ロードバイクのチェーンについて質問を頂きました。
一回のライド毎にチェーンの乾拭きなどはしますか?
走行後の黒い汚れを毎回拭き取るべきか、拭き取らないほうがいいのか気になっています。
回答いたします。
チェーンの黒い汚れの正体
チェーンオイルって、ほとんどのものは透明色ですよね。
SACRAのブラックオイルなんかは、名前の通り黒いオイルですが、ここでは本筋から外れるので一般的なチェーンオイルについて話します。
透明色のオイルを挿したのに、一回100キロも乗ればチェーンには黒い汚れが付きますよね。
なぜチェーンが黒くなるかというと、主にはチェーンが摩耗して飛び散った金属の粉とオイルが混じって汚れるからです。
埃や泥などの影響もあるとは思いますが、主にはチェーンから出てきた金属の粉と言われています。
洗うまででもないけど、拭き取る?拭き取らない?
チェーンにはオイルがないとダメなわけですが、オイルが必要なのはチェーンのリンク部(可動部)だけです。
チェーン表面には必要ありません。
先ほど書いたように、黒くなるのはチェーンから出てきた金属の粉とオイルが混ざった不純物です。
金属の粉が入っている関係上、余計な抵抗になる上にさらにチェーン、チェーンリング、スプロケなどを摩耗させる可能性が出てきます。
なのでライド後に拭き取っても問題ありませんし、むしろ拭き取るほうがパーツの寿命を延ばすと考えていいでしょう。
理想的には乗った後には毎回チェーンを洗浄してから注油をしたいところですが、手間を考えると一般サイクリストにとってはなかなか現実的ではないですね。
チェーン洗浄自体は300~500キロに一回程度で十分、それ以外の時はチェーン表面の拭き取り、必要なら注油でいいかと思います。
スプロケやチェーンリングも拭けるようなら拭いたほうがいいですね。
シャリシャリいっていたらオイル切れサイン
チェーンオイルの耐久性については、オイルによってかなり違うので何とも言えません。
ただ、メンテスタンド上で低速でクランクを回した時、シャリシャリ言っているようならオイル切れです。
その時はオイルを足したほうがいいでしょう。
私の場合、だいたい400キロに一回くらいチェーンなどの洗浄を行っていますが、注油自体は200キロくらい乗った後には一度することが多いです。
この場合、チェーンの洗浄はせずに注油のみです。
汚れが酷くないうちは、オイルによって汚れを落とすことも可能です。
オイルを付けた後は、できれば一晩くらい放置してそれから拭き取ったほうがいいです。
オイルが必要なのはあくまでも可動部ですが、チェーンオイルはどうしても表面から垂らして内部まで浸透させるしかないので、内部に浸透するまでの時間が必要ということになります。
まあ、こういう極細のオイラーをつかうことで、より汚れにくくピンポイントの注油もできますが。
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<2018年5月追記>
スプレー式オイルをオイラーに移し替えて使った場合に、スプレー式オイルだとガスが入っているため、オイラーから急に噴射する可能性があると読者様からご指摘いただきました。
私自身はそうなったことがないのですが、確か言われてみるとそういう可能性はありますね。
なおタレコミ頂いた方の情報では、オイラーを逆さにするとオイルが急噴射してしまい使い物にならなかったとのことです。
勝手な予想では、針が極細になっているようなオイラーに移し替えるとこういう現象が起こりそうな気もしますが、すみませんがまだ未検証です。
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こういう細かい注油が可能なものなら、いわゆる【ジグザグ注油】も可能です。
チェーンの構造を見ればわかるように、リンク部の左右の隙間から注油していくのが最も少ないオイルで最も効果的に注油できるわけです。
一般的なスプレータイプのオイルならまずこういった芸当は不可能で、ワンプッシュで挿しすぎになってしまいます。
スプレータイプではなく垂らすタイプのボトルでも、ここまで細くないので無理です。
とりあえず回答としては、黒い汚れは拭き取ったほうがよく、そのほうがパーツの寿命を長くする可能性が高いということになります。
拭き取ることで表面の防錆効果が失われる・・・と思う人もいるかもしれませんが、拭き取った程度では油分が完全に取れることはありませんし、そもそも錆を生じさせるような運用に問題がある気がします。
毎回汚れが酷くなる場合、オイル挿しすぎを疑う
毎回のようにチェーンが黒くなりすぎる、またオイルの飛び散りがフレームやホイールにもかなり出る場合、根本的にオイルの量が多すぎる可能性が高いです。
チェーンオイルは、可動部の中に入っていればそれでいいわけですが、可動部の中には入れるオイル量はある程度決まっちゃいますので、たくさん挿せばいいというものではありません。
私が今使っているのはAZのロードレースSPですが、これを一滴ずつ垂らしていきます。
それを一晩放置し、それからウェスで拭き取りします。
この際、クランク30回転くらい分は拭き取りします。
チェーンを回転させると内部にあった汚れを掻き出すような効果も出てくるので、それくらいしっかり拭き取っておくとオイルの飛び散りもほぼありません。
あと、スプロケなどには注油は不要です。
スプロケには可動部がないのでオイルを付けると汚れやすくなるだけです。
たまに防錆効果を狙ってスプロケに薄く注油するという人がいますが、どうせチェーンオイルが勝手にスプロケに移動してベタベタになりますので、わざわざ付ける必要もありません。
フリーボディに薄くグリスを塗って防錆効果を狙うという人もいますが、私はこれも不要だと思っています。
チェーン⇒スプロケ⇒フリーボディという感じで多少なりとも油分が付きますので、無駄な油分を足すことで汚れやすくなるだけだと思うからです。
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2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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