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超音波注油は一般人には非現実的。

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GOTAL横山氏が超音波のリスクの説明として、鶏肉表面のカンピロバクターを超音波で殺菌できるとか言ってますが、

「超音波自体に殺菌効果はない」と説明されているように、鶏肉に超音波照射してもカンピロバクターは殺菌されない。

食中毒の原因菌カンピロバクターを超音波で大幅に除菌・殺菌!| 株式会社カイジョー│株式会社カイジョー
超音波を併用することで鶏肉(ト体)に潜む食中毒菌のカンピロバクターを大幅に除菌・殺菌する技術の紹介ページです。この技術は大腸菌,サルモネラ菌,ぶどう球菌,腸炎ビブリオ,ウェルシュ菌,セレウス菌など様々な原因菌に応用が可能です。

鶏肉のカンピロバクター殺菌に超音波を使う理由は、殺菌に使う次亜塩素酸を毛穴など微細な凹凸部位まで浸透させる意味ですね。
カンピロバクターが超音波で殺菌されないのは、宮崎大学の論文などをみてもわかる気がしますが…

 

ところで、超音波は一部の微生物に対し振動による破壊をもたらし殺菌することが知られている。
横山氏が引っ張ってきた資料の出典はこちらのようですが、

https://www.kanto.co.jp/dcms_media/other/backno6_pdf83.pdf

横山氏は何か資料を提示する際に出典を明かさないケースが多いのですが、今回のカンピロバクターのように話を盛るからややこしいのよね…
原典を見られたくないから出典を明かさないのでしょうけど、

 

チェーンルブに超音波を数分照射したとして、論文からみてもチェーンルブが変性分解されるようには思えませんが(起きたとしてもほぼ無視できるレベルというならわからなくもないが)、

 

要は彼、超音波施工する競合他社を批判したいから、リスクを過大評価したり、今回のように話を盛るのよね…

ところで、カンピロバクター殺菌に超音波を使う話。
微細な凹凸まで薬剤を浸透させるために超音波が効果的だとしてますが、チェーンにおいても微細なところに「十分な」注油をするために超音波が効果的な可能性が高い(「十分な」としたのは、ゼロヒャク論にすり替える人がいることへの牽制です。超音波がないと「浸透しない」という話ではない)。

 

横山氏自身がチェーンルブの手挿しよりもどぶ漬けのほうが効果があることは指摘していることで、低粘度のチェーンルブでも手挿しでは「十分な」注油にならない可能性があることは指摘するところですが(「十分な」としたのは、ゼロヒャク論にすり替える人がいることへの牽制です。手挿しでは「浸透しない」という話ではない)、

 

超音波による注油にしても、どぶ漬け注油にしても、一般人がやるにはコストと手間の関係からみて全く現実的ではない。
だからチェーンメーカーは内部から流出しにくい高粘度のオイルを予め施工しているとも考えられますが、

 

どちらにせよ、なんで横山氏は話を盛るのかわからない。

 

わりと不思議なのよね。
スキーの溶け水理論のときも「そんなことも知らねーのか」みたいに罵倒してきましたが、溶け水理論は矛盾があり有力な「違う理論」が提唱されているのだから、チェーンワックスの原理に溶け水理論を語るほうがどうかと思ってしまいますが…

摩擦が大きいほど摩擦が小さくなる。
支離滅裂に横槍を入れてくる人がいましたが、こちらの件。スキーがなぜ滑るのか?については、実はよくわかってない部分が大きい。ただまあ、「摩擦融解説(溶け水理論)」については矛盾が大きいと指摘されてまして、電気通信大学の仁木氏の論文においても、...

超音波注油にせよどぶ漬け注油にせよ、手挿し注油より効果を発揮するのは間違いないだろうと思うし、それはマックオフのデータや横山氏の体験談からもうかがえる。
超音波でチェーンルブが分解されたなら、マックオフのデータは「手挿し注油よりイマイチだった」というデータが出てもおかしくない気もしますし、要は「ほぼ関係ないだろうし、仮にあったとしてもメリットデメリットを勘案したらメリットが大きく上回る」なんだと理解できるところ(それを読み取れないのは視野が狭すぎないか?)、

 

結局のところ、超音波注油にせよどぶ漬け注油にせよ、一般人がやるにはコストと手間の問題から非現実的なのよね。
非現実的とはいえ、趣味なんだしやりたい人がいるなら止めませんが、

 

「120℃で焼きなましが起きるんです!」とか「グリスを抜いて注油すれば、平地巡航速度が簡単に5キロアップ」など意味不明な話を連発しているので、発信する前に内容を精査できる広報担当をつけたほうがいいのではなかろうか。


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