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ロードバイクへの幅寄せ問題を考える。実例から学ぶ、幅寄せ対策。

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ロードバイクに乗っていると、幅寄せされた!という声をよく聞きます。
私自身、スポーツサイクルに乗るようになってもう8年以上たっていますが、実は幅寄せについてはほとんどされたことがありません。



今回は、実例から幅寄せについてお勉強したいと思います。

事例1

まずはこちらをご覧ください。

0:55あたりまでは、路肩が広いところを走っているようです。
ちなみに、この速度はママチャリかもしれません。

 

交差点を過ぎて、路肩がほとんどない狭い道路に突入するのですが、ここで車が追い越しした際に幅寄せされた!しかも、その後も左側を封じていてウザイ!というのが、この動画主さんの主張のようです。

 

まず交差点で信号待ちしているときに、交差点以降の道は路肩がなくなっているのが見えるはずです。
自転車と車、どっちが速いのかは小学生でもわかる事実ですので、自転車が前に出れば、どこかで車が追い越ししてくるのは想像がつく話です。

 

で、私なりの考え方ですが、確かに幅寄せというか、ギリギリで追越されると怖いです。
万が一接触した場合、自転車側は大怪我する可能性があり、車のドライバーは無傷の可能性があります。

 

こんなことで怪我したり死にたくないなら、信号待ちでわざわざ前に出る必要がなく、車の後に居れば済む話です。

 

1:25あたりからは、左側が封じられているからといって、右側から追い越しかけていますが、自分の身を守りたいなら、わざわざ前に出る必要もないでしょう。

事例2

続いてはこちらの動画。

この動画主、いつもこの手の動画を大量にアップしているのですが、この動画においてはそこまで至近距離にも見えないんですけどね・・・
いつもやたらと中央よりを走りたがる傾向が強いのと、幅寄せは暴行罪というお考えをお持ちの方なので、根本的に改めたほうがいいと思ってます。

 

幅寄せが暴行罪というのは、確かにそういう事例はあります。
ただし、刑法の38条に【罪を犯す意思がない行為は、罰しない】とあるように、要はわざとやったのでなければ犯罪とはなりません。

 

この一回の行為だけで故意性があると認定されることはないと思われます。
明確に故意で幅寄せしたというのは、何キロにも渡って、何度も繰り返し、蛇行しながら、などの条件が付かないと暴行罪として立件される可能性はほぼないと思っていいでしょう。

事例3

続いてはこちら。

04:07あたりで、後方から至近距離で追い越しされているわけですが、確かにこの距離感で追い越しされると怖いです。
ただ、1つ言えることなんですが、なんでその後、異常なレベルで車に接近したまま走り続けるのか、これがかなりの疑問です。

 

危ない追越をしてきた車、つまりやばい奴と認識したなら、普通は危険察知能力が働いて、なるべく車間距離取ると思うんですけどね。

 

何にせよ、生身の自分を守ることを最優先されたほうがいいと思うんですけどね。
頭に血が上っているのかもしれませんが、事故を起こす人の典型的思考ですし。

幅寄せは暴行罪、という言葉が独り歩きしている気がします

ユーチューブだと特になんですが、幅寄せは暴行罪、と言って車のナンバーを晒す人が結構います。
先ほども書きましたが、確かに幅寄せで暴行罪になった事例はあります。
ただし、幅寄せ=暴行罪ではありません。

 

故意に幅寄せした場合に、暴行罪となる可能性を秘めているだけの話です。

 

刑法38条で【罪を犯す意思がない行為は、罰しない】とあるわけですが、要は故意にやったかどうかを客観的にどう認定するかという話です。
例えばなんですが、そこそこ幅が広いと思って追い越ししたら、結果的にはそれほど広くなかったようで、相手からしたら幅寄せに感じてしまった、という事態があったとして、これは故意とは言えません。

明確に故意であることを証明しないといけないわけで、先ほども書いたように、例えばですが
・何キロにも渡って
・何度も繰り返し幅寄せをしてきて
・蛇行している

 

こういう状態なら、誰が見てもわざとでしょ、と言えます。
故意性を証明できないことは暴行罪になりません。

 

喧嘩している相手に、体当たりしたら暴行罪になる可能性がありますが、小石に躓いて足がもたれて転倒した結果、相手に体当たりみたいになってしまったというなら、一般的には故意とはいいません。
故意かどうかの1つの目安として、反復性があるかないかというのも重要です。
何度も小石に躓いて体当たりになってしまった、というのは誰が聞いても不自然なのはわかるでしょう。

 

幅寄せは暴行罪です!と言い切る人がなぜか多いのですが、たった一回の動画を提出しても、警察は動かないでしょう。
故意かどうか判定できませんので。

 

1つの例として出しますが、これは幅寄せというよりも嫌がらせですが、これを見て故意ではないと判断する人はいないでしょう。

それなりの距離に渡って、何度も何度も繰り返しているわけですので、故意性は明らかです。
ただ1つ気になるのですが、この自転車はなぜ車に執拗に追われているのでしょうか?
このような走り方する車はもちろん悪ですが、どういうきっかけでこのようになってしまったのかが気になります。

 

前方で左に寄せて停止して待ち伏せみたいにされてますが、これ、停止している車を右から追い越ししようとしてますが、このケースではかなり危険です。
このような車の走り方から見て、なぜかキレている、もしくはDQNの可能性が極めて高いわけで、右からの追い越し時に当ててくる可能性もあります。
当ててきても悪いのは車ですが、怪我するのはロードバイクのほうですからね・・・

 

自分ならどうするかというと、途中で左折できるポイントはいくらでもあるので、左折して回避します。
ロードバイクもそこそこスピード出ているように感じますが、徐々にスピード落として行ったほうがいいかと思いますが。

自分を守るためにどうしたらいいか?

前に、このようなことをコメントで言われたことがあります。

車道では車も自転車も対等な立場なんだから、なぜ車に譲るように走る必要があるのか?
ぶつけてきたら相手が悪いのだから、正々堂々と法律に則ってロードバイクは走ればいいだけである。

これはその通りなんですが、死んでもいいというお考えならそれでいいと思います。
生身のロードバイクと、金属製の重厚な塊である車がぶつかれば、どっちが怪我するかは小学生でもわかる話であって、ロードバイク側は大怪我するかもしれないし、死ぬかもしれない危険性を秘めています。
ロードバイクとぶつかったからと言って、車のドライバーが大怪我したり死ぬことはほぼありえないでしょう。

 

怪我だって、後遺症が残り一生苦しむものもあります。
だから自分の身を守るためには、車に配慮して譲るくらいの気持ちで乗っていたほうが、事故にはなりづらいです。
法律論とか、対等だ!とかいうのは自由ですが、怪我したら怪我の度合いは全然対等ではありません。

 

自動車を先に行かせるとか、自動車に譲るくらいの気持ちがあるほうが、事故は起こしにくいです。
事故に遭いたい!という方がいるのなら別ですが、幅寄せについても、幅寄せしてくるほうが悪いというのはその通りです。
でも、幅寄せされにくいロードバイクの乗り方ってあると思っています。

 

100%防げるわけではありませんし、意味もなくロードバイクに敵対心を抱いて幅寄せしてくるようなものは防げませんが、道路形状、後の自動車の様子、道路の混み具合などを考えていれば、どうすれば安全に走れるかも見えてくるのではないでしょうか?

 

逆に、いつもいつも幅寄せされるという人は、何か走り方に問題があるのかもしれません。
道路を走る上で、ロードバイクも車もオートバイも、事故を起こしたくて走っているわけではありません。
お互いに譲り合いの気持ちさえあれば、ロードバイクが走りやすいようには設計されていない日本の道路であっても、危ない目に遭う確率は減らせると思っています。

 

毎度のようにユーチューブに幅寄せされた動画をアップしている方は、きっといつか痛い目に遭うでしょう。
正論を振りかざしているのはわかりますが、正論は必ずしもベストな答えではありません。
正論が必ず正しいとも限りません。




コメント

  1. ピヨ より:

    普段は愛知で怖い運転するやつ多いなぁと思ってますが、今長崎の実家に帰ってきてロードバイク乗ってるとドライバーの優しさに感動してます笑
    余裕を持って追い越せるまで後ろで走ってくれる人達ばっかりでこっちが申し訳ない気持ちでいっぱいになります笑
    自分もロードバイク乗るようになってからは自転車に優しい運転を心掛けるようになったのでやっぱり思いやりの心しかないんでしょうね!

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      よく【名古屋走り】って聞きますが、結構荒いと聞きますね笑
      地域差もあるんでしょうね。

  2. くま より:

    いつもブログを拝見させて頂いております。
    私もかれこれ8年程ロードバイク を趣味にしていますが、意図的な幅寄せなどをされた記憶がなく、この手の動画を定期的にアップする人を疑問に思っていました。

    文中でも指摘されていますが、こういう人は「それなりの運転」をしてるんだろうなぁ、とついつい思ってしまいます。

    後方の大型トラックに頑なに進路を譲らない人、信号待ちの度に先頭に出ては抜かれるを繰り返す人etc… もよく見かけますが、何故わざわざリスクを拾いに行くのか?理解不能です。

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      実際のところ、その【それなりの運転】をしているんだと思うんですね。
      例えばですが、片側2車線以上の道路だと、法的な話になりますが、ロードバイク(自転車)は左端を走る必要はありません。
      左レーン内なら、法的には左端だろうと右端だろうと、OKなわけです。

      でも、一般的な感覚からすると、左レーン内でど真ん中走ったりしていれば、車のドライバーからすると邪魔です。
      何度も幅寄せされる人って、【法的には問題ないわけだから】という自分の意見を主張し過ぎているというか、お互い様の概念がないから幅寄せされるんだと思ってます。

      ※幅寄せするほうが法的には悪いのは承知の上です。

  3. しまうま より:

    この手の動画って、自動車も運転する身からすれば「主張が一方的過ぎ」としか感じませんね。

    経験則でいいなら今まで車道走ってて車に寄せられたり煽られたりなんてありませんでした。多分それは自分で「これやられたら自動車側も『怖い』よな」が分かってて、そういう走りはしないようにしてるから、という自負もあります。

    嫌味として思うのは、こういう人たちって相対速度差20~30km/hですぐ横を走り抜ける自動車に対してここまで言うからには、“当然”自分も例えば歩車道の区別がない道路で歩行者を見かけたら間違っても「相対速度差20~30km/hですぐ横を走り抜け」などせず徐行と距離確保を励行してるんだろうなぁ、ですかね。
    時速20km/h程度でも1秒で5m、つまり「ベル鳴らした」「『どけ』と叫んだ」なんて相手が気づいた時にはもう追いついてるんだから自己正当化になりませんよね。

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      >自分で「これやられたら自動車側も『怖い』よな」が分かってて、そういう走りはしないようにしてるから、という自負もあります。

      結局はこれが大切だと思ってまして、要は【されたくないことをしない】【他人を思いやる】さえあれば、揉め事なんてほとんど起こらないと思うんですね。

      歩行者の件も、まさにその通りです。
      自分がされたら嫌なクセに、自分はやるというのもおかしいですしね。

      だいぶ前に、【歩行者に対してベルを鳴らすのが違反なら、邪魔!どけ!と発声するのならいいんじゃないか?】というご意見を頂いたことがありました。
      http://roadbike-navi.xyz/archives/8406/

      正直、見ず知らずの他人に、【邪魔!どけ!】とは普通は言わないですよね。
      こういうところに、思いやりがないなと思うわけです。

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