しばしば話題になるこれですが、
これどう見てもチャリの母親が当たり屋レベルに悪いのに車の運転手が逮捕されたらしい。
亡くなった赤ちゃん可哀想すぎる。pic.twitter.com/CMBfRwC8V0— あーぁ (@sxzBST) February 7, 2026
「交差点内は駐停車禁止だろ」という意見をみてビックリしてしまった。
現場の状況はこうなってます。
自転車が都道に進入した小道がこちら。
事故現場となった都道。
当時はガードレールが無かったのかもしれませんが、とりあえずその件は無視して考えます。
なぜこのようにクルマが停止しているかというと、要するに赤信号による一時停止なんですよね。

法令による一時停止は44条の除外だった気がしますが、
第四十四条 車両は、道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。
一 交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂又はトンネル
仮にこの交差点内で停止していたことが違法だとしても、関係ないんですよね。
優先道路に進入する際には優先道路通行車の進行妨害禁止な上(36条2項)、右折しようとしていたなら右折車は直進車の進行妨害をしてはならず(37条)、横断しようとしていたなら正常な交通を妨害するおそれがあるときは横断禁止(25条の2第1項)なのだから。
この交差点内で信号待ち停止していた車両が違法だろうと適法だろうと、上記自転車に課された義務に影響を及ぼすものではない。
凄まじい論点そらしにしかみえませんが、要するに上記義務を果たすにはこうなるわけよ。

単にそれだけの話なのよね。
この自転車と同じ方向に右折進行しようとするクルマもあるでしょうけど、センターラインを越える前に一時停止もしくはほぼ一時停止状態で安全確認してからセンターラインを越えるのでして、それは自転車だろうと変わらない。
なお優先道路通行車の運転者が現行犯逮捕されてますが、刑事責任を負うかについては「自転車を発見可能な位置において、急ブレーキを掛けたら回避可能だったか?」が問題になる。

優先道路通行車が制限速度内で前方注視していれば回避可能だったと判断されたら有罪(過失運転致死傷罪)になりますが、回避不可能だと判断されたら無罪又は不起訴。
報道からはこの距離はわからない。
現行犯逮捕したのは、逃亡又は証拠隠滅のおそれ(要するに自殺しかねないような状況)があったからだと考えられる。
この件は自転車を運転していた母親が、優先道路の安全確認を怠って漠然進行(横断しようとしていたか右折しようとしていたかはわかりませんが)し、我が子を死亡させたのだから過失致死罪(刑法210条)、もしくは重過失致死罪(刑法211条後段)に該当すると考えられる。
ワケわからん論点を持ち出しては、「横断は禁止されてないんだ!」とか「交差点内は駐停車禁止だろ!」と語る人については論点そらしも甚だしいと思っていて、
要するに、優先道路に進入する際には安全確認をしろというだけのこと。
右折だろうと横断だろうと、絶対的禁止ではないものの安全確認不十分な状況では禁止されている(道路交通法36条2項、37条、25条の2第1項)。
そもそも、この事故は自転車側が「被害者」になってますが、死角にあたる優先道路を通行していたのがオートバイだったなら、衝突を避けようとしたオートバイを転倒させて一方的加害者になっていた可能性すらある(そういう実例はある。当然自転車側が重過失致死傷罪に問われる)。
その場合であっても、過失として問われるのは「優先道路に進入する際に十分な安全確認をしていたか」でしかない。
ごちゃごちゃ語る人を見ていると、結局、本質を全く捉えてないのよね。
例えばこの交差点において、
信号待ち停止車両が連なっていたときに、右折進行するのが怖いから左折してどこかの交差点で安全に右折できるポイントを探すクルマのドライバーもいるでしょう。
それは自転車であっても同じで、十分な安全確認ができるか不安なら、僅かな距離に信号付き横断歩道があるのだからそちらを使えばよい。
そもそも、この事故については「ここを自転車が右折又は横断することは禁止されてないんだ」と力説する個人ブログを見たことがありますが、
そりゃ右折禁止でも横断禁止でもないのだから、絶対的禁止ではない。
しかし優先道路に進入する際には進行妨害してはならないのだから、優先道路通行車の進行妨害になるときには右折も横断も禁止なのでして。
絶対的禁止かにこだわるのは、本質を理解する気がないのかと。
そして進行妨害になるかどうかは安全確認しないと判断できませんが、安全確認せずに右折も横断もしてはならないのは当たり前の話であって、絶対的禁止か否かを論じる人をみると、論点そらしも甚だしいとしか思わないのよね。
結果論でしか論じられない人や、ひたすら論点そらしに走る人には危機感を覚える。
そしてこの場合、自転車を運転していた人は同乗者を死亡させた加害者になることを理解してないのではなかろうか。
自転車って便利だよなと思うのは、このケースにおいては自転車が歩道通行し横断歩道を使って青信号で横断することが可能な点。
クルマは横断歩道を使って横断することは禁止されてないにしても、この状況ではムリでしょ。
そうすると、右折したいけど優先道路の安全確認に自信がないドライバーは一度左折してからかなり遠回りする必要がある。
ところが自転車の場合、優先道路の安全確認に不安があるなら僅かな迂回のみで安全に右折や横断が可能になる。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。


コメント
Xの動画だとゆっくり走ってるように見えますが、こんな速度で走る子連れのママチャリなんて、希少種だよな、と少し感じました。
コメントありがとうございます。
再現動画がどこまで真実かは不明です笑