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警察庁が「生活道路」の法定速度を60キロ⇒30キロに引き下げへ。

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警察庁が道路交通法施行令の改正案を公表しました。
目玉になるのは、速度標識がない生活道路の法定速度を60キロ⇒30キロに引き下げること。

 

では、改正案を見ていきましょう。

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横断歩道標識の一部免除(令1条の2)

従来、信号がない横断歩道には標識と標示の両方が必須になってましたが、法43条により一時停止標識がある場合には横断歩道標識が不要になります

(公安委員会の交通規制)
第一条の二(略)
4 前項本文の規定にかかわらず、交差点又はその直近に横断歩道等を設ける場合であつて次の各号に掲げる場合に該当するときは、当該横断歩道等についての同項本文の規定による道路標識のうち当該各号に定めるものを設置しないことができる
一 交差点の全ての入口又はその直近に横断歩道が設けられることとなる場合 当該交差点の出口へ進行する車両又は路面電車(次号において「車両等」という。)に対面する道路標識
二 交差点又はその手前の直近に法第四十三条前段の道路標識が設置され、当該横断歩道等の直前において車両等が一時停止すべきこととなる場合 当該車両等に対面する道路標識

1号は交差点の全方向に横断歩道がある場合に標識が不要とし、2号は一時停止標識がある場合には横断歩道標識を不要とする。
1号の意味にやや疑問がありますが、2号は妥当かと。

1号の解釈ですが、「おそらく」警察庁交通規制基準で「省略可能」としている部分を明確にしたのではないかと思われます。

横断歩道標識と交通規制基準。
先日の記事に追記。 横断歩道の標識と交通規制基準 そもそも何が問題なのか? 県警察本部によりますと5月2日、弘前警察署管内の横断歩道の標識設置に不備がある場所で、違反を摘発したことについて、妥当ではなかったとして、反則金や違反点数の抹消など...

 

現在の「交通規制基準」では、このように全ての方向に横断歩道がある場合に一部の標識を省略可能としている。

本来、横断歩道の表・裏に標識が必要ですが、

このように省略可能。

なぜなら、車両がどの方向から交差点に進入しても標識が視認可能だからですね。
一つの標識が全横断歩道の標識を兼ねている。

おそらく改正1号は条文上でこれを明確化しただけなんじゃないかと思われますが、正確な解釈はちょっと疑問。
とりあえず、目玉になるのは一時停止標識がある場合に横断歩道標識が不要になるほう(改正2号)。

生活道路の法定速度引き下げ(令11条)

第十一条
法第二十二条第一項の政令で定める最高速度(以下この条、次条及び第二十七条において「最高速度」という。)のうち、自動車及び原動機付自転車が高速自動車国道の本線車道(第二十七条の二に規定する本線車道を除く。第一号イ及び第二十七条において同じ。)並びにこれに接する加速車線及び減速車線以外の道路(以下この条及び次条において「一般道路」という。)を通行する場合の最高速度は、自動車にあつては次の各号に掲げる一般道路の区分に応じ当該各号に定める速度、原動機付自転車にあつては三十キロメートル毎時とする。
一 次に掲げる一般道路 六十キロメートル毎時
イ 高速自動車国道のうち、本線車道並びにこれに接する加速車線及び減速車線以外のもの
ロ 自動車専用道路
ハ 道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている一般道路
ニ 道路の構造上又は柵その他の内閣府令で定める工作物により自動車の通行が往復の方向別に分離されている一般道路
二 前号に掲げる一般道路以外の一般道路 三十キロメートル毎時

センターラインや車両通行帯、中央分離帯がある道路における自動車の法定速度を60キロとし、「それ以外」を30キロとする。
つまり、センターラインや車両通行帯、中央分離帯がない道路の法定速度(速度標識がない場合)は30キロになります。

 

どうでもいいけど「ニ」(カタカナ)と「ニ」(2号)を立て続けにされると違和感が…

原付の法定速度は一律30キロのまま。

 

注意点としては、標識標示主義なのでセンターラインが消失して視認できない道路は「中央線がない道路」になり、速度標識がない場合には法定速度30キロになること。

交差点内だけセンターラインを引き直して誤魔化してますが、センターラインが消失している道路では30キロが法定速度になる。
それを根拠に取締りすることはないでしょうけど(理屈の上では故意の法定速度超過罪になる)、事故が起きた時の民事では「速度超過の過失」を指摘されそう。

 

なお、令11条1号二に対応する「道路の構造上又は柵その他の内閣府令で定める工作物」は、規則に新設されます。

横断歩道標示の変更(標識令)

横断歩道標示の白線と白線の間隔が、従来は0.45~0.50だったところ、0.45~0.90に拡張可能になります。
これの意図はわかりません。
もしかして、カネの問題ですかね?

 

横断歩道標識の件は全国各地で勃発した「標識漏れの横断歩道」に対応するものと思われますが、確かに一時停止標識があるなら横断歩道標識をさらに付ける理由はない。

生活道路の法定速度引き下げについては、要は速度標識を立てて管理しなくて済むようにする狙いがあるのかと。
なお、軽車両には法定速度が規定されていませんが、結局は安全運転義務との兼ね合いから30キロ以下で通行することが期待されているのかと。

「道路交通法施行令の一部を改正する政令案」等に対する意見の募集について|警察庁Webサイト

パブコメをするそうですが、それはまた後日。


コメント

  1. upmoon より:

    横断歩道の1号は設置基準で省略できるとしていたのを施行令に格上げしただけかな

    8本の交差点側を向いてる四本を省略できるって奴

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      おそらくはそういう意味で、曖昧さを回避したのだと思われますが、読み方によっては全て無くしても問題ないようにも読めそうな…

  2. noName より:

    生活道路の30km制限は、センターラインの無い農道や山道は標識をつけてない箇所の方が多い印象なので、そういった箇所に標識つけるようになると逆にコストがかかりそうな気がします(特に北海道)
    都市部の生活道路と、郊外の道路が同一に規制がかかる内容は改正の目的から逸脱してるような気がしますね。(官僚が都市部しか見てないんだろうけど)

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