シマノのホイール、RS500(旧アルテグラ)について質問を頂きました。
シマノのWH-RS500を買う予定です。
アマゾンのレビューを見ると、1.85mmスペーサーのみ付属で、10速で使う1mmスペーサーは付属しないと書いてあります。
1mmスペーサーはシマノに頼めば貰えるのでしょうか?コンポはティアグラです。
回答いたします。
1mmスペーサーは不要です
まず、アマゾンでのRS500はこちらです。
シマノ WH-RS500 前後セット チューブレス・クリンチャー対応 アルミホイール EWHRS500FRL
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確かにレビューを見ると、1mmスペーサーが付属しないのでクレームものだと書かれていますね。
で、結論から書きます。
ティアグラ10速のスプロケでは、1mmスペーサーは不要です。
1.85mmスペーサーを入れたら、あとはスプロケ入れればそれで十分です。
これは4600ティアグラでも4700ティアグラでも同じです。
この問題は非常に誤解を生みやすいです。
また間違って解釈している人も多いです。
10速には1mmスペーサーが必要?
ネットとかで調べると、このような記載が多いです。
10速スプロケを11速ホイールに入れるときは、1.85mmスペーサーと1mmスペーサーが必要です。
これですが、半分正解で半分間違いです。
この記載が正しいケース、つまり1.85mmスペーサーと1mmスペーサーが必要になるのは、デュラエース(10速)、アルテグラ(10速)、105(10速)のスプロケだけです。
今はデュラエースから105も11速ですが、昔は10速でした。
デュラエース(7900)、アルテグラ(6700)、105(5700)のスプロケは、スプロケから1mm分のスペーサーが分離できる構造になっています。
つまりこの1mmスペーサーというのは、スプロケの付属物です。
6700とかのスプロケを買うと、1mmスペーサーが付属してきます。
で、ティアグラのスプロケ(4600、4700)については、1mm分が分離できない構造になっています。
なのでティアグラのスプロケには1mmスペーサーなんぞ無いのです。
ちなみにCS-6600(アルテグラ)の10速用ジュニアカセットも、1mm分が分離できない構造になっています。
なのでCS-6600を買っても1mmスペーサーは付いてきません。
なんで1mm分分離できる構造にしているかですが、これの話は長くなるのと、今はそれが必要になることがないので割愛します。
レビューとか信じないほうが・・・
アマゾンのレビューですが、正直なところ間違ったことを平気で書いている人も多く、それを正す機能もないので参考にしないほうがいいかと思います。
参考になるとしたら【使ってみての感想】だけです。
同じようなもので、ヤフーの知恵袋とかOKWAVEみたいな質問掲示板がありますが、ああいったところもかなり間違った書き込みが目立ちます。
知恵袋などは、正しい回答を選ぶ場所ではなく、質問者が気に入った回答を選ぶ場所です。
なので間違った回答を親切に書かれていたりすると、ベストアンサーに選ばれてしまうことがあるわけです。
質問者が気に行った回答を選ぶだけなので。
分かりやすいところで言うと、先ほどのRS500のほかのレビューで、【オプトバル組みではなかったので残念】という書き込みがあります。
何をどう感じようとその人の自由ですが、このホイールがオプトバルではないことは意味があります。
オプトバルというのは、リアホイールの2:1組みのことです。
フルクラムでも2:1組みが採用されていますし、カンパニョーロのG3組も2:1の一種です。
2:1組みというのは、リアホイールが21本スポークならば、フリー側14本、反フリー側7本のスポーク配置にして左右のスポークテンションを是正するというものです。
シマノのデュラエースでも、C24はオプトバルではありません。
C40とかC60ではオプトバルが採用されています。
R9100-C24
重量 | F585g、R804g
1389g(ペア) |
リムハイト | 24mm |
対応タイヤ | クリンチャー |
23cタイヤ | 〇 |
スポーク数 | 16/20 |
対応スピード | シマノ8-11s |
オプトバルのような2:1組の場合、リムハイトが低いものではリスクが高いんですね。
リムハイトが低い=スポークが長くなると言えますが、C24(24mm)やRS500(24mm)でオプトバルではないのは、単に2:1にするとホイールが壊れやすくなるというだけでしょう。
2:1では反フリー側を7本で支えるわけですが、ローハイトリムでスポークが長くなればなるほど無理があります。
なのでシマノでは35mmハイトのC40(←ややこしいw)からオプトバル採用です。
ゾンダとかレーシング3は2:1ですが、リアのリムハイトが30mmあるので、ここら辺が境目なのでしょう。
シマノのRS700-C30(リアのリムハイトは28mm)ではオプトバルが採用されています。
Shimano – Ultegra (アルテグラ) RS700 C30 クリンチャーホイールセット
重量 | 1560g(ペア) |
リムハイト | F24mm、R28mm |
対応タイヤ | クリンチャー、チューブレス |
23cタイヤ | 〇 |
スポーク数 | 16/21 |
対応スピード | シマノ8-11s |
カンパニョーロでもニュートロンウルトラというローハイトホイールがありますが、このホイールはカンパニョーロなのにG3組ではありません。
重量 | F630g、R879g
1509g(ペア) |
リムハイト | 18mm |
対応タイヤ | クリンチャー |
23cタイヤ | 〇 |
スポーク数 | 22/24 |
対応スピード | シマノ8-11s |
2:1ではなく、しかも24本スポークとなっています。
ニュートロンはリムハイトが18mmと超ローハイトリムなので、恐らくはG3では持たないという判断なのでしょう。
剛性と強度を確保するために、あえてスポーク数を多くしているモデルと見ていいでしょう。
RS500もケチってオプトバルを採用していないという話ではなく、性能と強度を考えるとオプトバルを選択しないほうがいいという話だと思われます。
C24も同様ですね。
こういった書き込みにより、【RS500はオプトバルではないからダメなのかな?】と思う人が出てくる可能性もあるわけで、そんなレビューなら参考になりませんし、そもそも考え方がちょっと違うと言えるわけです。
ティアグラのスプロケなら普通に使えます
結論ですが、RS500をティアグラで使うなら、ホイールを買うと付属する1.85mmスペーサーを入れたら、あとはスプロケ入れればそれでOKです。
1mmスペーサーは全く不要です。
ネット上の情報ですが、元々はデュラエース10速のスプロケには1mmスペーサーが付いているので、【スペーサーは二枚必要】という書き込みが多いのです。
コンポのモデルチェンジは、デュラエース⇒アルテグラ⇒105⇒ティアグラと進むので、先に出る情報はデュラエース基準になります。
この時代はデュラエースからティアグラまで10速だったので、多数派だった【デュラ~105】に準拠した情報が多いわけです。
ちょっとややこしいので、この手の問題で迷ったらプロショップを頼ったほうがいいと思います。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
知り合いが、何ミリのスペーサーが必要tなのか分からないとのことで、このサイトをTwitter(X)にアップしました。事後報告で申し訳ございません。ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
ご自由にお使いください笑