読者様から頂いたネタです。
歩道走行の自転車に対して私人逮捕ができるか？というのがにぎわっているようです
そもそもは「はてな匿名ダイアリー」への投稿が発端のようです引越し先での歩道の自転車通行が多く、私人逮捕のススメということで、歩道走行の
自転車を私人（民間人）である投稿者が逮捕もしくは通報して歩道走行が減った、皆
さんもやりましょう・・・
という記事です
匿名なのと、コメント欄を見ると否定的なコメントが多いので、実態ではなく架空の
あおり記事かもしれませんが
弁護士さんも反応しているようで、不謹慎ですが面白おかしく読まさせていただきました
歩道走行に対して強い憤りを持っている方のネタなのかもしれません。
本気なら結構危ない案件だと思いますが
自転車の歩道走行にはルールがあります。
（A）自転車の歩道通行を許可する道路標示がある場合
（B）運転者が13歳未満または70歳以上の場合
（C）運転者が身体に障害を有する場合
（D）狭い車道で自動車の交通量が著しく多いなどやむを得ない場合
ネタ案件の筆者さんは、Ｄについては客観的に車道走行が危険だと判断されない限りは・・・というところから、私人逮捕してもＯＫと判断しているようです。
ただし【やむを得ない】のように曖昧に書かれていることについては、判断が分かれるところでもあります。
私人逮捕ですが、ほかの言い方としては現行犯逮捕、常人逮捕などがあります。
よく警察官だけが逮捕できると思っている人がいますが、一般人でも現行犯なら逮捕することは可能です。
ただし条件があります。
１、犯人が現行犯人、準現行犯人であること（刑事訴訟法212条）
２、30万円以下の罰金、拘留、科料にあたる罪の場合（刑法では、過失傷害罪・侮辱罪）は、犯人の住居、氏名が明らかでなく、又は犯人が逃亡するおそれがある場合（刑事訴訟法217条）
この情感を満たさずに私人逮捕した場合、逮捕罪などに問われる可能性があります。
例えばですが、【１ヶ月前に万引きしたから】という理由で私人逮捕することはできません。
私人逮捕した場合、すみやかに警察官に引き渡す必要があります。
弁護士さんも言うように無理があるかと
自転車の歩道走行が認められる要件として、【やむを得ない場合】というのがあります。
ネタ元の筆者さんはこれについて
Dの「やむを得ない」は運転者の主観ではなく、客観的な認識でそう判断される場合のみで、
歩道を走ってる自転車の大半はすべて違法運転者である。
この違反には「3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金」が科せられるが、運転者は罰を受けずに走り逃げている。
このように判断しているために逮捕しても問題ないと考えているようです。
ただこれってかなり難しい話で、客観的に判断されるべき【やむを得ない】について、ネタ元の筆者さんの主観で判断してしまっている可能性も残り、本当に逮捕の用件を満たす現行犯と言えるのかについては相当の問題が残っているわけです。
赤無視や逆走なら？
もし赤信号無視や逆走なら、私人逮捕しても問題ないのでしょうか？
これについてですが、赤信号無視についてはかなり難しいと思います。
というのも、当事者同士で【お前赤信号無視しただろ！】、【してません】となった場合、そこに客観性がないので、むしろ逮捕した側が逮捕罪に問われかねません。
【証拠は俺が見たからです！】ではちょっと難しい気がします。
逆走についても同様で、その場で抑えればある意味証拠となりますが、そもそもですが歩道走行、赤信号無視、逆走のどれかを警察の前でした場合、逮捕される可能性はゼロに等しいでしょう。
警察ですら逮捕せず、せいぜい注意どまりです。
歩道走行については注意すらしないでしょうし、逆走についてもどこまで注意するのかかなり疑問です。
赤信号無視については注意はするでしょうけど、逮捕することはないでしょう。
社会通念上、そういった運用が一般的なのは誰でも知っていることだと思うので、私人逮捕すると問題を生じる可能性もあります。
ちょっと前にロードバイクで走っているときに、赤信号無視しまくって走っているロードバイクがいました。
バカだなぁとしか思っていなかったのですが、コンビニで休憩しようとしたところ、コンビニから出てきたバイクに乗った警察官がいたので、【前走っているロードバイク、さっきから信号無視しまくってますよ】とだけ伝えておきました。
自分で逮捕するのは危険なので、警察官に頼んだほうがいいです。
下手に私人逮捕すると、最悪の場合は損害賠償ものですし。
まあ、ネタなんでしょうけどね。
実際にこれをしている人がいたら、ぶっちゃけ暇人だなぁと思うわけです。
ちょっと前に、電車内で盗撮している奴を１１０番した話を書きましたが、
http://roadbike-navi.xyz/archives/6071
私は私人逮捕せず、１００番しながら追跡しただけです。
その理由は、誤認だった場合には逮捕罪に問われる危険性があることを知っていたからです。
ちなみにこの犯人、スマホで撮った映像は警察が来る前に削除していて、警察が来ても否認していました。
ですがバカなことに、過去に盗撮した映像が残っていたのと、刑事さんが【否認するならスマホ預かって復元かけるよ？】という話をしたところ、２０分くらいは否認していましたが自供し始めました。
その後どうなったのか警察に聞いたのですが、なんと無罪放免らしいです。
というのも、被害者が不詳でなおかつ映像の復元をかけるには費用がかかるんでしょう。
なので注意どまりで奥さんに迎えに来させたという話です。
まあ、まだ２０代の人なので家に帰ってからは修羅場だったでしょうけど、警察的にはどうでもいい案件なんでしょうね。
最初は駅の防犯カメラの映像や、ＩＣカードの履歴を調べれば被害者も特定できるとか、映像の復元かければ犯行自体も立証できるといってましたが、実態は面倒なんでしょうね。
警察なんてそんなもんです。
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