生の虞が多い横断すら、横断歩道による限りは容認しているのに対し

東京高裁 昭和42年2月10日


コメント

  1. 元MTB乗り より:

    優先側も注意義務は当然守るべきなんですが、少しでも速度を緩めると、譲ってくれたと勘違いして(もしくは速度を見誤って出れると勘違いして)進入してくる車がそれなりにいるんですよね。結果的に、ぶつかりたくないので、優先側がブレーキする羽目になるのが、何かモヤモヤしますね。

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