読者様から質問を頂きました。
この左岸の道の歩道自体は自転車通行可ではありませんから、自転車は車道を走りますが、自転車除外もされていないこの交差点を果たして右折してもよいのか疑問に思いながら右折しています。果たして、ここは右折してよいのでしょうか?
※メールの一部を引用しましたが、交差道路(15号)の歩道は自転車通行可です。
さて、ここで別件ですが質問です。
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これは「右折禁止」?
別件ですが、ちょうど警察の書籍に書いてあったので引用します。
十字路には「右折禁止(直進と左折のみ可)」の指定方向外進行禁止の標識があります。
②駐車場に右折
③転回
これらは違反になるでしょうか?
答えは最後に。
「右折禁止」の意味
要はこのような交差点で
このように歩道を進行することが違反になるか?という話。
これについてですが、「指定方向外進行禁止」の意味はこのようになっています。
条文上、「交差点での」進行に限定してないようにも取れますが、設置場所の項目に「車両の進行を禁止する交差点の」とある。
なのであくまでも趣旨は交差点での進行方向に対する規制。
交差点とは2以上の道路(歩道と車道が区別される道路では車道)が交わる場所(2条1項5号)なので、このように歩道がある道路で「交差点を右折」するというのは、車道→車道の話になります。
車道を進行して歩道に入るように「右折」することは、「交差点を右折」ではなく「横断」になる。
なので、右折禁止の標識があっても、このプレイは何ら問題ありません。
歩道は徐行義務があることは言うまでもなく。
もちろん「歩道の逆走」にもなりません(歩道には左右の指定がない)。
では、この件。
問 指定方向外進行禁止交差点における「A車」の横断転回行為①、②、③は違反になるか?
答 指定方向外進行禁止違反にはならない。
指定方向外進行禁止の規制の道路標識は、交差点において一定方向の道路に進行することを禁止するもので、ガソリンスタンドや駐車場等の道路外の施設に出入するための横断や転回を禁止するものとは意味が異なる。
したがって交差点もしくはその付近で、あたかも指定方向外に進行するような形態で進行しても、路外の施設に入る行為や、転回行為は指定方向外に進行したことにはならない。
交通上の危険を防止するため、このような進行車両を禁止するためには、車両横断禁止又は転回禁止の規制をしなければならない。関東管区警察学校教官室 編、「実務に直結した新交通違反措置要領」、立花書房、1987年9月
なので、「交差点を右折」したら違反になるけど、路外右折横断や転回は違反にならない。
読者様のケースは「歩道に右折」になりますが、
交差点の定義は「2以上の車道が交わる部分」なので、このプレイは「交差点を右折」ではなく「横断」なんです。
なので、指定方向外進行禁止規制の対象にはなりません。
自転車のルールって歩道通行が可能なので、やや分かりにくいのよね。
こういうプレイって中央分離帯がある道路ではまあまあ普通にありますが、歩道通行時に徐行して歩行者に配慮すれば問題ありません。
しかし「歩道の逆走は違反」と信じて、自転車に注意しまくるYouTuberがいるので…
間違った知識で注意しまくる人がいるのは、なかなか厳しい時代ですよね。
このように、存在しない違反を創作し呼び止めて通行妨害する行為がむしろ違反なんじゃないかと思いますが(笑)、
エロ写真を販売する目的で歩行者の前に立ち塞がるのも、道路交通法違反なんですよ。
もしかしたら自転車のルールに詳しくない人が「右折禁止だろ!」とか「歩道逆走違反だろ!」といちゃもんをつけて来る可能性はありますが、何ら問題なく合法です。
一時停止はお忘れなく。
あっ、「自転車に乗ったまま横断歩道を渡るのは違反!」といういちゃもんもよくあるパターンですが、自転車が横断歩道を渡ることは禁止されていません。
昭和35年に道路交通法が誕生して以来、車両が横断歩道を渡ることは禁止されたことがないので(ただし正常な交通を妨害するおそれがあるときは横断禁止)。
自転車が地獄なのは、存在しない違反を認定されては無駄に非難される点。
なんとかならないですかね。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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