ちょっと前に、Co2インフレーターでロードバイクに空気を入れると、分子量の関係でエア抜けが早いということを書いたのですが、それについてご意見をいただきました。
表題の件、二酸化炭素が抜けやすいのは、分子量の関係ではなさそうです。なぜなら、二酸化炭素の分子量は44。対して、空気中に含まれる窒素は28、酸素は32とサイズを表す分子量はどちらも二酸化炭素よりも小さいです。では、なぜ二酸化炭素が抜けやすいかというと、チューブに使用される素材のブチルゴムやラテックスゴム等の有機高分子との相溶性によるものかと考えられます。つまり、二酸化炭素はブチルゴム等と仲がよく、ゴムに浸透していきやすいが、窒素や酸素は仲が悪いので浸透しにくいためと考えられます。これは、それぞれの気体分子の極性という性質によるものと考えられます。二酸化炭素は極性を有し、窒素や酸素は極性を有さないため、この現象が生じます。
主さんは正確な事実に基づいて記事を書かれる方かとお見受けしましたので、理系のお節介ということで。
上記記載をご理解されつつの記事でしたら、ご容赦あれ。
確かに、よーく考えたら(よーく考えなくても)Co2のほうが分子量は大きいわけで。
Co2だとエア抜けが早い理由
チューブというのはゴムで出来ているわけですが、エア抜けする要素は主に二つあります。
・拡散
ゴムの分子の隙間を、ガスが通過して抜けていく現象です。
よく、ラテックスチューブだとエア抜けが早いと言われますが、これはラテックスチューブのほうが天然ゴムの分子の隙間が大きいからといわれますね。
・溶解
ガスは、ゴムに対して溶解することでエア抜けしていきます。
で、炭素を含む気体のほうが、ゴムに対する親和性が高い、つまりはゴムに対して気体が溶け込んでいくわけです。
Co2というのは炭素(C)を含むわけですが、窒素はN、酸素はO2と炭素を含まないので、二酸化炭素(Co2)よりもゴムに対して溶け込む量が少ないのです。
Co2がエア抜けが早いというのは、Co2はゴムに対して溶け込んでいく量が多いために、エア抜けが早いというのが正解です。
分子量の問題ではありません。
ゴムとの親和性は高くないほうがうれしい
私自身、ゴムを使わざるを得ないことが多いですが、ゴムとの親和性は高くないほうが嬉しいですよね。
やはりナマに勝るゴムはありません。
ちょっと話は逸れましたが、Co2がエア抜けが早いというのは、Co2自体がゴムとの親和性が高いために、エア抜けしてしまうというのが正しい解釈のようです。
細かい理屈などどうでもいいと思う人もいるでしょうけど、正確な理屈に変更させていただきます。
総括すると
・Co2インフレーターで空気圧を上げた場合、チューブのゴムとCo2の親和性が高いために、空気よりもエア抜けが早い。
・Co2インフレーターは、パンクしたときには便利。
・パンクしてC02を使った場合、家に帰ったら一度チューブ内のエアを抜いて、フロアポンプで入れなおしたほうがよい。
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2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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