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酒気帯び運転の「同乗者」には人身傷害保険からは支払われない(札幌地裁に続き名古屋地裁も)。

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以前、運転者が酒気帯び運転と知りながらあえて同乗し負傷した場合、同乗者を被保険者とする人身傷害保険では「同乗者の重過失」として保険会社は重過失免責になる(つまり人身傷害保険からは支払われない)判例を紹介してますが、

酒気帯び運転だと知りながら同乗すると人身傷害保険から支払われない。
以前、「運転者が飲酒しているのを知りながら同乗し事故に遭った場合、同乗者を被保険者とする人身傷害保険は支払われない」(重過失免責)とした札幌地裁判決を紹介しましたが、運転レベル向上委員会はうちを頻繁に見ているのに、なぜか「人身傷害保険は支払...

運転レベル向上委員会はなぜか判例を知りながらも「同乗者は酒気帯び運転に同乗したとしても、人身傷害保険からは支払われる」と力説する。
以前紹介した札幌地裁判決だけの判断ではないのよね。

 

判例は名古屋地裁 令和4年1月25日。
事案の概要です。
酒気帯び運転のオートバイに同乗し右カーブを曲がりきれず道路左側の縁石とガードパイプに衝突。
同乗者が死亡したことについて、亡き同乗者を被保険者とする人身傷害保険車外型の支払いを求めた。

 

しかし裁判所は同乗者の重過失を認め保険金を支払う義務はないとする。

原告らは、重過失免責を否定した裁判例等(甲15、16)を指摘する。しかしながら、飲酒運転による悲惨な交通事故が後を絶たないことから、飲酒運転の根絶に向け、平成19年の道路交通法改正により、酒酔い運転、酒気帯び運転等の罰則が引き上げられたほか、自己の運送を要求・依頼して飲酒運転が行われている車両に同乗する行為につき新たに禁止規定が設けられるとともに、懲役刑を含む罰則が定められており、同改正から本件事故までには10年以上の期間が経過している。原告らが引用する裁判例は、そもそも本件とは事案が異なる上に、上記法改正前に発生した事故についてのものであって、その後の社会情勢や国民意識の変化等も考慮した上で、本件事故について重過失の有無は判断すべきであるから、原告らの指摘は当たらない。

名古屋地裁 令和4年1月25日

保険における重過失の定義を説示した後、簡単にいえば「そんな危険な状態にあえて同乗したのだから重過失」として原告の請求を棄却。
つまり保険会社が主張する重過失免責の主張が通ったことになる。

 

運転レベル向上委員会は10年以上前の記事を引用してますが、名古屋地裁が説示するように、「原告らが引用する裁判例は、そもそも本件とは事案が異なる上に、上記法改正前に発生した事故についてのものであって、その後の社会情勢や国民意識の変化等も考慮した上で、本件事故について重過失の有無は判断すべきである」とする。

 

最新の情報や判断よりも古い記事を引用する精神もよくわかりませんが、運転レベル向上委員会が「間違いを認めない人」だというのはその通りなのかと。

 

地裁判決だから重みが薄い、という意見もあり得るでしょうが、そうであるなら、同様の事案について重過失免責を否定した判例を持ってくるべきなのでして。
もちろんその判例とは、最近のものに限ることは言うまでもない。

 

運転レベル向上委員会にしても綾人サロンにしても、交通事故やトラブルをエンタメ化させ、誇張したり不正確な事実や法律解釈を語る点では同じなのよね。
都合が悪い「間違いの指摘コメント」を消してしまう点も同じ。

 

ホントこの界隈は何をしたいのかさっぱりわからん。

 

酒気帯び運転しようとしている人がいたなら、運転させないようにするのが身近な人に課された注意義務なのは言うまでもないし、「酒気帯び運転の同乗者でも人身傷害保険からは支払われます」では何ら酒気帯び運転の抑止にはならない。
そういう観点からも重過失免責を適用するのは社会的要請と言えますが、運転レベル向上委員会氏は間違いを認めない人だから、訂正しないでしょうね。

 

ちなみに重過失免責の判例をひたすら調べたところ、思っていたよりも広い範囲で重過失免責が認められてました。
気になる人は大きな図書館などで有料の判例検索を使って調べてみるとよいかと。

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