自転車の事故があったようですが、ちょっと気になる点。
29日午後7時半ごろ、羽曳野市白鳥の市道で「車と自転車の事故です」と目撃者の男性から警察に通報がありました。
警察によりますと、現場は信号機のない交差点で、北に進む自転車と東に進む車が衝突したということです。
自転車の80歳男性死亡 自転車と車が衝突し車運転の53歳男を過失運転致傷の疑いで逮捕 大阪・羽曳野市(ABCニュース) - Yahoo!ニュース29日夜、大阪府羽曳野市で車と自転車が衝突する事故があり、自転車の高齢男性が死亡しました。 29日午後7時半ごろ、羽曳野市白鳥の市道で「車と自転車の事故です」と目撃者の男性から警察に通報があり
○北進自転車の進行方向
○東進車の進行方向
イメージはこうなる。
道路交通法の義務はこう。
東進車 | 自転車 | |
義務 | 前方左右注視 | 一時停止&優先道路の進行妨害禁止 |
条文 | 36条4項 | 43条、36条2項 |
クルマからみると被害自転車が右⇒左なので、制限速度を遵守して前方左右を注視していれば防げた…可能性はありますが、このタイプの事故ってこういうタイプもまあまあ多いのが実情。
緑車両が通過した直後とか、緑車両が渋滞停止していた直後だと、双方ともに死角みたいになる。
この事故で死角があったのかはわかりませんが優先道路通行車に徐行義務はないので、こういうタイプだと事故の回避が困難になってしまいます。
優先道路を横切る自転車のほうが道路交通法の注意義務が大きいことになりますが、民事の基本過失割合はこう。
優先道路通行車 | 自転車 | |
基本過失割合 | 50 | 50 |
夜間修正 | -5 | +5 |
高齢者修正 | +10 | -10 |
計 | 55 | 45 |
優先道路通行車は優先道路だからと気を抜かずに前方左右を注視して通行するしかないし、自転車は優先道路を横切る前に十分確認してから進行するとしか言えませんが、夜間に自転車に乗っていると、こういうタイプの飛び出しはたまに出くわす。
せめてセンターラインを越える前に停止して確認するとかしてくれればまだいいんですが、良くも悪くも他人に期待しても期待通りにプレイしてくれるわけじゃないので…
頭の片隅に「優先道路通行中でも死角から飛び出し」を覚えておけば、対処できる可能性が上がります。
(くどいですが、今回の事故がどうだったかはわかりません)
というのも昨年、札幌地裁判決でこのようなものがありました。
おととし11月、札幌市豊平区の道道で、当時8歳の男の子が乗用車にはねられ、重傷を負った事故…乗用車を運転していた70代の女性は、無罪判決を受けました。
(中略)
18日の判決で札幌地裁は、事故当時、男の子が暗い色の服を着ていたことなどから「自転車の進入を予測できたとしても、衝突を回避することは不可能、または極めて困難だった」とし、禁錮1年の求刑に対し、無罪を言い渡しました。
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この事故ですが、優先道路を時速約40キロ(指定最高速度40キロ)で進行中、非優先道路から右⇒左に横断した自転車と衝突。
夜間とはいえ片側二車線、被害者が右⇒左なら回避可能だろ!と言いたいところですが、対向車10台とすれ違った直後なので、被害者を視認できなかった。
その前から32秒頃にかけて、対向車線は第1車線を中心に断続的に車が走行しており、被告人車両は、24秒頃から32秒頃まで約15m間隔で進行する10台の対向車両とすれ違い、その後衝突するまでは対向車両とすれ違っていない。
他方、32秒頃、被害者自転車が対向車線側歩道から対向車線に進入を開始した。
その後、被害者自転車はさらに被告人進行車線に進入し、34から35秒頃、公訴事実記載の場所である本件第2車線上(以下「本件衝突場所」という。)において、被告人車両と衝突した。38秒頃、被告人車両は停止した。札幌地裁 令和5年4月18日
なので被告人車からすると、被害者が右⇒左とはいえ突如現れたようにしか見えないという…
優先道路を通行する立場としては飛び出しも予測するしかないし、優先道路を横切る立場としては十分確認してから進行するとしか言えないけど、まあまあ多いのよね。
こういう事故は。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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