さてこちらの件。

回答編を。
この交差点/横断歩道を通過して直進しようとする車両がしなければならないことはなんでしょうか?
答えは「交差点に入ろうとするときに徐行」です。
交差点内にセンターラインがないため優先道路には当たらず、左右の見通しがきかない交差点になるため徐行義務(42条1号)がある。
交差点に入ろうとするときに徐行なので、減速接近義務(38条1項前段)も考えると横断歩道直前では徐行してないと違反になる。
そしてこの交差点の直前の交差点。
こちらの交差点には横断歩道がありませんが、交差点内にセンターラインがあるため優先道路になり、徐行義務が免除されている。
冒頭の交差点については、交差道路に一時停止規制があり車両同士の優先関係は整理され、しかもT字路なので交差道路から進入する車両は左折又は右折するのだから相応に減速していることになり、車両同士が出会い頭事故を起こすリスクは少ない。
しかし交差点内にセンターラインを設けず、徐行義務を発生させている。
これが何を意味するかというと、要は減速接近義務のみならず徐行させることで歩行者の保護性を高めようとしているのよね。
左右の見通しがきかない交差点での徐行義務は歩行者の安全を考慮しているとされ(最高裁判所第三小法廷 昭和43年7月16日)、警察庁は徐行義務を「38条の2を担保する規定」だとする(注解特別刑法 交通編)。
そして徐行義務が横断歩道に対する安全性を高めることは言うまでもない。
さて、こういう意図を道路から読み取れるだろうか?
左右の見通しがきかない交差点で徐行義務を課す「理由」を理解している人と、単に条文だけを見て徐行義務があることを知っている人とでは差が出ちゃうわけよ。
なお、徐行義務があることに気づかない人は、今から改めればよい。
ちなみに、T字路の「反対側」には横断歩道がないけど、徐行義務により38条の2、歩行者の安全を担保している。
ところで「横断歩道は歩行者が横断する場所だが安全な場所ではない」と力説する人がいますが、危険な場所にしている自覚がないのよね…
本当に情けない。
ちなみに「横断歩道では歩行者に左右確認義務はない」と力説する方々もいますが、それは道路交通法上の話に過ぎず、過失論としては左右の安全確認義務があるのは言うまでもない(なお広島高裁 昭和60年2月26日判決等参照)。
しかしここでいう歩行者の確認義務とはきわめて限定的なものと考えられ、高度に注意する話ではない。
そもそも歩行者の左右確認なんて、わりと「車両の速度を見誤る」のでして(夜間ならなおさら)。
ところで、横断歩道に対する減速接近義務をきちんとさせたいなら「ハンプ」が有効なのは実証されている。


どこかのYouTuberに言わせると「人身傷害車外型」をプッシュするだけですが、
事故が起きた後の話の前に、事故を起こさないためにどうあるべきか?なのよね。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。


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