ちょっと気になる報道がありまして、外国人男性が普通列車に自転車をそのまま持ち込もうとし、押し問答になり37分遅延したと。


鉄道に自転車を持ち込む場合には、一部のサイクルトレインを除き、専用の輪行袋に収納することが日本のルール。
ルールに基づき乗車拒否になるのは仕方ない話なんだけど、
「ルールについて不満で揉めた」のか、「日本語が通じず理解を得るのに時間を要したのか」ではだいぶ違う気がする。
他の報道をみると、後者なんじゃないかと推測しうる内容だし。

JR北海道はこの件について男性に補償を求めないそうですが、なおさら後者なんじゃないかと思わせる。
で。
結果的に大幅な遅延を巻き起こしたのだからよろしくないことですが、「ルールに不満があり揉めた」のと「言葉の壁でうまく伝わらなかった」ではだいぶ違うのよね。
きちんとルールくらい調べろや、という意見もあるだろうけど。
前者は単なる厄介さんだし、後者は仕方ない側面がある。
要はそこに悪意があるかないかの違いなのよ。
けど報道機関なら、そこを取材して報じたほうがいい気がした。
夜のお店では、ゴム着必須店で着用拒否するとあっという間にオニーサンが駆けつけて強制退場になることが知られてますが、トラブル防止のため日本語が通じない人はそもそも入店拒否だったりする。
つまり着用拒否は全て故意で、言葉の壁ではない。
車掌さんが乗車拒否したのは正しいが、それに至る過程を取材して報じたほうがいいような気がした。
日本人でも海外で、ルールを知らずに注意されることはあるわけですが、ぶっちゃけ何を注意されているのかわからず困惑することはありうる。
けど今回の報道をみると、どっちの可能性もあるような内容になっていて、悪質事案なのかさっぱりわからないのよね。
日本は一部を除き、被せることが基本。
被せることで他者の安全を確保する趣旨なのだから仕方ない。
ちなみに輪行の歴史についてはなかなか興味深い論文がある。

しかしその直後、詳細な記録は見あたらないが、近鉄は輪行袋の持ち込みを禁じてしまう。その理由は輪行袋からはみ出たチェーンで女性客の着物が汚れた、倒れた輪行袋で客が怪我をした、ブレーキか変速機のほつれたワイヤーが輪行袋から飛び出して、女性客のストッキングを伝線させたなどとされる。 この当時の事情に詳しい熟練サイクリス トに聞き取りをしても 単一の理由ではなかった。勘案するに上記を含め、いくつかの苦情が近鉄に寄せられたことが原因であろう。
貝柄 徹、鉄道と自転車におけるマルチモーダル交通の歴史的展開 ー関西地区でのサイクルトレインの事例からー、
https://otemae.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=42&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1
ちなみに最近はゴミ袋輪行マンの話を聞かなくなったけど、超軽量輪行袋の普及が関係するのだろうか?
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。


コメント
被せないのが当たり前という国もあると聞きますし、そんな(男の夢の)国について我々もしっかり調べきれるかというと難しいので致し方ないところもありますね。
外国に来て、帰りの飛行機の時間もある中で、自分の国ではOKなやり方で電車に乗ったら車掌さんにいきなり怒られる…なんて想像すると「次はよく調べてね」とは思いますが、強く非難はできませんね…
我が国は被せる文化だとしっかり周知しないと…
コメントありがとうございます。
中国には塗るだけの液体タイプがあるそうです笑