先日、2019モデルのジャイアントのエスケープR3の記事を書きました。
http://roadbike-navi.xyz/archives/5713
定価が50,000円⇒52,000円と上がったけどパーツスペックは変更なしと書きましたが、これはちょっと違うそうです。
値上げの理由
フレームは変わっていないし、パーツスペックは全く同じなんですが、主な値上げの理由としてはシマノパーツの値上げだと思います。
しかしながらどうもそれだけではなさそうです。
というのも2019モデルのエスケープR3ですが、実は前輪だけクイックリリースのほかにスキュアーナットも付属するとのことです。
こんなタイプですね。
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通常の場合、工具なしでホイールを外せるクイックリリースが付いてきます。
ところがエスケープR3の2019モデルでは、前輪だけクイックとスキュアーナットの両方が付属するとのことです。
なんでナット止め??
これについてですが、どうもクイックの使い方を間違っていてすっぽ抜ける事故が増えているそうです。
ちょっと前にもおかしな位置でクイックを固定しているクロスバイクの話を書きましたが、
http://roadbike-navi.xyz/archives/5463
自転車事故の情報サイトを見ると、クイックがちゃんと使えてなくてホイールが抜けた事故の例はいくつか出ていたりします。
そんな事故でも【製品に起因する事故】に分類されているので、怖い世の中ですね。
クイックの固定が悪くて外れても、メーカーが悪いということにされるようなので、ジャイアントは先手を打ってナット止めも付属させたということでしょうか。
メーカー側もクイックの固定についての説明書は付属して販売していると思うのですが、そんなもの読まないという人も多いでしょう。
ユーザーの不手際もメーカーの責任になってしまう世の中なので、メーカー側のリスク管理というところでしょうか。
ただ、あまり意味を成していない気がします。
というのも、クイックにするかナット止めにするかはユーザー側に選択権があり、ナット止めはあくまでも付属品扱いです。
わざわざナット止めに変更して使うユーザーのほうが少ないでしょう。
パンクしたときに面倒ですし。
そうなるとさほど意味がない気がするのは気のせいでしょうか?
本当に安全管理したいなら、最初からナット止めのみという選択肢もあったかと思います。
その場合クイックリリースは別売りという形ですね。
ですがナット止めに変更した場合、【エスケープR3はスペックが落ちた】などと言われて売れづらくなる可能性もあります。
なのでクイックとナット止めの両方付属という形は、ギリギリの妥協ラインだったのではないでしょうか?
スポーツサイクルに慣れている人なら、余計なナット止めのせいで値上げされていると残念に思うかもしれません。
ここは判断が難しいところですね。
ちなみにですが、調べた範囲ではエスケープR3やクロスターなどはナット止めも付属するようですが、RX系はクイックのみのようです。
これは恐らくですが、R3のような廉価なクロスバイクの場合、購買層は残念ながらスポーツサイクルに詳しいわけでもなく、またメンテナンスもいい加減になる傾向があるから、という意味かも知れません。
実際、駅の駐輪場ではR3がボロボロになって止まっていたりしますが、もうちょっとメンテすればいいのに・・・と思うこともあります。
クイック事故には種類がある
クイックの不適切な使用で事故が起こる場合、大きく分けて2パターンあります。
固定位置がおかしい
クイックの固定位置がおかしいために、何かに引っかかってレバーが解除されるケースです。
本来はここまで締めないといけないものを、
こんな位置で止めて何かに引っかかって走行中に解除されるケースですね。
これについてはユーザー側の管理が悪いのだと思うのですが、こんな案件でもメーカーの責任にされかねません。
固定し忘れ
これは根本的に締めるのを忘れていたというケースと、いたずらなどで解除されたまま走りだしたケースです。
普通は解除されたままだとガチャガチャ言いますので、バイクを持った瞬間に異変に気が付くと思います。
ただ駐輪場に止まっているクロスバイクなどを見ると、そういう管理すらズボラな人もいるかもしれません。
こういうのって、バイクを10センチくらい持ち上げて落とすテストをする習慣があれば、即座に気が付きます。
走る前に一度バイクを持ち上げて落としたときにガチャガチャ言うようだと、なにかが緩んでいます。
これは便利な方法なので、ぜひ習慣化したほうがいいです。
私も乗る前は必ずバウンドさせて異変がないかチェックしてから乗ります。
スポーツサイクルは楽しい反面、危ないものにもなる
エスケープR3も、ちゃんとメンテして乗ればよく走る一台ですし、ろくにメンテせずに乗るならただの自転車にもなります。
よくクロスバイクなどの走行性能について聞かれたりしますが、価格差がほとんど出ないようなクロスバイクの場合、メンテしているかでかなりの走行性能の差が出ます。
ちゃんとやれば楽しい乗り物にもなるし、テキトーにしていれば危険な乗り物にすることも可能です。
互換性がないパーツを組み合わせて楽しんでいる人もいますが、このサイトで互換性がないパーツの組み合わせをオススメしないのは理由があり、うまくできる人には安全かもしれませんが、技術がない人がやると危険だからです。
そもそもメーカーが安全性を確保していない組み合わせにしているからということもあります。
まあ、ホイールのすっぽ抜けをメーカー側が嫌うなら、スルーアクスル化するしかないのかもしれません。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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