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生活道路に必要なのは法定速度「以前」の問題。

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このような生活道路の交差点に進入する際には、何をすべきか。

https://news.ntv.co.jp/n/ctv/category/society/ct4fed322e72384cd28b2ddf18ca558284

信号やセンターラインもなく、左右の見通しが悪い交差点に進入する際には徐行ですよね。

(徐行すべき場所)
第四十二条 車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道路の部分を通行する場合及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない。
一 左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし、又は交差点内で左右の見とおしがきかない部分を通行しようとするとき(当該交差点において交通整理が行なわれている場合及び優先道路を通行している場合を除く。)。

要は徐行義務って全ての通行者(歩行者含む)との関係で考案されたルール。

同法第42条は左右の見とおしのきかない交差点に進入する車両に対し総べての通行者との間の危険防止を目的として制定されたものであり、同法第35条第36条のように歩行者を除いた車両相互間の関係のみを規制したものではないのである。

東京高裁 昭和41年11月22日

横断歩道がない交差点では歩行者優先のルールがありますが(38条の2)、左右の見通しが悪い交差点で徐行義務を課す理由は38条の2を担保するためだとしているので、このように幅員が狭い生活道路の交差点ならば、交差点に入るときは徐行。

道路交通法2条20号に、車両が直ちに停止することができるような速度で進行することをいうとある徐行とは、一般に停車の手段を施すときは惰力進行を加算しても優に衝突をさけうる程度の速度すなわち時速約10キロメートル程度ということになるであろう。しかして同法42条が交通整理の行なわれていない左右の見とおしのきかない交差点で車両等に徐行義務を課しているのもかかる場所での道路交通の安全と円滑という矛盾する二つの要請を調整する趣旨のものと解されるから、ことを刑法上の注意義務の観点からみても、徐行とは交差道路からくる車両の有無、動静を確認し機に応じて交差点の直前で直ちに停止しうる程度に予め減速して進行することをいうと解するのが相当で、ここにいう徐行もやはり時速約10キロメートル前後ということになるであろう。ただ、その減速の程度は、通常は、交差点に接近するにともなつて次第に深まつていくが、他面、この接近にともなつて左右の見とおしも好転し、また、自車が交差点を先に通過しうるかどうかの判断も可能となり、安全通過を確認しうるにいたればそのままもしくはむしろ若干加速してでもすみやかにその交差点を通過すればよいことになるであろう

東京高裁 昭和48年7月10日

要は徐行していたか?を主眼に捜査しているのかと思いますが、横断歩道以外では歩行者に「直前横断禁止」があるにせよ、小学生が注意して守れるかは別問題。
それが必ずしも遵守されないことも視野に入れて、それでも事故防止のためにと考案されたのが「左右の見通しが悪い交差点の徐行義務」。

 

ところで、「速度標識がない生活道路の法定速度が30キロになる」という施行令改正ですが、30キロばかりが強調されて、左右の見通しが悪い交差点の徐行義務は話にも出てこない。

 

生活道路の交差点なんてほぼ確実に徐行義務の対象ですが、要は法定最高速度が何キロだろうと、42条や18条2項(歩行者の側方通過時)などを遵守する限りはスピードを出しようがないわけ。
生活道路なんてちょっと走れば交差点になり徐行義務があるのだから。

 

施行令改正は「30キロまでOK」みたいな感覚に陥って事故防止と必ずしも関係しないのではないか?とすら思いますが、そもそも徐行義務は何のために創設したルールなのか?を考えると、「横断歩道がない交差点の歩行者優先(38条の2)」を担保する目的があるわけなのよ。

 


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