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特定小型原付も法定最高速度は30キロ。

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ちょっと質問を頂いたのですが、いきなりですがこれは正解でしょうか?

 

特定小型原付の法定最高速度は30キロである。

 

これ、正解なんですよね。

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特定小型原付の法定最高速度

「特定小型原付は20キロまでしか出せないだろ!」とお叱りを受けそうですが、確かに車体の構造上は20キロまでしか出ません。

(特定小型原動機付自転車の大きさ等)
第一条の二の二 法第二条第一項第十号ロの内閣府令で定める基準は、次の各号に掲げるとおりとする。
二 車体の構造は、次に掲げるものであること。
イ 原動機として、定格出力が〇・六〇キロワット以下の電動機を用いること。
ロ 二十キロメートル毎時を超える速度を出すことができないこと

一方、法定最高速度は30キロになってます。

(最高速度)
第十一条 法第二十二条第一項の政令で定める最高速度(以下この条、次条及び第二十七条において「最高速度」という。)のうち、自動車及び原動機付自転車が高速自動車国道の本線車道(第二十七条の二に規定する本線車道を除く。次条第三項及び第二十七条において同じ。)並びにこれに接する加速車線及び減速車線以外の道路を通行する場合の最高速度は、自動車にあつては六十キロメートル毎時、原動機付自転車にあつては三十キロメートル毎時とする

特定小型原付も一般原付も「原動機付自転車」なので、特定小型原付は法定最高速度は30キロ。

 

なぜこんなルールになっているのか?と質問を頂いたのですが、

特定小型原付と追いつかれた車両の義務の話。
特定小型原付は「政令で定める最高速度」が規定されているので、自転車と異なり27条(追いつかれた車両の義務)の対象になります。 自転車と同じく左側端寄り通行になりますが、自転車と特定小型原付の差はこれ。 自転車 特定小型原付 並走禁止(19条...

要はこれ、規則1条の2の2でいう「車体の構造…出すことができない」というのはアクセルによってモーター駆動する最高速度の話。
下り坂など惰性で下る分にはモーター駆動は関係なくスピードが出てしまうので、念のため法定最高速度を設定してあるだけなんじゃない…のかなと。

 

強いていうなら、軽車両は並走が禁止されてますが(19条)、特定小型原付は並走が禁止されていない。
追いつかれた車両の義務との兼ね合いで、法定最高速度を設定しておかないとまずいとかなのかもしれません。

そもそも軽車両は追いつかれた車両の義務から除外されてますが、昭和39年までは軽車両も対象でした。
なぜ除外したかというと、昭和39年改正時に並走を原則禁止にしたから。

【警察庁回答】道路交通法27条(追い付かれた車両の義務)は、自転車には適用外で確定。
まあまあ今更感はある内容ですが、以前書いた記事。 回答が来ましたので。 自転車には道路交通法27条は適用外 道路交通法27条は追い付かれた車両の義務と言われる条項です。 (他の車両に追いつかれた車両の義務) 第二十七条 車両(道路運送法第九...

特定小型原付は並走が禁止されていない以上、追いつかれた車両の義務が必要なんじゃないかと。

変な読み方

ところで、27条のこれ。

第二十二条第一項の規定に基づく政令で定める最高速度(以下この条において「最高速度」という。)

なんかおかしな読み方をして、

いろんな人
いろんな人
「基づく」だからまず22条を見る必要があり、22条によると速度標識がある場合はその速度が最高速度になるのだから…

みたいなおかしな読み方をする人がいますが、ワケわからんところで区切るから誤読する。

「第二十二条第一項の規定に基づく政令」で定める最高速度

法と政令の委任関係を理解すれば、これはダイレクトに令11条を意味していることがわかるし、ましてや著名な解説書は全て「令11条のことである」と書いてあるワケでして。

 

執務資料、宮崎注解、横井註釈、東京地検交通部、警察庁、久保実務など全て同じ解釈なので、ワケわからん読み方をする前に何冊か解説書を読みましょうとしか言いようがない。

 

特定小型原付の法定最高速度が30キロというのは、取締り目的ではなく追いつかれた車両の義務との兼ね合いや、立法技術上の問題でわざわざ令11条を「一般原付」に直す必要もないからなんじゃないかと思ってますが、基本的にはあまり意味がない法定最高速度とも言えます。

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