こちらの件。

運転レベル向上委員会は相変わらず道路交通法の解釈を間違ってますが、
点滅信号は交通整理に当たらない上、左右の見通しが悪い交差点なのだからタンクローリーには徐行義務がある(42条1号)。

赤点滅のクルマが著しい高速度で進入してきたなら別としても、タンクローリー側は徐行義務を果たしていれば回避可能だったと判断されたなら、過失運転致傷罪が成立する。
しかもややこしいことに、今回の被害者はクルマの運転手と一名の同乗者(重症者のみ抜粋。タンクローリーの運転手とクルマの同乗者3名は軽症)。
つまりクルマの運転手の罪は重症1名・軽症4名の負傷を負わせたになり、タンクローリーは重症2名、軽症3名の負傷を負わせたことになる。
| クルマ | タンクローリー | |
| 道路交通法の義務 | 一時停止(7条、施行令2条) | 徐行(42条1号) |
| 過失として想定される内容 | 一時停止し、左右確認をすべき注意義務違反 | 徐行し左右確認すべき注意義務違反 |
| 負傷させた人 | 同乗者1名(重症)、同乗者3名とタンクローリーの運転手(軽症) | クルマの運転手と同乗者1名の計2名(重症)、クルマの同乗者3名(軽症) |
行政処分は加害した他人のうち最も被害が大きい人を基準にするため、被害が大きい同乗者が加療3月以上と仮定した場合、行政処分は同点になる。
| クルマ | タンクローリー | |
| 信号無視(点滅) | 2 | |
| 徐行場所違反 | 2 | |
| 付加点数(加療3月以上、専ら以外) | 9 | 9 |
| 計 | 11 | 11 |
ところがややこしいのは、クルマの運転手が「加療3月以上」、クルマの同乗者が「加療30日以上3月未満」の場合。
行政処分はこうなる。
| クルマ | タンクローリー | |
| 信号無視(点滅) | 2 | |
| 徐行場所違反 | 2 | |
| 付加点数(加療3月以上、専ら以外) | – | 9 |
| 付加点数(加療30日以上3月未満) | 6 | – |
| 計 | 8 | 11 |
運転レベル向上委員会は「行政処分は第一当事者のみ」とガセネタをよく語りますが、そのようなことはない(警察に確認済み)。
他人を加害したことに対する付加点数なので、一時不停止のほうが点数が低くなることもありうるのよね。
なお、付加点数のうち、「専ら運転者の不注意」と「それ以外」がありますが、専ら運転者の不注意の解釈はこれ。
「交通事故が専ら当該違反行為をした者の不注意によって発生したものである場合」の解釈
施行令別表第2の3の表における「交通事故が専ら当該違反行為をした者の不注意によって発生したものである場合」とは,当該違反行為をした者の不注意以外に交通事故の原因となるべき事由がないとき,又は他に交通事故の原因となるべき事由がある場合において,その原因が当該交通事故の未然防止及び被害の拡大に影響を与える程度のものでないときをいうものと解するのが相当である。
東京地裁 平成27年9月29日
それぞれ一時不停止と徐行違反があるので、「専ら以外」になるかと。
徐行していても回避不可能と判断されたなら、タンクローリーには付加点数がつかず、クルマの付加点数は「専ら」になることもあるでしょうけど。
なんでタンクローリーに「徐行義務がない」というガセネタを流すのか理解し難い。
運行供用者責任の解説もだいぶ怪しいけど、タンクローリーが無過失を主張できるとしたら「徐行して左右確認していたが回避不可能な事故だった場合」。
けどこの動画を見ていると、運転レベル向上委員会は自賠法3条の「無過失の立証」とはどういうものなのか全く理解してないのでしょうね。
なにせ、動いていたら過失あり程度の理解のようなので。
例えば新潟地裁長岡支部 平成29年12月27日判決は、歩行者の横断事故について無過失の立証(自賠法3条但し書き)を認めましたが、この事故は加害車両は法定速度を10キロ程度超過していた(裁判所の認定は時速60キロ以上だが70キロよりは下)。
しかし運転レベル向上委員会は「法定速度内でした」とウソをつき、
賠償金もっと払え!【歩行者は交通弱者だ!と欲張った51歳女性の末路】無謀横断者が賠償金増額を要求したら?後遺傷害だけが残ってしまった結末・・・『いってきます』と言った人は、『ただいま』と言う義務がある。Those who say, 'I'm off,' are obligated to say, 'I'm home.これはすべての人に言える事。被害者にも加害者にもならない事。帰り...
しまいには全く違う内容にしてしまう。
車の直前5.8mで飛び出したと解説しているけど
運転レベル向上委員会
「約5.8m」というのは衝突した位置の話であって、全然違う内容にすり替えられてますが…
被告の指示説明により、衝突位置は、中央分離帯から左に約5.8mの第一車線上であり(現場見取図のX、0.6+3.5+(3.5-1.8))、
新潟地裁長岡支部 平成29年12月27日
法定速度超過の事案を「法定速度内」と偽り、クルマが5.8mに迫っていたのに飛び出したから無過失になったと解説していたけど、
真相は違うのよね。
仮に法定速度内で前方注視していても回避不可能と判断されたから無過失なだけですが、運転レベル向上委員会は違反と過失の区別がついてないから、「違反はあるが過失はない」という判例は持論に反してしまう。
だからわざわざ判決文を改竄して違う内容にしてしまう。
冒頭の事故にしても、黄色点滅のタンクローリーに徐行義務があるのは明らかなところ、
若者の暴走と言いたいのか、タンクローリーに徐行義務がないと言ってしまう。
この人の話を真に受けると、免許を失うことになるがそれでいいのだろうか。
こういう事故のときに、「赤点滅の過失を100%にすべき」という意見が必ず出てくる。
それは実は簡単なことで、この場合なら黄色点滅側が徐行して交差点に進入しようとしていたなら、無過失はありうる。

この手の事故で非一時停止側にも基本過失割合が設定されている理由は、徐行義務懈怠があることを前提にしているからなのよ。
減速したら過失修正はかかるが、徐行していたなら基本過失割合の適用がない非典型例になるか、そもそも事故に至らないかのどちらか。
被害者にも加害者にもなりにくい運転を目指すか、ルールを理解せず保険でカネを求めるかの差なんですかね。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。





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