ずいぶん前に書いた記事の中で、こういうのを取り上げたことがあります。
http://roadbike-navi.xyz/archives/6317
前から疑問に思っていたことがあります。
メールで問い合わせが来るので多いのですが、ロードバイクを選ぶときはカーボンフォークを選ぶように言われた(書かれていた)。
こういうのがあります。
逆に聞きたいのですが、まともなメーカーのロードバイクで、カーボンフォークではないものってありますか??
見たことがないので、どこにそういうことが書かれているのか知りたいところです。
まともなメーカーのロードバイクで、アルミフォークのものを見たことがありません。
クロモリフレームのロードバイクなら、クロモリフォークのものもあるかもしれませんが・・・
ここ最近、これについてコメントを頂いたのですが。
アルミフォークの車種
少なくとも私が知る限りですが、ここ10年くらいのロードバイクにおいては、アルミフォークになっているロードバイクのうち、まともなメーカーのものというと、ルイガノのCR07くらいしか知りません。
これは確か2017年くらいのモデルでしたが、この時期はルイガノの低価格帯(7万以下など)のロードバイクでは、アルミフォークというものが確かにありました。
これもそうですね。
ルイガノ 2017年モデル CLR【ロードバイク】【LOUIS GARNEAU】【自転車】
こういうのをバカにするつもりはないんですが、この当時、安くロードバイクを買いたいという人から、このルイガノの奴ってどうですかね?という質問は何度か受けたことがあります。
通学程度で使うならまあいいでしょうけど、スポーツとして使うならもう数万出して他の奴買ったほうがいいですよとアドバイスしたことを思い出します。
まあ、2019年現在では、ルイガノは既にロードバイク自体を作っていません。
で、こういうコメントを頂きました。
>まともなメーカーのロードバイクで、カーボンフォークではないものってありますか??
GIANT Liv AVAIL あ、ジャイアントはまともなメーカーじゃなかったですね。
ん??と思って調べてみました。
GIANT Liv AVAILのメーカーサイトを見ると、こうなっています。
FORK Advanced-Grade Composite,Aluminum OverDrive Column
確かにアルミニウムって書いてありますよね。
これ、アルミフォークではないです。
この表記、何を書いているのかというと、【ジャイアントのアドバンスグレードのカーボンフォークで、コラムはアルミ】という意味です。
なので分類的にはカーボンフォークです。
エントリーグレードのアルミフレーム完成車に多いのですが、カーボンフォークながらコラムだけアルミというのはそこそこあります。
コラムだけアルミにする理由は、コストダウン目的もあるでしょうし、フルカーボンフォークよりも取扱いがしやすいので初心者向きというメリットがあります。
反面、フルカーボンフォークよりも200g程度重くなることがほとんどです。
取扱いがしやすいというのは、フルカーボンフォークって結構繊細です。
ステムの締め付けトルクを締めすぎればコラムが破損する可能性もありますし、適切な長さにコラムカットしていないと、フォークコラムが破損しやすくなります。
http://roadbike-navi.xyz/archives/6466
このコメントには、【それは普通にカーボンフォークですよ】と回答しておきました。
どういう目的なのかはわかりませんが
その後、同じ方から再度コメントがきました。
アルミフォーク
TREK 1400D 2002年モデル
ジャイアント OCR2600
前回のコメントで【ジャイアントはまともなメーカーじゃない】などと書いていたのでなんか悪意があるのかなと思うところもありましたが、理由はよくわかりませんが、アルミフォークのものを探してきたようです。
で、まずトレックの1400Dの2002年モデルを調べてみましたが、普通にカーボンフォークだと思われます。
ただし、コラムはアルミでしょう。
メーカーサイトを見たわけではないのですが、実際に1400Dを買ったという人のブログにカーボンフォークだと書いてありました。
ちなみにですが、2002年頃って、まだカーボンフレームは主流ではありません。
皆さんが憧れるピナレロのドグマも、2002年当時はマグネシウムフレーム&カーボンフォークというスペックでした。
ちなみにドグマがカーボンフレーム化したのは、2010年です。
2002年頃ってカーボンフレームもあったはずですが、金属フレームに乗る選手のほうが多かったのではないでしょうか?
というより、15年以上も前の車種を持ち出されても、【それは時代が違うでしょ】となりません?
次に挙げていただいた【ジャイアント OCR2600】ですが、このロードバイクは日本では正規品ではありません。
中国国内向けに売り出されている低価格ロードで、ジャイアントジャパンの取扱いはありません。
これはたまにヤフーショッピングなどで見かけるのですが、これは中国から個人輸入して販売している人がいるからです。
いわゆる並行輸入品という扱いですが、ジャイアントジャパンではこういう非正規品は一切面倒見ないと宣言しています。
なのでこれを持ち出されても、それは違いのではないでしょうか?
スペック的にはアルミフォークなのは間違いありませんが、日本では本来売ってないものですので。
ちなみにこのOCRという車種、ジャイアントジャパンが取り扱っていた時代もあります。
私の記憶では2010年頃まではあったと思ってましたが、調べてみると2011年モデルでもありました。
ただし、普通にカーボンフォークです。
ジャイアントでの扱いは、ロードバイクというよりもPACEなどと同じような扱いにしていたようです。
DEFYなどはパフォーマンスに位置付けられ、このOCRはスポーツというカテゴリになってます。
頂いた二つのコメント、単なる勘違いなのか、それとも何らかの悪意があるのかはわかりませんが、調べてみればすぐにわかることです。
アルミフォークはやめたほうがいい?
この質問は何度か頂いたことがあります。
ロードバイクを選ぶときはカーボンフォークのものを選んだほうがいいと言われた。
アルミフォークだと何がダメなんですか?
この質問、何度もいただいた事がありますが、そこを悩む必要性がないというか、そもそもまともなロードバイクでアルミフォークのものを、ここ数年見た記憶がありません。
フルカーボンフォークとアルミコラムのカーボンフォークならまだわからなくもないですが。
エントリーグレードのアルミ完成車の場合、アルミコラムのカーボンフォークが付いてくることは多々あります。
性能的な違いで言うと、大きな差としては重量差くらいです。
アルミコラムだと重量が200g程度増えますので、重量面で不利になるというくらいの話です。
軽いほうが良ければフルカーボンフォークの車種を選べばいいでしょうし。
メリダなんかは、エントリーグレードのアルミ完成車でもフルカーボンフォークが多いです。
ビアンキのエントリーグレードのアルミフレーム、ヴィアニロオーネはアルミコラムのカーボンフォークです。
《在庫あり》【ボトルプレゼント】Bianchi(ビアンキ) 2019年モデル VIA NIRONE7 PRO105 (ヴィアニローネ7プロ105)[アルミフレーム][ロードバイク・ロードレーサー]
走行性能というか、軽さではフルカーボンフォークのほうが有利です。
ただし、フルカーボンフォークは取扱いを間違うとコラムが割れることもあります。
よっぽど強く締め付けるとか、ステムを下げたのにコラムカットしてないとか、メンテナンス上のミスによりコラムが割れる可能性はありますが、普通に正しく使う分には壊れやすいものではありません。(当たり前です)
ステム(ハンドル)を下げたときに、このようにコラムをカットしないのは実はNGです。
ポジションが固まるまでの試行期間はいいのですが、ポジションが固まり次第、きちんとカットすることが大切です。
なんでコラムをカットする必要があるかというと、フルカーボンフォークの場合、コラムの内部からプレッシャープラグで内圧を高めて固定します。
それと同時に、ステムはコラムの外側から圧力をかけて固定しているのですが、要は内圧がかかる場所と外圧がかかる場所が異なると、せん断力みたいなのが働いて破損しやすくなるという話です。
なのでステムで外圧を掛ける場所と、プレッシャープラグの位置が同じあたりになるようにすれば、コラムの破損が起こりにくいわけです。
それをするために、適正な長さにコラムをカットする必要があるわけです。
私が聞いた範囲では、LOOKではステム上に5mmスペーサーが一枚来るようにコラムカットしろとメーカーの指定があるそうです。(LOOKでも車種によって異なる可能性があります)
なのでこうなります。
このあたりは、それぞれのメーカーから指定があることが多いです。
なので買った店できちんとカットしてもらったほうがいいですよ。
素人考えで勝手に切ると、間違ったカットをする可能性もありますので。
通学で使っている高校生のロードバイクを見ると、なぜかハンドルはベタ下げしているけど、コラムカットせずにニョキッと飛び出ているのを見かけます。
フルカーボンフォークでは、これは実はNGなのです。
ちょっと話は逸れましたが、今回頂いたコメントはどのような意図があってコメントされたのかわかりませんが、私が知る範囲では、まともなメーカーのロードバイクで、アルミフォークのものは知りません。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
3月11日に「まともなメーカーのロードバイクで、アルミフォークのものは私は見たことが無い。」を拝読させて頂きました。この手の内容は正直、あまりニコニコ顔で読めないのですが・・・・理由は私がアルミフレーム・アルミフォークのロードバイクに乗っているからです。そもそもここで思うのが「まともなメーカー」の基準ってなんなんですかね?ネット等ではUCIプロ等のチームに機材供給していないと駄目!みたいな事を言われる方々も居られます。が機材供給していなくてもちゃんと認知されているメーカーも複数あるでしょうし。一体、何がみなさんの基準なんですかね?
因みに私はGARNEAU axis5 2016年式に乗っています。安いバイクですが・・・^^
これはアルミフレーム・アルミフォーク・クロモリコラムなんですかね?
でもねこの安いバイクに乗っていてマイナスばかりじゃないんです。もっと良いバイク(機材)を手に入れたくなるのは皆同じでしょうが。それは早いタイミングでやってきて(笑)、そのバイクに見合う走りをしたいと思って練習しちゃうんです。これも考え方によってはプラスです。今後は可能であればこのようなテーマは出来るだけしないでもらえればうれしいです。クレームではなくお願いです。ちょっと悲しくなっちゃうので。
コメントありがとうございます。
本文中で、
>少なくとも私が知る限りですが、ここ10年くらいのロードバイクにおいては、アルミフォークになっているロードバイクのうち、まともなメーカーのものというと、ルイガノのCR07くらいしか知りません。
と書いているように、ルイガノ(&ガノー)はまともなメーカーだと認識しています。
そのうえで、【私が知る限り】と書いているように、知らなかったとか失念していた車種もあります。
そのガノーのものは、完全に失念していました。
しかし2019年時点ではガノーではアルミフォークの車種はないようです。
スポーツライクな乗り方をする上では、アルミフォークをオススメしていないことには変わりありませんので、今後もこの方針自体は変わりません。
そのロードバイクをバカにする意図があるわけではなく、あくまでも高いお金を出すのであれば、その価格帯でもカーボンフォークのロードバイクはたくさんあるわけですので、一台目のロード選びに役立てるという当サイトの趣旨から見ても、特に問題があるとは思っておりません。
たしか2004年頃だったか、知り合いが買ったロードバイクがアルミフォークでした。
スペシャライズドのアレーの安いやつだったかな。フレームもアルミでした。
数ヵ月くらい乗ってみて、ハンドルへの衝撃や振動が辛いので、バーテープやグローブを振動吸収性の良いものに変えたものの、あまり解消されなかったようです。
長時間乗っていると手がしびれるそうです。
最終的には、カーボンフォークに交換する事で解決したようでした。
アルミフォークは、カーボンフォークに比べ、衝撃をあまり吸収してくれない、振動減衰性が悪い。この2点が大きな短所ですね。
特に、タイヤが細いロードバイクでは顕著のようです。
コメントありがとうございます。
古いロードだとアルミフォークもあったようですね。
今現在は安いということ意外に何らアルミフォークのメリットはないので、アルミフォークは選ばないほうがいいのかなと思うのですが、タイヤが太いグラベルロードとかならまだアリなのかもしれません。